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「社員旅行に行きたくない」・・・参加は義務か、それとも自由か?


「上下関係があるので気を使って楽しめない」、「貴重な土日をつぶさないで……」––。

ネット上にはこのような「社員旅行に行きたくない」という声が多くあります。嫌なら行かなければ良いと言うのは簡単ですが、事実上、参加が義務となっている企業も多いようです。

法的に義務になるかどうかは、業務として労働時間内の拘束力が及ぶかが区別のポイントになります。つまり、業務に該当し労働時間内の実施であれば、参加義務がありますが、業務時間外や休日に実施する場合には、参加は強制できないという結論になります。より詳しく解説していきましょう。

飛行機旅行

業務としての社員旅行は参加義務がある

まず、社員旅行が業務に該当し、労働時間の拘束内で行われる場合です。

例えば、社員旅行が社内会議を兼ねる場合や、研修を兼ねる場合、会社業務の一環として社員旅行を実施することがあります。

平日の勤務時間内を利用して行われる場合や、時間外・休日に残業・休日出勤の業務命令に基づき実施する場合が考えられます。

いずれも、会社業務として、労働時間の拘束がある範囲内で実施されますので、勤務時間を欠勤する正当な理由や、残業、休日出勤を拒否する正当な理由がない限り、基本的には社員旅行という名目といえども、参加する義務があります。

もっとも、旅費は請求できますし、時間外残業、休日出勤扱いとなる場合は、所定の残業代や休日出勤手当の支給が必要です。所定の代休や振替休日も必要です。

懇親目的の社員旅行に参加義務はない

就業後の飲み会にも同じことがいえますが、業務性のない、純粋な懇親目的の社員旅行として、勤務時間外に実施される場合は、参加の義務がありません。

会社と従業員の雇用契約で会社が従業員を拘束できるのは勤務時間内に限られるからです。

勤務時間外である就業後や休日に社員が時間をどうすごそうが、会社にはそれを指示拘束する根拠はありません。

したがって、この場合、会社が社内会議や研修目的の要素があるとして休日出勤命令を出さない限り、法的には参加義務はないことになります。

参加の義務がないということは、社員旅行を欠席したことを理由に、欠勤扱いとすることもできません。

一昔前よりはだいぶ実施する会社が減ったとはいえ、社員旅行や就業後の飲み会・懇親会の参加に頭を悩ませる方は多いかもしれません。

雇用契約上の勤務時間の拘束が及ぶかどうかがポイントとなりますので、この点を確認して嫌だったら参加しないと伝えることを検討してみても良いでしょう。

弁護士 星野 宏明

大手法律事務所勤務を経て、東京都港区で星野・長塚・木川法律事務所開業(共同パートナー)。企業顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中国法務、外国関連企業、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件、国際案件等が専門。中国語による業務可能。
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