あなたの労務知識、大丈夫?見直し・継続学習で会社のピンチを救う!
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この記事でわかること
- 人事労務マイスター検定について
- 人事労務マイスター検定のメリット
- 人事労務マイスター検定創設の思い
目次
こんにちは。SmartHR人事労務研究所の副島(そえじま)と申します。先日、社会保険労務士試験の合格発表がありましたね。2023年の合格率は6.4%。なかなかの狭き門です。人事労務にまつわる知識をつけようと思うと、この社労士試験を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし合格率からわかるとおり、試験の範囲は膨大で自分ごとになりにくい内容も含まれており、実務の知識が学べるかといったら「Yes」とは言いづらい内容かと思います。では「どこで人事・労務の知識は学べるのか」。長年人事業務に従事しておりますが、そういった場所は見つかりませんでした。
それならば、企業で働くうえで必要になる人事・労務の知識が学べる場所をつくろう!と思い、創設したのが「人事労務マイスター検定」です。何が学べるのか、本稿でご紹介します。
人事・労務担当者に必要な知識を体系的に学習可能
人事労務マイスター検定は、オンラインで受講・受験できる 「人事・労務実務」に関する検定です。人事・労務担当者に必要な「事象×知識」を掛け合わせて答えを導く力を証明します。よりよい働き方を提案・選択できるようになり、あなたらしい働き方の実現に役立つ資格です。
人事・労務業務の担当者さまのなかには、事前知識がないまま事象発生ベースの対応をしているといった方も多いのではないでしょうか。担当者が自分ひとりだけで、悩みを共有したり、教えてくれる上司や先輩もいないという方も多いかと思います。冒頭でもお話ししたとおり、社労保険労務士資格は試験範囲が膨大過ぎて、なかなか踏み込めないという方も多いと思います。
そこで、人事労務マイスター検定(社会保険)では「実務で必要な社会保険・雇用保険」および「詳細な実務運用や書類の作成方法」の一部を学べるように、コンテンツ(教科書)をご用意。知らないことで損をする・企業にリスクをもたらしてしまうことがないように、誰もが教科書を無料でオンライン閲覧できるようにしています。
暗記ではなく、答えを導く能力を身につける
人事労務マイスター検定の目的は暗記力の測定ではなく、「知識」と「事象」を掛け合わせ、答えを導く能力の向上です。以下が大きな特徴です。
- 出題される問題のほとんどが事例型
- 試験中の教科書閲覧・ウェブ検索OK
法改正も頻繁にあり、「事象」は人と企業がもたらすもの。一筋縄ではいかないことも多く、その企業・従業員の状況に応じて教科書で学んだ知識と掛け合わせ、「調べて答えにたどり着く」ことが必要です。「あ、この状況、教科書のあの項目にあったな」「こういったときってどうするべきだったかな」と、立ち止まって調べることが重要です。そんな能力が身につく検定になっています。
人事労務マイスター検定:受験のステップ
- 受験申し込み
- 教科書による試験範囲の学習
- 検定受験・認定証発行
で受験可能な人事労務マイスター検定。試験範囲の学習から検定の受験、認定証の取得まで、すべてオンラインで完結します。オフィスや自宅、カフェなど、好きな場所で学習・受験が可能です。
上図の教科書の他にも、同様の内容を動画と音声で学べる「聞く教科書」もYouTube上で提供しています。目(読む)と耳(聞く)双方のアプローチによって、理解を深められます。
人事労務マイスター検定:問題例
出題される問題例をご紹介します。事前に教科書で学んだ「育児休業給付金の支給要件」をもとに、「育児休業を取得検討している従業員の状況」を掛け合わせながら、答えを導き出せるように設計しています。
例題
株式会社Rに勤務するSさんは2023年6月に正社員として入社しました。Sさんは妻が妊娠し2024年1月に出産予定のため、育児休業を出産予定日から半年間取得することを検討しています。SさんのR社入社前の状況は次の通りです。Sさんは育児休業給付金の対象となる?ならない?(労使協定による勤続1年未満の除外規定はありません)
- 2015年4月 株式会社X入社(正社員)
- 2023年3月 株式会社X退職
- 2023年4月 ハローワークで失業認定を受ける。(雇用保険は未受給)
- 2023年6月 株式会社R入社(正社員)
正答
育児休業の給付金の受給は対象外。
対象外の理由は教科書にて解説しています(閲覧には無料のアカウント登録が必要です)。
人事労務マイスター検定取得、3つのメリット
(01)人事・労務担当者に必要な知識を体系的に学べる
実務担当者として知っておくべき範囲と内容をSmartHR人事労務研究所が選定しています。体系的な学びから知識の土台を形成します。この土台により、法改正情報のキャッチアップや在籍する企業特有の事象へのスムーズな対応を可能にします。
(02)外部の専門家と建設的な議論が可能に
社会保険・雇用保険の不十分な理解では、社会保険労務士との議論が困難なケースが多く存在します。必要な知識を学ぶことで、「新たな制度による影響は?」「法的観点からの問題は?」「メリットの影に潜むリスクとは?」など、外部の専門家と共通言語による議論が可能になります。
(03)よりよい働き方の提案でキャリア形成に役立つ
「学んだ知識と事象を掛け合わせ、課題解決に向けた最適解を導き出す」。この考え方の習得は、人事・労務担当者自身のキャリア形成にもつながります。従業員にとって、企業にとって、そして担当者にとって、よい働き方を導き出すきっかけになり得ます。
掛け合わせで答えを導き、「知らなかった」のない世界へ
人事業務に20年従事していますが、20年前の駆け出し人事の私は労災の存在を知らず、控除された雇用保険料は毎月労働局に納付しているわけではないことも知りませんでした。少し経験値が上がってきた頃、海外の関連会社に従業員が転籍になると聞いて、その決断が本人にとって後悔とならないよう、社会保険の扱いについてさまざまなウェブサイトを調べ回りました。
いつも私は、事前知識がないまま事象発生ベースの「場当たり対応」をしている感覚がありました。
このような経験をして感じるのは、企業の実務担当者として事前に知っておくべきことの知識の範囲はある程度特定できることでした。また、暗記による知識の詰め込みではなく、知識と事象を掛け合わせて答えを導く力が必要であることも実感しています。
知っている人だけが得をする、知らなかったばかりに企業にリスクをもたらしてしまう。そんな世界をなくしたいと思い、この検定を創設しました。企業の人事担当者だけでなく、社会保険の一般常識としても学んでいただける内容になっています。学校でも企業でも習わない知識をこの機会にぜひ身につけていただければと思います。