アンケートで見えた、育児・介護休業法改正に関する各社の対応や課題
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2025年2月、SmartHRユーザーのコミュニティである「PARK」の参加ユーザー企業さまに向け、育児・介護休業法改正(2025年4月1日施行、10月1日施行)に関するアンケートを実施しました。
4月1日施行の各種対応を進めるなかで、「他社はどのように対応したのだろう?」「法改正へのなにか良い対応方法はないか?」と考えた担当者の方々も多くいると思います。
本記事では、今回実施したアンケートの結果から、育児・介護休業法改正に対する各企業の対応を振り返りつつ、10月1日施行に向けた情報収集や各種対応のヒントをお届けします。
今回、実施したアンケートについて
2025年3月に、2週間の期間を設けてPARKの参加ユーザー企業さまを対象にアンケート(選択式16問、記述式3問)を依頼・実施し、82社より回答を得ました。

SmartHR Mag.編集部
各社の拠点数、従業員数、業界などまんべんなく分布しています。アンケートにご回答いただきましたPARK参加企業の担当者のみなさま、お忙しいなかご対応いただき、ありがとうございました!
「煩雑すぎる」多くの企業からあがった戸惑いの声
担当者として育児・介護休業法改正について感じていることや、今後の課題感について自由記述してもらったところ、以下のようなコメントが得られました。
・制度が複雑化してきており、担当者自身理解するのが難しい
・煩雑すぎるのでポイントを例をあげるなどわかりやすくしてほしい
・担当の手間がかなり増え、人手不足をとても感じます。なかなか人を増やしてもらえない部署でもあり、今後どう運用していくかは悩みどころです
・やることが多すぎて、事業主・担当者への負担が大きすぎる。年齢別に対応しなくてはならないこともあり、業務負荷が大きい
・個別周知など、担当者負担がかなり重い
・今回は早めに情報収集を行ったため、対応は確定しているのですが、これから規程の修正や周知体制等の整備に時間がかかると思っています
※内容は原文のままで、一部を抜粋して掲載
SmartHR Mag.編集部
アンケート結果から、今回の法改正がかなり複雑だったため、担当者もその内容把握や対応方法に苦慮している様子が伝わります⋯⋯。以下の動画コンテンツで、4月1日施行の法改正に関しておさらいできるので、ぜひご覧ください!
2段階改正の初期対応、具体的にどう対応した?
4月1日施行の法改正では、従業員に向けた各種制度の情報提供や、実際に育児・介護をしている従業員の情報収集などの対応が求められました。
参考:「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」(厚生労働省)
これに対して、アンケートでは以下のような回答が得られました。


SmartHR Mag.編集部
育児関連は「社内イントラ」などのツールを使うほか、情報収集ではSmartHRを活用くださる企業さまも多くいました。一方、介護関連は情報提供の際に「書面交付」を選ぶケースも多く、大切な情報を確実に届けるために紙を選ぶという意図があるのではないかと思います。
今回の法改正は、育児や介護の当事者である従業員との「コミュ二ケーション」方法が肝になるといえそうです。そこで活かせる、SmartHRの利用方法や業務フローをまとめた図解コンテンツを紹介しますので、ぜひ以下をご覧ください。
個別周知・意向確認の負担増に「効率化」を求める声が多数
次の育児・介護休業法改正は2025年10月1日に施行されます。それに向けて、各社で準備していることもアンケートで尋ねました。


また、アンケートの自由回答でも「個別の周知・意思確認をいかに簡略化するか」「対象者の情報を効率的に集め保管することに課題を感じる」など、コミュニケーションに課題を感じる方が多くいました。
SmartHR Mag.編集部
育児関連は、個別の周知・意向確認や意向聴取について、現状は「面談(オンライン可)」での実施が多数派でした。
「書面交付」では、コミュニケーションの効率化を実現しつつ、漏れないフローやデータ管理に、SmartHR Magの機能も活用いただけると思いますので、ぜひご検討ください!
「対象者の把握」に使える従業員リスト(従業員データベース内の機能)
「従業員への周知」に使えるお知らせ機能や文書配付
「従業員の意向聴取」に使える申請・承認機能やメッセージ
あらためて考える、テレワーク導入の可能性
本法改正では、育児・介護をする従業員がテレワークを選択できるように措置を講ずることが努力義務化されます。テレワークについてもアンケートでお聞きして、その回答傾向を以下にまとめました。

「導入しない」と回答した企業のうち約7.5割は「テレワークを導入できる職種ではない」、約2割が「努力義務なのでいまは様子を見ている」と回答し、そのほか以下のようなコメントも得られました。
・古い会社で町工場的な価値観が残っている。テレワークを「さぼり」と考える風潮もあり、導入の妨げになっている
・原則テレワークではありますが、特段勤怠システムに登録はしておらず、対象者のみ時間単位取得を含めた月80時間カウントが困難なためです
・弊社は飲食店の運営をしているため、店舗従業員のテレワークは基本的には不可能なため、どう対応していくか検討の余地がある
※内容は原文のままで、一部を抜粋して掲載
SmartHR Mag.編集部
テレワークの導入については、業界やその仕事内容を前提として、カルチャーなども含めて各社慎重に検討を重ねているようです。
育児期の柔軟な働き方を実現するための措置は、テレワーク以外にも選択肢がありますので、アンケートの結果も参考にしつつ、それぞれの実現可能性を探っていただければと思います。
SmartHR Mag.では10月1日施行の育児・介護休業法改正に向けて、今後も皆さまのお役に立てるようなコンテンツを発信してまいります。
最後に、記事内でも紹介した以下の図解つきのコンテンツで、「SmartHRの活用方法」や「各業務で活用するSmartHRの機能」について触れています。まだ本法改正の対応方法を検討中の皆さまは、ぜひ一度ご覧ください。

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