Q:次のマネージャーになれそうな人材がいない。見極めるポイントは?【人材マネジメントQ&A】

少子高齢化が進む現在では、優秀な人材を採用・確保・育成するために、人材マネジメントの重要性はますます高まっています。この企画では人事担当者が見えにくい「マネジメントの悩み」を人材マネジメントのプロが解説。ビジネスの現場でマネージャーが抱える課題に効果的なヒントをご紹介します。

今回はZホールディングス株式会社 Zアカデミア 学長の伊藤羊一さんに、新任マネージャー候補を見極めるポイントについてご回答いただきました。

A:「熱量」と「ポジティブさ」で見極めましょう

「マインドかスキルか」であれば、現状では不十分だとしても、スキルは後から身につけられるので、マインドをしっかりもっている人がなによりも大切です。

マインドというのは、「頑張ろう」などの言葉が口に出せるようにポジティブであることです。「やりきる」「人のせいにしないという感覚をもっている人」がよいでしょう。わかりやすくいうと、「気合いと根性」があれば、さらによいと思います。

ここでいう「気合いと根性」は、「徹夜してでも、なにがなんでもやる」という話ではありません。ポジティブで、人と接することが好きで、物事を最後までやりきろうと思っていることを指します。

スキルを身につけて成長して、マインドも今以上に向上させて、主体的に行動してほしいので、フットワークが軽いというのが大前提になります。軽すぎるのはよくありませんが、何かあったらすぐ動く感覚があると、やりながら学んでいけます。

今後は、従来と異なるマネージャー像が求められる

すべてを満たしている人材は多くないかもしれません。しかし、少し頼りないところがあっても、ポジティブな人は多く存在します。具体的には、スキルはなくても、やるべきことをしっかり進められる人材です。

マインドがポジティブで人の話をよく聞いて、やりきる姿勢があって、すぐ行動に移せる人材は、どの組織にもいるはずです。

今後は、今までの社会における典型的なマネージャー候補像とは異なる人材が求められるでしょう。今までの典型的なマネージャー像は、スキルをもっている人材が候補になると思います。しかし、スキルがあっても「マネジメントはしたくない」という気持ちがある人には、任せられません。

だからこそ、今のマネージャーには、候補になるメンバーを発掘して育成することが求められます。育てるためには、候補になるメンバーが気兼ねなく話せる環境を整備すること。言葉にしてみないと、リーダーシップは醸成されません。話しているうちに、人は次第に盛り上がって、マネージャーを具体的に目指すようになるものです。「どうせ無理だろう」と言われても、「俺はこのチームでこれをやっていきたいんだ」と言葉にすることが大事でしょう。

チームや会社の未来を自ら熱く語ろう

そのためにも、メンバーが話す量をマネージャーが用意することも重要です。私は、話して意見を闘わせることを狙い、他の会社のマネージャーにも、1on1でも会議でも「とにかく喋ろう」と伝えています。

もちろん、心理的安全性が担保されていないと討論できないですから、マネージャーが頭ごなしに意見を否定しないことが大事です。話す量が多ければ多いほど人は盛り上がるし、マネージャー候補も育っていくと思います。日本の将来やチームの未来、会社の未来を熱く語る。それをやらないで「マネージャーが育っていない」と言っても、「お前もやっていないだろ」と人事やマネージャーの先輩は思うでしょう。

熱量のある人とは、鼻息を荒くしている人ではなく、話す量の多い人です。チームのことをずっと話し続けて、ときには後ろ向きになることがあっても、話しているうちに、熱量を帯びてくる。熱量を出すためには、自分で声に出して、対話することが大前提です。だから1on1も必要で、「言った以上はやらなくては」と主体性につながっていくんです。

日本興業銀行、プラス株式会社を経て2015年4月よりヤフー株式会社。現在、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行うほか、社外でもリーダー開発を行う。2021年4月武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を開設、学部長就任。代表著作「1分で話せ」(SBクリエイティブ)。
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