職場で使えるカウンセリング理論(1)交流分析の概要と、業務への落とし込み方【Smart相談室】Vol.4 セミナーレポート

2022.07.19 ライター: 廣嶋祐治

2022年6月22日、オンラインカウンセリングサービス「Smart相談室」を提供する、株式会社Smart相談室主催のオンラインセミナー「職場で使えるカウンセリング理論(1)交流分析の概要と、業務への落とし込み方」では、企業でのカウンセリング経験も豊富なSmart相談室スーパーバイザーの鵜飼柔美氏をお迎えして、企業労務担当者向けに企業内でさまざまな相談に対応する際のヒントをお話しいただきました。

労務担当者も多く受講されている産業カウンセラー資格の養成業務に長く携わるなかで見出した、社内相談窓口を設置する際のポイント、運用時に役立つノウハウをはじめ、さまざまなテーマについてご紹介。今回は、全7回を予定されているセミナーの第4回目の講演です。

<セミナー講師> オフィスファーロ 代表 鵜飼 柔美 氏

<進行> 株式会社Smart相談室 CEO 藤田 康男 氏

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理論はカウンセラーが活用する地図

鵜飼さん:これから4回に渡って、カウンセリング理論をどのように現場で使うか、実践でどう活用しているかに焦点を当てていきます。今回フォーカスするのは「交流分析」です。

その前にまず、カウンセリング理論の役割とはなんでしょうか。私は「相談者さんがモヤモヤを解消するためのゴールへの地図」だと考えています。キャリアカウンセラーが現場に出るときに忘れてはいけない姿勢としてお伝えしているのは、「カウンセラーは、相談者さんの助手席で地図を持って座ってお手伝いする存在」であることです。

キャリアをどうつくっていくかを考える主人公は、相談される本人。私たちカウンセラーは、理論という名の地図を使って、本人が抱える「もやもやの解消」をお手伝いする立場です。

私が尊敬する関西大学の川﨑先生は「カウンセリングの理論とは、自然や社会において生じる現象を概念化して一般化した科学的な知識である」と仰っていました。知識を活用することで、クライアントさんの状態や特性をひも解けます。つまり理論は、「ゴールに向かうまでの頼れる知識」と捉えることが大切なんです。

支援にカウンセリング理論を使う理由

逆に理論を持たず、自分自身の経験や主観でクライアントさんを支援するのは危険なことです。カウンセリングはスピリチュアルなものではありません。理論家の方々が研究した科学的知識をもとにすることはとても大切です。

今回取り上げる「交流分析」は、ポピュラーな理論。労務担当の方にもなじみのある理論なのではないかと思います。メンタルヘルスの研修をカウンセラーが行うときに使われることが多いですね。ストレスの要因を自覚する「エゴグラム」も、交流分析をベースにされています。

交流分析は対人関係や行動に関する理論

交流分析は「TA(=Transactional Analysis)」とも呼ばれます。「対人関係や行動に関する理論」と捉えるとよいでしょう。医療、教育、産業など幅広い領域で活用されていて、対人関係の改善や、なりたい自分になるための自己啓発に使うことも可能です。

交流分析の概要

これだけ活用されていますが、すべてを理解したうえで使われているとはいい切れないと思っています。背景がわからないまま心理テストや占いのような感覚で、「このような結果が出ました」「あなたはこうなのですよ」と、エゴグラムを実施できるインターネットサービスもあります。

未来を変えるための、7つの道しるべ

大前提として押さえておきたいのは「過去と他人は変えられないけれど、未来と自分は変えられる」という思想です。交流分析の創始者はエリック・バーンという精神科の医師で、その理論を引き継いだ人たちが追加研究をしました。

現在では7つのジャンルに分けられています。言葉になじみが薄いかもしれませんが、「ストローク」「時間の構造化」「心理ゲーム」「自我状態」「対話分析」「人生態度」「人生脚本」が、交流分析の中の大きなジャンルです。

交流分析における7つのジャンル

交流分析における7つのジャンル

ストローク

「ストローク」は、挨拶や握手などの接触、関わりとお考えください。人は誰でも無条件の肯定的なストロークを求めます。ニコっと挨拶して、ニコっと返してもらうと、気持ちいいものですよね。

ストロークが足りなくなると、ネガティブな方法で求めるようになります。好きな人にわざと邪険に振る舞ったりするような恋の駆け引きも、ちょっかいを出すことで関わりをもらえる。それはストロークを求める行動だと考えられます。

時間の構造化

2つ目の「時間の構造化」という考え方は、24時間のなかでどのような対人関係や時間の使い方をしているかを分析するものです。たとえば、誰とも交流しない、ストロークをせず引きこもっている状態、閉鎖している状態。儀式的な単なる挨拶、儀礼的なもので人と交流している時間。生産的ではないけど、暇をつぶしたり雑談をしたりする時間。何か生み出すような活動をしている時間。それからゲームの時間。のちほど説明しますけれども、心理的な法則のある粘度のある交流のようなものとイメージしておいてください。そして、ワクワクする生産性の高い人との交流。

それぞれどのような割合で時間が使われているかを見て、構造をどう変えればよいかを考えます。一番よいのは、親交とか活動に時間を取ることです。ワクワクするし、楽しいし、ポジティブになれます。

心理ゲーム

3つ目の「心理ゲーム」は、ストロークを求めて繰り返される不快な対話です。たとえば個人的な相談を受けたときに、「こういう形でやってみたらどう?」と返答したとしますよね。そのときに「でも」「だめなの」といった言葉が返ってくることもあるでしょう。そうなると、答えるほうは意地になってきて、次々と新しい回答を出します。でも相談した本人は解決手段よりもストロークを求めているだけ。この対話には終わりがないのです。

そういった不毛な対話が繰り返されると、お互いが嫌な気持ちになったり、さっぱりしない感覚になります。そういう心理ゲームに陥っていないかをチェックする理論です。

自我状態

4つ目の「自我状態」は、いつも「心のチャンネル」と説明しています。のちほど説明しますが、人は誰でも5つの心のチャンネルを持っています。

チャンネルの割合をグラフ化したものが、エゴグラムです。エゴグラムは5つ目の「対話分析」というやり方で、メンタルヘルスの研修で使うことが多いかと思います。他者と自分のやりとりを見直してみるために分析するというものです。

人生態度

6つ目が「人生態度」。自分や他人に対しての基本的な態度、立場を見直してみるというものです。一番残念な人生態度は、「私もよくない、あなたもよくない」という発展性が感じられない態度です。次によくないのが「わたしはいいけど、あなたはだめ」という態度。それから、「あなたはいいけど、わたしはだめ」という態度。目指すべきは、「わたしはわたしでOK、あなたもあなたでOK(I’m OK, You’re OK)」というスタンスです。

人生態度のマトリクス

カウンセリングに来られる方は最初、左下の状態であることが多いです。まずはカウンセラーの受容的な態度によって、「あなたはOKなんですよ、それでいいんですよ」と気づいてもらいます。

「自分はこれでいいんだな」と思えてきたら次は、「こんな目に遭わせたあの人が悪い」「あの人のせいでわたしはこうなった」という考えをぬぐうステップです。支援を続けることで人を許せるようになり、「あの人にはそういう理由があったんだな。こんな事情があったんだな」と理解します。

他者を許せない自己嫌悪に陥ることもあるかもしれませんが、それはステップアップした証拠です。最終的には右上の「あなたもOK、わたしもOK」を目指します。

この理論を頭に入れておくことで、クライアントさんの変化を落ち着いて見られます。冒頭で申し上げた「地図」を生かせるのです。

人生脚本

7つ目の「人生脚本」。交流分析には、過去と他人は変えられないけれど、未来と自分は変えられるというモットーがあります。人は過去の出来事や養育者とのふれあいのなかで、生き方を見つけてきました。自分はこうしないと愛されないとか、こうすれば人が自分によいストロークをくれるんだと。それらは、人生で身に付けてきた「脚本」と呼びます。脚本を理解することによって、子どものときに身に付けた人生脚本が、大人になったいまは窮屈なものであると自覚し、変えていく方向へと支援します。

たとえば、幼少期から頑張れば親に褒められ「こうすれば愛される」という感覚を持ち、そのまま大人になると、そのまま大人になり、社会人として上司やお客さま、部下の期待に応え続ける存在となり、板挟みで苦しんでしまう。そのようなときに脚本の見直しをします。

自我状態5つのチャンネルについて

交流分析における自我状態「5つのチャンネル」

先ほど申し上げた自我状態とは、心のチャンネルともいわれています。一日の間でたくさん表れるチャンネルをグラフ化したものと考えていただけたらいいと思います。

チャンネルは5つあります。CP、NPは過去に親や先生など養育者から教えられてきたことというイメージです。

CPは規則やルールを重んじる社会性。時間を守るとか、お金を返すとか、そういった当たり前のことです。

NPは優しさや親心のようなものです。小さい子には優しく、弱いものには優しくという、献身的で受容的な心のチャンネルがNPです。

AというのはアダルトのAで、事実を客観的に見て理性的に判断する心。つまりチャンネルとは成長の過程で増えていくものです。

FCとACというのは、もともと持っている子ども心のチャンネルと考えていただいたらいいかと思います。FCは天真爛漫さや自由でのびのびした気持ちです。「これが好きだ」「楽しい! わくわくする」などの感情です。

ACは、顔色をうかがって空気を読んだりする心です。相手を優先したり、波風立たないように協調的にするときですね。

個人によって変化する「5つのチャンネル」

5つのチャンネルを使う割合は随時変わっていきます。たとえば待ち合わせ場所に「自分は15分前には到着しているけれども、時間になっても相手が来ない」というシチュエーションがあったとします。もし、自分が15分前に行くことを「約束に遅れてはいけない」と思って行くのであれば、このときの心のチャンネルは規則を重んじるCPです。遅れてくる人に対して、「重い荷物を持ってくるから、先に着いておいて持ってあげよう」と思ったとしたら、それは献身的なNPのチャンネルですね。

相手が来ないという事実に対して、「待ち合わせの時間は過ぎているんだけど、どうしたのかな」と心配するのはNPで、「遅れるなんてけしからん! 連絡すべきだろう」というのはCPのチャンネルです。

「最寄り駅までバスに乗り遅れたとしたら何分には着くだろう」と計算して判断しようとするのは客観的に考えるAのチャンネル。「連絡が来るまでカフェでのんびりしていよう」と、その状態を楽しめているのは、天真爛漫なFCのチャンネルになります。

エコグラムのチャンネル別の質問例

5つのチャンネルの出方には個人差があります。感覚的に、これらの割合を折れ線グラフに書いてみるというのが、デュセイさんという人が考え出したエゴグラム。ただしチャンネルの内容を理解していないと書くことは難しいです。そこでポピュラーになったのが質問紙法です。

データの裏付けが豊富な「東大式エゴグラム」や、「桂式自己成長エゴグラム」はオススメです。少なくともネットで簡単に入手できるものよりも、正確なものを使いましょう。「桂式自己成長エゴグラム」のように複写OKになっているものもあります。『自己成長エゴグラムのすべて―SGEマニュアル(出版社:チーム医療)』という本がオススメです。

質疑応答(1)

Q:ストロークの出し方やタイミングで気を付けることは?

鵜飼さん:ポジティブなストロークがよいと思います。ストロークを受ける方が「言われて気持ちいい言葉、気持ちよい態度、気持ちよい表情」を心がけていただければと思います。

Q:エゴグラムは年齢が上がるにつれて変わる?

鵜飼さん:年齢によって変わっていくので、やるたびに日付の記載をオススメしています。たとえば、育児中の方は、自分が関わらないといけないお子さんが身近に毎日いるので、NPが高くなります。このチャンネルの割合は、変えたいという意思で変えられます。

私は以前、Aはあまり高くなかったのですが、養成講座で説明するにあたって根拠を示さなければいけないことが多いので、繰り返すうちにAが一番高くなっていきました。

自分を変えようと努力されている方だったとしたら、カウンセリングも活用しつつ、半年くらいでだいぶ変わる印象です。

Q:エゴグラムに答えるときに考える状況は?

鵜飼さん:職場での自分と、家族などと一緒にいるプライベートの自分は、キャラが異なるかもしれません。必要なほうでやっていただければいいと思います。

Q:対話中に感じた複数のチャンネルの強弱を判断する方法は?

鵜飼さん:たとえば、ルールを守るチャンネルのCPだと「〜やらねばならない」というのが多めに出てくると思います。NPが高い方だと、「かわいそう」「やってあげたい」という言葉が出てくるかと思います。

Aが高い方はコミュニケーションのなかで根拠を示すとか、データがないとかおっしゃったりとか求められたりしますし、FCの方は見ていればわかるという感じですね。

あまり堅苦しいことを考えず、他者の評価よりも自分の感覚を大事にして自由に振る舞っている場合などです。ACは周りをみて自分を抑えめにしていたり、自己犠牲的なイメージがあるかもしれません。

エゴグラムの活用例

鵜飼さん:エゴグラムは、低いチャンネルを上げるために活用します。重要なことが2つあります。1つ目は、いつも出ているチャンネルを下げるのではなく、あまり出ないチャンネルを上げるようにするのです。2つ目は、Aを上げることです。その場に一番適切なチャンネルは何かを考える力が高くなりますので、Aを上げるとよいでしょう。

ここでエゴグラムの活用例を、3つ挙げます。

(1)自分の特徴を知る、客観視する材料にする

1つ目は自分の特徴を知る、客観視する材料にするという活用の仕方です。

エコグラムにおける「への字型」の特徴

このエゴグラムはCP、NP、Aが高く、FC、ACが低い「への字型」です。「への字型」は、和を重んじる日本人タイプといわれています。CPが高いのでやるべきことはやるし、NPが高いので他者に対して受容的ですし、ACが高くないので遠慮しすぎない。相手に合わせて自分の気持ちを優先しすぎない程度のFCです。楽しめる心と場面の判断ができるぐらいのAがあります。

周りの様子を見ながら社会的な態度を取れるというエゴグラムです。

もし本人が「いつも誰かのお世話したりとかが嫌だな。もう少し自由にやりたいんだ」と思ったときに、変えるべき項目はFCです。

質問紙法で×や△だったFCの項目を、△か〇になる行動へと変えていきます。それはFCのチャンネルが上がることになりますので、必然的にCPやNPが下がるわけです。への字型の人が必ずしもFCを上げる必要はなく、本人が今の状況を嫌だなと感じたら変えていくとよいでしょう。

(2)コミュニケーションの特徴を知る、検討材料にする

2つ目はコミュニケーションの特徴を知ること。あるいは自分のコミュニケーションを検討するときの材料にするという使い方です。

エコグラムにおける「N型」の特徴

たとえば、NPとACが高く、CPとFCが低い場合。FCが低い人は自分が楽しむことを優先しない傾向にあります。NPが高いと他者に対する配慮や温かみが強いです。そういう自分の特徴を知っていただけたらいいと思います。

「N型」は、献身的なナイチンゲール型とも呼ばれていますね。とても素敵な人格ですが、もし本人が誰かに尽くしたり自分を犠牲にしている状況を嫌だと感じるなら、FCやCPを上げてみてください。

(3)自分のストレスの特徴を知る、検討材料にする

3つ目はメンタルヘルスでよく使われますが、自分のストレスの特徴や原因を知り、検討するという使い方です。

エコグラムにおける「W型」の特徴

エゴグラムが「W」の形で出た場合はCP、A、ACが高く、NP、FCが低い形です。これぐらいの高低差がある人は、完璧を求めてしまう傾向にあります。

Aが高いので、現実を吟味したり分析をして苦悩しがち。そして相手に遠慮して言えないACも高いですね。心の中には葛藤があるでしょう。FCを上げて予想外のことを楽しんでください。わくわくする時間を増やすようにすると、「〜ねばならない」という意識が下がったりします。「未来と自分は変えられる」という大前提が生きてくるわけです。

以上で、エゴグラムの活用法のご説明になります。

質疑応答(2)

Q:エゴグラムをマネジメントに活用している事例は?

鵜飼さん:コミュニケーションの研修で活用していただいています。管理職の方にエゴグラムや交流分析のことを勉強していただいて、ご自分のコミュニケーションの取り方を見直していただくことで、部下がどういうストロークを求めているかがわかるようになります。

怒られて伸びる人と褒められて伸びる人がいますよね。CPの高い人は「こうやるほうがいい。こうやるべきだ」と、FC高い人は「君の思うように自由にやってごらん」と言われるほうが伸びます。

Q:上司・部下の相性がわかるエゴグラムは?

鵜飼さん:ぜひ交流分析の本を読んでください。たとえばCPが高いもの同士が、「こうしなくてはならない」という想いにしたがって衝突してしまうことがあります。その二人が交差せず、並行になるようなコミュニケーションが必要です。「こうしなければだめ」と言われたら、一旦「はい、わかりました」と受け入れておくことがトラブル回避につながります。

Q:どの要素が強いと人事評価者に向いている?

鵜飼さん:個性がなくなってしまうので、バランスが取れすぎるのもつまらないことですが、フィードバックをする立場の方はAを高めましょう。10人の部下がいたら10通りの伝え方を考えるとよいでしょう。

Q:交流分析はどのような悩みに活用すればよい?

藤田:次は「経営企画所属の産業カウンセラーです。社内で、評価と結びつかない横断的な1on1をしております。原則、傾聴中心に内省を深めるセッションをしていますが、上司との関係に悩んでいる、自分の強みがわからないなどのクライアントの悩みに対して、交流分析を活用したほうがよいかを伺いたいです」という質問です。

鵜飼さん:自分のコミュニケーションの特徴を知るための道具として、エゴグラムをやってみてください。これをもとに気づいたことを話していただいたりとか、産業カウンセラーの方がフィードバックをしたり、どうしたらよいかを考えるために使っていただくと有効なのではないかと思います。

Q:『自己成長エゴグラムのすべて』という書籍で、桂式を自分でも勉強できる?

鵜飼さん:この本はエゴグラムだけなので、交流分析やTAに関する本を他にも読むとよいでしょう。

Q:複数の理論を横断的に理解できるオススメの書籍は?

鵜飼さん:最も有効的なのは、試験勉強するための参考書かもしれませんね。理論の内容が一冊で網羅されています。

Q:TAのオススメの書籍は?

鵜飼さん:『TA TODAY―最新・交流分析入門(出版社:実務教育出版 )』という本をよく読みました。この理論についてよく研究していらっしゃる、TAに造詣の深い先生の本を読むとよいでしょう。私は杉田峰康先生の本もよく読んでいます。

新しい本は、自分が見て読みやすそうな本でよいのではないでしょうか。

Q:どのストロークが正しいのか正解はある?

藤田:「エゴグラムの結果によって、どのようなストロークが正しいのか、正解はあるようで、ないのでしょうか。とても難しいし、これですべてが見えないようにも感じます。部下との関係に活用したいのですが、自分自身のことをわかっていないといけないですよね」という質問もいただいています。

鵜飼さん:そうですね。まずは自分を理解してください。人そのものに正解も不正解もないので、どのような形の自分のエゴグラムが出たとしても、ありのまま愛してほしいと思います。もし変えたいと願った場合、今回ご説明した活用方法をお試しください。

Q:癖を治すための取り組みは?

鵜飼さん:カウンセリングが一番有効です。相手を受容する心の余裕がなかったり、自分自身を受容してもらいたい、承認してもらいたいという気持ちが強い傾向なのかと思います。まずは本人が自身を受容できるように、心が進化・成長するようなお手伝いをします。

Q:ネット上などで誹謗中傷する人のエゴグラムの傾向は?

鵜飼さん:誹謗中傷の仕方によりますけれど、「こうすべきだろ」という発言、不倫報道のなどで「そんなものはやるべきじゃない」と発言するのは、CPですね。コロナのときに自粛警察と呼ばれていたような人たちは、攻撃的なACかと思います。

Q:変えていきたいチャンネルを高める方法は?

藤田:「人生態度を変えるために、自分のエゴグラムを見ることが大事だと思います。変えていきたいチャンネルを高める方法はどうしたらわかりますか」という質問です。

鵜飼さん:質問表を眺めて、×や「ときどき」のような回答になっているものを、「いつも」に変えていくことです。

たとえば、Aを上げたいと考えたときに、「新聞の社会面には関心があります」という項目や、「情緒的というよりは理論的」という項目は上げやすいですよね。理論的に考える時間を生活のなかに入れてみようとか、新聞の社会面はとりあえず目を通すなど、行動を変えることによって、徐々に変わると思います。

Q:エゴグラム導入時に鵜飼先生の講義は可能?

鵜飼さん:可能です。メンタルヘルスとかコミュニケーションの研修でエゴグラムを使うときには、限られた時間のなかで工夫して、必ず概要をお伝えしています。

藤田:ありがとうございます。本日もたくさんの質問ありがとうございました。これで終わりにしようと思います。

※記事で紹介した他にもたくさんの質問に回答いたしました。ご興味があればぜひ次回のセミナーにご参加ください。

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【執筆:まえかわ ゆうか】

株式会社SmartHR コンテンツマーケティングユニット所属。雑誌編集者、クリエイティブディレクターを経験したのち、2022年3月より「SmartHR Mag.」「SmartHR ガイド」の編集に携わっています。
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