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「夏休み」は法律上の義務ではない? 休日と休暇の違いを知ろう

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夏本番も間もなくとなり、夏休みのスケジュールを立て始めた方も多いのではないでしょうか?

と、ここで気になるのが夏休みの日数や、そもそも夏休みが取得できるのかどうかなど、現実的なお話かもしれません。

特に夏季休暇については会社ごとに様々なルールが設けられ、夏休みがない企業も少なくありません。 「あれ?夏休みって法律で決められてないの?」と思う方もいるかもしれませんが、夏休みは法律では義務とはされていません。

今回は休暇と法律の関係について詳しく見ていきたいと思います。

夏休みは法律上の義務ではない

一般に、日本の企業では、製造業やサービス業などの特殊な勤務体制が必要な会社や部署を除き、夏期のお盆の時期の前後と年末年始にまとまった休みをとっていることが多いのではないでしょうか。

しかし、実は、法律上は夏休みを就業規則で規定し、従業員に夏休みを与えることは義務とはされていません。 法律上、会社が従業員に与える義務のある休日は、労働基準法35条により、週少なくとも1回以上、または4週に4日以上の休日を与えることが会社の義務として課せられています。

週休2日にしたり、祝日や年末年始を休日として就業規則に定めている会社が多いですが、これは法定外休日の扱いです。

夏休みは法律上ちょっと曖昧?

一方で、夏休みの法律上の位置づけは、若干曖昧です。

まず、法律上、同じ休みの日でも休日の他に、休暇という概念があります。 休暇には、雇用契約上または就業規則上の休暇の他、法律で定められた有給休暇があります。

年次有給休暇は、継続勤務年数によって年に10~20日発生することが定められています。 休日と休暇には、従業員が休む日を自分で決定できるかどうかという違いがあります。

例えば、慶弔休暇や有給休暇は、労働者が自分で休む日を指定できるのが特徴です。 これを夏休みに戻って考えてみると、夏休みをとっても賃金カットになることは実際上なく、そもそも働く義務のない休日扱いとも思えますし、一方で、休暇期間をある程度従業員が選べるとすると、休暇としての要素もあります。

したがって、夏休みの法律上の位置づけは若干曖昧なままです。 多くの会社では、法的な位置づけを曖昧にしたまま、長年の社会慣習に従って、休みをとっているのが実情ではないでしょうか。

もっとも、就業規則に何ら規定がない場合や就業規則所定の夏休み期間が短い場合には、法定の休日ではない以上、「夏休みが短い」といった不満があっても、違法性までは認められないケースが多く、会社と争うことはなかなか難しいのではないでしょうか。

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