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社会保険労務士が感じた「働きがいを感じる職場」に共通する4つのこと

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社会保険労務士の山本純次です。

企業で働く人々にとって、ブラック企業やサービス残業、ハラスメントの問題等、後ろめたい情報が昨今蔓延しています。

かつては仕事のやりがいということも考える余裕もなく、高度成長期を突き進んでいた日本ですが、考え方の多様化やグローバル化を背景に様々な働き方が生まれてきています。

社会保険労務士として様々な会社に出入りさせていただく中、社員の方が生き生きとした顔をされている会社に共通する事項はどういうものかを整理してみました。

①業務の仕方や方向性が整理されていて、目標が共有されている

トップの考えや、会社の方向性が社員に共有されている会社は、社員一人ひとりが自発的に動き行動する会社が多いです。逆に社員に業務を押し付け、トップとの距離感が大きい会社は不満がたまりやすいものです。

あまり近すぎてもいけませんが、ビジネスパートナーとしての距離感を意識しつつ、しっかりとトップの考えや理念を従業員に染み込ませている会社の社員の方は生き生きとしていることが多いです。このような会社ではトラブルが起きた時にも大きな問題となりにくいなどのメリットもあります。

②業務評価が適切に行われている

会社によっては現場の作業は部下に任せ、トップは自分の業務だけに専念し、現場を見ない会社もあります。

そうすると現場で起こっていることが理解できないことに加え、いくら現場で頑張っていても社長に評価されないといった不満が高まることが多々発生します。なかなか全ての現場を見ることはできないと思いますが、部下がどこで困って、どこで頑張っていてということを上長がしっかり見ている体制がとれている会社は、例え社員の業務評価が良くない場合でも、しっかりとフィードバックすることにより部下も納得して仕事ができます。

評価体制というと敷居が高いかもしれませんが、要は部下の行動や成果をしっかり見ているかということをトップは肝に銘じるべきです

③「信賞必罰」を徹底している

②に近いものではありますが、簡単に言うと成果をあげた社員に報い、成果が低い社員に厳しく対応するということです。特に中小企業だと家族従業員や創業時の仲間などで占められていて、身内に甘い評価をトップはしがちです。

新しく入った従業員がそういった人の部下になって、何故成果もあげていない人がいつまでも上司にいるのかということで不満が溜まりやすくなります。技術的にも感情的にも難しいところではありますが、フラットな目線でフラットな評価を行い、好き嫌いでない昇格を実施する、これができれば職場の雰囲気は全く違ったものになります。

④職場内コミュニケーションが程よい形で実施されている

昨今、隣の席に座っている人でもメールやチャットで連絡をとりあうなど、コミュニケーションの取り方が大きく変わってきています。ひと昔前のように上司が部下を引き連れて毎日飲みに行くぞという世相でもなくなってきています。

とはいえ、一日のかなりの時間を費やす職場仲間のコミュニケーションはやりがいにも反映されます。通常の業務内では話せないようなことも、場を変えれば話せることもあります。ただし、これも強制の度合いが強くなると逆効果にもなります。

夜の飲み会ではなく、お昼にみんなで集まって食事をするなど、職場職場の状況に応じて対応すべきでしょう。仕事以外でのコミュニケーションが高くなると、必然的に業務の効率も上がることが様々な研究で立証されています。

仕事は本来、面白くないもの?

他にも様々な要素がありますが、自身の会社のことを振り返って上記の内容をフラットな目線で考えてみてください。また、働く側も現状に満足せず、会社に様々な提案をしていきましょう。

過去にとある会社の社長に教えていただいた言葉に以下のようなものがあります。

「世の中に面白い仕事はない」「面白いと思って仕事をしている人がいるだけだ」

仕事というのは私利私欲や自分勝手にできるものではないので、楽しいことばかりではありません。ただ、どんな仕事もそこにやりがいを見付け前向きに取り組めば、こんなに面白いものもないのです。

是非、経営する側だけでなく、働く側も仕事の面白味を探すという意識を持ち、お互いより良い職場にしていくよう意識をもっていっていただきたいです。

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