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「バックレ新入社員」が発生・・・、退職手続きして大丈夫なの?

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こんにちは、社会保険労務士の吉田 崇です。

新年度が始まって2週間ちょっと経過しましたが、皆さまの会社の新入社員の方々はどのように過ごしておられるでしょうか。

毎日、新しく経験することに胸を躍らせ、ドキドキワクワクと仕事を楽しんでいる、というのがもちろん理想ですが、

「ああ、早く週末にならないかなぁ……」

と、休日だけを楽しみに毎日を耐え忍んでいる方も、中にはいらっしゃるのが現状ではないでしょうか。私もサラリーマンの新人時代はそうでした。

ゴールデンウィーク明けが特に辛いんですよね、これが……。

さて、今回は新入社員がバックレてしまった時の対応方法について考えてみたいと思います。

まずは電話等でコンタクトをとり「退職届の提出」を依頼

入社後の辛さに耐えきれず、入社数日で退社してしまう新入社員も少なからずいらっしゃるようです。

もちろん、事前に退職届を提出してくれれば手続き上は問題はないのですが、何の連絡もなくある日突然会社に来なくなる方には困りものです。

これは、会社にとっても、何か事故にでもあったのかと心配もしますし、勝手に退職手続きをとっていいものかという悩みも生じます。

こんな時はまず、会社としては突然来なくなった従業員に、電話等で連絡を取るようしましょう。

自己都合退職であることの証明にもなる

幸い事故などではなく、単に会社に行くのが嫌になったということで、

「ウィッス、もう会社辞めるんで、ヨロシクっす」

と寝起きの声で告げられた場合、怒鳴りつけたい気持ちはグッと押し込めて、郵送でも構わないので、できる限り退職届を出してもらうようにしましょう。

これは、言った言わないのトラブルを避けるためと、会社都合退職ではなく、自己都合退職であるということの証明にもなります。

提出を拒否される場合に備え、通話を録音しておくのも手

ただ、

「いや、退職届とかめんどくさいンで無理っす」

と言われてしまう場合は、できるだけ電話の会話を録音しておくなどの方法で、記録を残しておくのがベストです。

音信不通の場合の手続き手順は?

では、電話すれども電話にもでない、家族の連絡先もわからない、といった場合はどうすれば良いでしょう。

この場合、少々面倒ですが、従業員宛に内容証明を送った上で、退職の手続きをとるのが確実です。内容証明の内容は例えば以下のようにします。

『〇〇様 貴殿の無断欠勤が2週間以上続いておりますので、当社就業規則第■条に則り、貴殿の退職手続きを取らせて頂きます。

この決定に不服がある場合は、●月×日までに代表の▲▲まで連絡してください。

指定日時までに連絡がない場合は、この決定に異議がないものとして、自己都合による退職として手続き致しますので、あらかじめご了承ください。』

このような内容で、内容証明郵便を送り、期日までに連絡がなかった場合は、自己都合の退職手続きをとるのが良いでしょう。

おわりに

明らかに自分に向いていない職場や、あまりにもブラックすぎる職場で病気になるまで我慢して務める必要はもちろんありません。空前の売り手市場とも言われる昨今においては、よりチャンスが拡がっています。

それでも、今後さらにより良い職場へステップアップするための下積みとして、ある程度のスキルや仕事の進め方を現在の職場で学んだり、仕事のやりがいなどを見つけたりするまで、頑張ってみるのもひとつの手段ではないか、というのが私個人の思いです。例えば、「向き不向き」をとっても、一朝一夕で判断できるようなものではありません。

言わずもがな、退職に際しては、退職届をきちんと提出するなど、最低限のルールは守っていただきたいものです。

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