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過労死事件が生じた際に「決定的な証拠」となる意外なモノとは

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電通の過労死事件が連日報道され、長時間労働に対して関心が高まっています。

その際、最近ではTwitter等のSNSへの書き込みが裁判での有力な証拠となり得ることが話題になっています。

長時間労働が原因となる過労死または過労自殺が起こった場合、どのような証拠によって「長時間労働」及び「長時間労働と死亡との因果関係」を立証すればよいかが焦点となるので非常に重要なポイントとなります。

今回は、不幸にも過労死・過労自殺が起こった場合、長時間労働の事実を立証するための決定的または有力な証拠としてどのようなものがあるかについて解説したいと思います。

勤怠管理記録の入手が基本

最近ではタイムカードでなくICカード等により電磁的記録の形で出退勤管理を行っている会社が増えています。

まずは勤務先会社がどのような勤怠管理システムを取っているかを確認し、その記録の開示を受けることが大事です。

万一、会社が記録を開示してくれない場合は、労働基準監督署に対して開示請求を行ったり、裁判所に証拠保全の申立てを行ったりすることにより、勤怠管理にかかる証拠を入手することができます。

PCの起動時間やファイルの作成時間も証拠になり得る

勤怠管理記録の開示ができたとしても、次に実労働時間(残業時間)が適切に記録されているかどうかが問題になります。

実労働時間を立証するためのものとして有名かつ実際に裁判でも提出されている証拠としては、上司や同僚に対する業務上のメール、業務日報、スケジュール手帳、ビルの入退館記録、PCの起動・終了時間ログデータ、成果物等のファイルの作成時間・更新時間が明らかになるものなどがあります。

最近、裁判での有力な証拠となり得るものとして注目されているSNSの書き込みも、実労働時間を立証するための証拠となります。

ただし、SNSの書き込みの場合は注意すべき項目が3点あります。

①本人の投稿内容の真実性
②書き込み内容の具体性
③書き込み回数

普段から嘘か本当かわからない情報を発信していたり、業務情報以外の書き込みが多すぎるといった場合、かえって長時間労働と死亡との因果関係が認められづらくなるという問題があります。こうした場合、やみくもに証拠として提出するのは避けたほうがよいでしょう。

過労死・過労自殺が起こるか否かは、裁量の有無や本人の資質だけでは決まりません。

企業の側は適切な勤怠管理をしなければなりませんし、従業員の側は過労死ラインを超える労働を強制された場合は弁護士や労基署に相談したり、転職を検討するようにしたりと、自身の体を第一に考えて行動されることを願っています。

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