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精神疾患の疑いがある社員に精神科の受診を指示できる?|労務のお仕事Q&A

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目次

Q:精神疾患の疑いがある社員に精神科クリニックの受診を指示できる?

自覚のない精神疾患の疑いがある社員に対し、精神科クリニックの受診を業務命令として指示することは可能でしょうか? 可能な場合、妥当性の根拠と対応において配慮すべき点を教えてください。
(製薬業/労務、東京都)

A:具体的事実を踏まえ、対話や産業医との連携など他の対応を重ねた後の手段として考えましょう

宮原 麻衣子

受診命令の発出前に、まずは当該社員に対し精神疾患が疑われる根拠事実を説明し、不調の自覚を促すことが重要です。精神疾患は自覚や受容が困難なこともありますが、会社は安全配慮義務を負っており、社員の心身の不調を看過できません。

受診命令が就業規則において合理的に定められている場合、原則として有効と考えられます。裁判でも「(略)目的に照らして合理的で相当な内容のものであれば、受診を拒否できない」と判断されています。(電電公社帯広電報電話局事件・最一小判昭61・3・13・労判470号6頁

一方で就業規則に定めがなくとも、心身の不調を裏付ける客観的事実や業務上の支障があれば受診命令は有効とされた裁判例も存在します(東京高判昭61・11・13・京セラ事件、労判492号13頁)。しかし、精神疾患という事情を鑑みると、やはり就業規則に明記し、その上で具体的事実を踏まえて受診命令を出すのが最善であると考えます。

受診命令は当該社員との対話や産業医等との連携など、他の対応を重ねた上での手段であるという点を意識してください。

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