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自治体から送付される「特別徴収税額決定通知書」の配布は義務?|労務のお仕事Q&A

公開日

この記事でわかること

  • 別徴収税額決定通知書の紙での配布義務
  • 配布コストを削減する方法
目次

日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「特別徴収税額決定通知書の配布義務」について、社労士が解説します。

自治体から送付される「特別徴収税額決定通知書」の配布義務はある?

相談者

特別徴収税額決定通知書について、会社は従業員に、自治体から送られてきた紙の通知書そのものを配布する義務はありますか?

通知義務があるのは理解しているのですが、住民税額を何らかの方法で従業員に伝えさえすれば、自治体から送られてきた紙の通知書の配布までは義務ではないのか、紙の通知書の配布が義務なのか。調べたのですがわかりませんでした。

給与データとして保存している個人の住民税年税額と月々の税額データを通知すればよいのであれば、紙を配布するコストを削減できるのですが、運用変更に踏み切れずにおります。

(労務担当/IT業界 東京都)

電子データでの配布もOK。コスト削減のためにも電子化対策を

羽田 未希

特別徴収税額決定通知書は、自治体から従業員(納税義務者)に直接送付されるのではなく、事業主経由で交付される仕組みになっています。通知書には、従業員の給与所得以外の所得情報(不動産所得、利子・配当所得、一時所得など)や控除情報(障害者、寡婦)などの情報も含まれているため、秘匿措置(シール目隠し)されて送付されています。

これらは会社が知る必要のない情報であり、プライバシー保護の観点や所得額や税額などを本人が確認するためにも、従業員本人に通知する必要があります。なお、令和3年度税制改正により、令和6年度課税分から従業員(納税義務者)用の通知書も電子データで受け取れることになります。

(参照)個人住民税特別徴収税額通知(納税義務者用)電子化に係る特別徴収義務者向け特設ページ - 地方税共同機構

これを機に、国税・地方税ポータルシステム(e-Tax、eLTAX)にて電子申告をするなど、自社の電子化対策をおすすめします。

本件の「教えて!専門家さん」羽田 未希

はた社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士

17年間の飲食業現場経験を持つ、異色の女性社会保険労務士として飲食業・小売業などサービス業を得意とする。パート・アルバイト活用、人材育成のコンサルティング、労使トラブルを未然に防ぐ就業規則作成、助成金申請など、中小企業の人材活用のサポートを行う。著書に『店長のための「稼ぐスタッフ」の育て方』(同文舘出版)がある。

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