「DX」って結局誰のため?何のため?DXで進める未来の働き方構想会議【WORK and FES 2021】

2022.02.02 ライター: SmartHR Mag. 編集部

「Relationship(関係性)」をテーマに、12月11日に開催された『WORK and FES 2021』。多数のセッションを通して、働くことをとりまくさまざまな関係性を見直しました。

ここ数年の間に、さまざまな場所や文脈で語られるようになった、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。デジタルの力を使った業務改革は、多くの企業にとって重要な課題です。一方で実態を掴みづらく、自分ごと化しづらい側面も。

この記事では、「「DX」って結局誰のため?何のため?DXで進める未来の働き方構想会議」で語られたことをご紹介します。

■須藤憲司 株式会社Kaizen Platform 代表取締役

2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。企業の顧客体験DXを支援する「UX」「動画」「DX」の3つのソリューションを提供。著書に『ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜』(NewsPicks Book)、『90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門』(日本経済新聞出版社)、『総務部DX課 岬ましろ』(日経BP日本経済新聞出版)がある。

■北川拓也 楽天グループ株式会社 常務執行役員 CDO(チーフデータオフィサー) グローバルデータ統括部 ディレクター

ハーバード大学数学・物理学専攻、同大学院物理学科博士課程を修了。物性物理の理論物理学者として、非平衡のトポロジカル相の導出理論を提案し、『Science』などの学術雑誌へ20本以上の論文を発表。楽天ではCDO(チーフデータオフィサー)としてグループ全体のAI・データ戦略の構築と実行を担っており、日本を含む、アメリカやインド、フランス、シンガポールを含む海外5拠点の組織を統括している。楽天技術研究所の所長、楽天データマーケティング株式会社取締役を兼任。データ基盤作りからプロダクト開発、AIとデータを使ったDXコンサル事業を立ち上げ、データによるビジネスイノベーションを推進している。Well-being for planet earthの共同創設者、理事。

【モデレーター】

■伊藤羊一 Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長

日本興業銀行、プラスを経て2015年よりヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてもリーダー開発に注力する。2021年4月に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の学部長に就任。代表作に52万部超ベストセラー『1分で話せ』。ほか、『1行書くだけ日記』『FREE, FLAT, FUN』など。

※本記事掲載内容は、2021年12月現在の情報に基づいています。

企業が直面するDXの壁

須藤さん:Kaizen Platformという会社を経営しております、スドケンこと、須藤憲司と申します。普段は大企業のDXをサポートする仕事をやっています。久しぶりに北川くんと伊藤さんに対面することができて懐かしいという心持ちでおります。よろしくお願いします。

北川さん:楽天の北川拓也と申します。AIの戦略や執行、データのプラットフォームを作ったり、プロダクト、コンサル、研究所の運営などを、1,000人弱ぐらいの組織で推進しています。データのDXはよく話題になりますが、データはお金とは違う価値を発見するための重要な役割を担うと思っています。

資本主義をアップデートするため、見据えるべきゴールを見つけるためのヒントになるような新しい価値を生むDXの話をしたいと思います。

伊藤さん:モデレーターの伊藤羊一です。DXの経験は、以前HRデータの蓄積と活用について取り組んでいた時期がありました。とはいえ今日は、素人目線でお2人にいろいろ聞いていきたいと思っています。ぜひよろしくお願いします。

まずは昨今話題のDXについて、流れを整理したいと思います。まずデジタイゼーション、要するにデジタル化ですよね。ここでは自動化と効率化を目指します。スドケンさんの本では、業務プロセスのDXと名付けていますね。その結果として大きな変革が起こり、提供価値のDXが成り立つという流れです。

須藤さん:このご時世においても、電話で注文を受け、紙の注文書を書き、FAXを送ることをされている会社がたくさんありますよね。このような業務プロセスをデジタル化するメリットの1つが、人手不足の解消です。地方中心に加速する人手不足ですが、日本では40年の間に3,000万の労働人口が減るといわれています。そう考えると、業務プロセスのDXはマストでしょう。

デジタル化によって注文数の変動が見えるようになれば、時期ごとに合わせた物流の塩梅を調整することが可能です。つまり、今まで固定的に使っていたインフラを、変動的、流動的に変えられるようになります。最終的には納品のリードタイムを短くできて、利用者としても嬉しい状況を作り出せます。

伊藤さん:注文を電話で受けたり、発注もFAXでやっているというような会社さんは、デジタル化を進めることに大きな壁があるのではないでしょうか?

須藤さん:そうですね。実は一番時間がかかるのは、業務プロセスのデジタル化なんです。なぜかというと、みんな旧来のやり方に慣れているからです。慣性の法則が利いているなかで、どう乗り越えるかが肝心なのです。

北川さんに聞きたかったんですが、データがきれいに取れるようになったら、どんなことができると考えていますか?

北川さん:デジタイゼーションにあたっては、オペレーション改善が前提となりますが、大きな組織になるほど、難易度が上がります。おっしゃるように一番大変なんじゃないかと思います。

データ利活用については、僕はざっくり分けると2つあるかなと思っています。1つは、先ほどスドケンさんがご説明されていた効率化によるコスト削減。その次に、市場の拡大です。

例えば、eコマースをすることによって販売からロジまでのデジタイゼーションができたとします。今度はインベントリーのコントロール、在庫の最適化を含めて、コスト最適化ができるようになります。

その次に、お客さまがどういったものを、どういったタイミングで欲しがっているかという需要が見えてきます。それが新しい商品開発、マーケットの拡大につながるという流れですね。

伊藤さん:DXがなかなか進まない理由はシンプルで、最初のプロセスを変えるのが大変からなのかもしれませんね。あとは、データが溜まって、その先に起きる変化を想像できていない可能性もありますね。

提供価値のDXのための5つのステップ

伊藤さん:スドケンさんの本を読みましたところ、提供価値のDXに向けた大きな変革には、5つのステップがあると書かれています。ここを簡単にまずは解説いただけますでしょうか。

須藤さん:提供価値のDXとは、消費者の体験をリッチにすることです。例えば、フードデリバリーのサービスを使うと、今どこにいる、どこまで来ているというのが分かるじゃないですか。あれを見ていると、待ち時間のイライラを軽減できるわけです。

「今ここにいるんだな」「そっちじゃないよ」みたいなことを思いながら待っていると、待ち時間がすごく豊かなものになるんです。体験のリッチ化はデジタルの中だけでは実は完結しなくて、リアルとデジタルを行ったり来たりするものだと思います。

もう1つはパーソナライズ化です。例えば、足が痛くないパンプスを求めている人がいた時に、タイミング良く出してあげること。これらが実現していくと、めちゃくちゃ便利になりますよね。その状態まで行き着くのがDXだと思っています。

まずやるべきことはモバイルファースト。スマホで仕事ができたり、スマホで業務ができる状態を作ります。使い方がわからないという人もいますから、やり方を動画化する必要もあるでしょう。モバイルによって注文処理などを行えれば、データが蓄積されます。最近の飲食店ではスマホでオーダーができるようになりましたよね。そこで取ったデータを、今度はリアルと接続していきます。接客に反映したり、ECで買われているものを店頭でレコメンドしたりなどがそうですね。

そのようなことをやっていくうちに、ビジネスモデルも変えることができます。例えばワシントン・ポストは、元々新聞社でしたが、最近では自社用に作ったCMS(コンテンツマネジメントシステム)を外販するようになったとか。自分たちのために作ってきた仕組みをそのまま他所にも提供しはじめたのです。

伊藤さん:リアル接続に関連して「OMO(Online Merges with Offline)」という言葉がありますけれども、そこに近い考え方でしょうか?

須藤さん:そうですね。OMOはお店だけの話ではなくて、金融や営業会社にも当てはめられます。今まではリアルでないとできなかったものが、裏側の仕組みが全部デジタルでつながることで、スムーズにリアルと接続できるようになるわけですね。

これはかなり大きな変革ですから、たいてい4番目のリアル接続で困ってしまう会社が多いと思います。

なぜなら、リアルで動いている人たちのほうが圧倒的に人が多いからです。デジタルマーケティングなどの部署だけで完結できるような話ではなく、現場にいる大多数の人たちの仕事や人員配置を見直さなくてはならないので、めちゃくちゃ難しいと思います。

効率化よりも在るべき姿を描くことが、価値あるDXに繋がる

北川さん:これを加速させるには、エンドユーザーの需要の変化が必要だと僕は感じています。例えば一世を風靡したバイナウペイレーター。金融機関への若干の不信感からカードとかを持ちたくないお客様が増えている一方で、金融機関を通じずに似たような後払いサービスを利用したいというニーズが、バイナウペイレーターの異常な盛り上がりにつながったという話なんです。

一見クレジットカードと大差ないサービスに思えますが、Z世代から見るとそれが大きな違いに見えたのだといわれています。盛り上がりを見せている革新は、需要ドリブンなのです。

伊藤さん:そうやって考えると、デジタル化やデータ蓄積の流れで結果的にDXを成し遂げるのではなく、在るべき理想の状態を描いてから計画していくことが大切なのかも。

北川さん:そうなんです。マーケットが迎えに来ているぶん、スタートアップが思いっきり勝つ可能性もあります。DXをやっていなかったら売れないし、やっていたらどんどん売れるような時代が、もうちょっとで来るでしょうね。

SmartHRにちなんで、HRのDXについても話したいと思います。アメリカで今起きているHR業界の大変革に、タレントマーケットプレイスという考え方があります。これは、ジョブ型雇用からスキル型雇用に移行する動きです。

スドケンさんがおっしゃっていたように、今は採用が難しい時代ですよね。そこで社内異動で人を埋めるケースが増えてきました。違うジョブマーケットにいる人を、近接するスキルにも横移動させるのです。例えば「あなたはSEOをやっていたら、データ分析もできるよね」といった具合です。

Z世代を中心に、仕事に対して安定よりもスキルアップを求める人が増えました。この仕事でどんなスキルが身に付くのかを見える化しなくてはなりません。そのため、スキル定着のためのマイクロラーニングで学べるサービスが、HRシステムとしてめちゃくちゃ導入されているとか。これによって人材の流動化の在り方や、キャリアの積み方がすごく変わっていっているんですよ。

伊藤さん:そのためには、個々のスキルがパーソナライズされている必要があるのですね。提供価値のDXと同様で、転職市場のニーズを把握した上で在るべき姿を描き、仕組みを作っていけば、人材の数だけマーケットでも新たな価値が生まれるのでしょうか。

北川さん:まさに。ポジションが求めるスキルセットと求職者のスキルが見える化されて、それぞれがマッチングされていくという世の中です。これを日本国中で実現できれば、世界で注目を浴びる人材マーケットを作り出せるかもしれませんね。

伊藤さん:スドケンさんはいろいろな企業に対してDXのサポートをされていると思いますが、在るべき論からDXを設計するのは難しいんじゃないかなという想像をしてしまいます。実際のところ、いかがですか?

須藤さん:北川くんがやっているウェルビーイングがとても重要だと思っています。DXで社会の課題を解決するには、1つの部署、1つの会社がDXを完遂するだけでは足りないんです。

伊藤さん:それだけだと、単なるデジタル化にすぎないですよね。

須藤さん:そうです。つながらないといけないんです。みんなが「うちはこういうやり方だから」「うちはこういう業務だから」と言い合っていては、つながりません。これを疎結合化していくとか、APIでつながっていく仕組みをデザインすることが求められるのではないでしょうか。

業務プロセスをデジタル化するのは、めちゃくちゃ涙ぐましい努力です。なんとか接続してやろうという取り組みが、僕はすごく大事だと思っています。

伊藤さん:例えば大企業の支援をする時であれば、あらゆる角度から在るべき姿を議論して挟み撃ちのようにまとめ上げていくということですか?

須藤さん:そうですね。意図してやっています。

属人化したサービスから、DXによる新しい価値提供

須藤さん:日本のサービスや技術は、海外に比べて属人化している傾向にありまして、その分人材の流動性が圧倒的に低くなっています。「熟成された秘伝のたれ」みたいなオペレーションがいろんなところに存在しています。

それを単純にデジタル化しようとすると、絶対に品質が落ちるんですね。長年培ってきた人間のほうが優秀ですから。これを解きほぐしながらDXをしないといけないというのが、難しいところです。

伊藤さん:日本の場合は、職人の技のクオリティが高すぎて、デジタル化する力学が働きづらいんですね。人の手によって成立しているものを、あえて変える必要も理解されづらいという。そんな中で「変えたほうがいいですよ」という提案はどのように伝えるのですか?

須藤さん今からやろうとしていることが、新しいサービス、新しい業態なんだということを伝えるようにしています。属人的なスキルで完璧に運用されたものを、なるべくクオリティを下げずにデジタル化しようという発想ではうまくいきません。

北川さん:これはめちゃくちゃ本質ですね。日本でデータベースのスイッチングが起こらない理由はそこなんですよ。ソフトウェアベンダーに対するリクワイヤメント(要求事項)が日本はめちゃめちゃ高くて。だから、ちょっとでもインシデント起こしそうになったら、レバーを戻すということが本当にそこら中で起きているんです。

僕の想定では、この状態を脱するには需要の変化しかないかなと。新しい世代には、時代に応じた機能さえ搭載していればクオリティは多少低くてもいいですよというの考えの人が増えてくると思います。

伊藤さん:でも、世代が変わるのを待っているうちに疲弊してしまう人たちもいるかも? コメントには「うちはDXができていないな。整備よりも目の前の仕事優先の風土、マニュアル運転だからみんな疲弊」という書き込みがありました。これはどうすべきでしょうか。

北川さん:僕は、みんなが怒るのをやめたらいいと思いますよ。

須藤さん:どういうこと?

北川さん:お客さんを含め、日本国民は常になにかに怒っていると感じます。アンガーマネジメントを学んで、質が悪いことに対する怒りを抑えてみて欲しいです。そしたらDXが一気に進むというのが僕の仮説です。

ソニーのAIBOという犬のロボットがいますよね。人型のロボットだと、質の低さがなんだか際立ってしまって「何だ、このロボット。使えないじゃないか」ってなるんです。でも、犬のロボットだったら多少アホでも全然許せちゃう。AIBO戦略のように、提供するUXを変えてみるのはいいかも。

伊藤さん:では現実的には、そもそもターゲットや提供価値そのものをDXと合わせて変えるということが大切であると。

須藤さん:そういうことだと思います。体験をデザインして、お客さんの期待値をコントロールすることで、今までとは違う品質でも満足していただける状態を作っていきたいですね。

データが導く、その人だけのウェルビーイング

伊藤さん:北川さんはウェルビーイングにも同時に取り組まれていますよね。スドケンさんの表においても、体験のパーソナライズ化という項目があります。これは一人ひとりに向き合うということがDXの本質であり、結局目指す姿はウェルビーイング、ということなのでしょうか?

北川さん:まさにそうですね。データによって測るものは、お金の価値ではなくウェルビーイングの価値。いい例が不動産を買うときです。セリングバリューを気にする人は非常に多いと思いますが、よく考えれば、向こう20~30年住む家なのだから、住みたい家に住むべきなのです。

幸せに生きるために稼いだお金で家を買うのに、数十年先のお金のことを考えているというのは、矛盾していますよね。最優先されるべきは、あなたがどういう人生を生きたいのか、どういう生活をしたいのか、どういう家族や友達と一緒の時間を過ごしたいのかです。

矛盾の発端は、不動産の売買の世界が、お金を中心に語られていること。主観的価値で決めるべき家の価値が、客観的価値である通貨で決まってしまっているマーケットのなかで、唯一データだけが、その人のしたい生活にとって、いい家を教えてくれるんですよ。

須藤さん:自動運転が出てきたら、駅からの道のりは意味がなくなりますよね。以前中国にいった際、ウーラマというUberEatsみたいなフードデリバリーを使ったことがあります。めちゃくちゃうまい麻婆豆腐と出会って、店も近いから歩いて行ってみようと思ったら、シャッターが閉まっていたんですよ。

ヨレヨレのTシャツを着ているおじさんが中でめっちゃ鍋を振っていました。そこに配達の人が行列をなしていて。おじさんの話によると、そこは元々四川料理店だったそうです。いろいろなメニューを出していたんだけど、おじさんは麻婆豆腐だけが作りたかった。接客もやりたくないと。でも、お店の人気のために我慢して店をやっていたそうなんです。

フードデリバリーができたことで、麻婆豆腐を作り続けることが許されるようになったんですって。店を閉める際も、誰かに遠慮することもなく、ボタン1つで閉店できます。「俺、毎日めっちゃ幸せ」とおっしゃってました。

人はみんな、自分の得意なことで社会に貢献できれば、幸せなのかもしれません。デジタルが人やデータをつなぐことで、そんな世界が作れるのではないでしょうか。

伊藤さん:不動産のお話はDXによってデータが溜まっていくことで、パーソナライズされた好みに適合できるよというお話ですよね。でも、それって多分、不動産屋の常識を変えなきゃいけない。

スドケンさんのお話は、今まで食事を提供するということは、店やメニュー数や接客などを統合したものだったところを、デジタルによってアンバンドルできたというお話ですよね。2つのエピソードは、DXによるビジネスモデル変革そのものにつながると理解しました。

北川さん:価値の根源は、主観的価値と客観的価値で成り立っています。お金を払うときに、自分が払っているお金よりも大きな喜びを得ていると感じれば払いますし、麻婆豆腐のおじさんも、今の働き方に価値があると思っている。

資本主義によって見逃されていたのは、主観価値と客観価値のギャップに対するマネタイズでした。今まではアービトラージ(裁定取引)といえば、客観価値と客観価値のギャップから、そのパイの奪い合いをみんなでしていたんです。

伊藤さん:つまり、変革というのは逆だということですよね。アービトラージというのは、その差を埋めることによって儲けるという意味合いを含みますが、その差を埋めるんじゃなくて、生かすと。

須藤さん:その差を見つけることのほうが価値が高いんです。だから、データに価値があるんですよ。

DXの未来をつくるのは、価値観を再構築すること

伊藤さん:残り5分になりましたので、まとめになりますが、北川さんから今日の話を踏まえて最後に何かありますか?

北川さん:では、これからなにをすべきかというお話をしたいと思います。新しい価値観を持っているのは若い人です。若い人が活躍できる会社をつくれば、自動的にDXに向かっていくと考えています。

伊藤さん:要するに凝り固まった価値観を解き放てということですね。ありがとうございます。じゃあ、スドケンさん。

須藤さんDXとは、今までわれわれが築き上げてきた昭和的価値観がぶっ壊れることなんだと思っています。勝手に壊れるのかというのもあって。

僕は大谷翔平さんをすごいと思っているんです。最初にアメリカへ行ったときはめちゃくちゃ叩かれていたけれど、MVPをとるまでやり遂げたんです。

心理学者の先生によると、自己効力感(エフィカシー)という、未来に対する根拠のない自信があることが重要だと。一方でコンフィデンスというものがあるんですが、コンフィデンスは過去の実績に対する自信なんですって。不可逆で、不確実な世界に向かっている我々にとって大事なのは、エフィカシーなのかもしれません。「なんとかなる」というエフィカシーを持って、変革をしていくといいんじゃないかなと思っています。

伊藤さん:ありがとうございます。足元のデジタル化というのは、涙ぐましい努力が必要ですが、ビジネスモデル変革までを見据えるとかなり深いテーマでしたね。既存の価値観を壊し、エフィカシーを持って、がんがん若い人に担ってもらおうということを学べました。どうもありがとうございました。

【執筆・まえかわ ゆうか】
エディター / ブランディングプランナー / カレー屋さん。アパレルからビジネス分野まで幅広い分野でクリエイションを提供する。専門分野は食。

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