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降格・給与減額を受け入れた従業員が休職。復帰後に降格・給与減額は可能?|労務のお仕事Q&A

公開日

この記事でわかること

  • 休職前に降格・給与減額が決定した従業員に復帰後の適用可否
  • 復帰後のリハビリ勤務時の減額は可能か
目次

日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「休職前に決定した降格・給与減額の復帰後の適用可否」について、社労士が解説します。

降格・給与減額を受け入れた従業員が休職。復帰後に降格・給与減額は可能?

相談者

1、2か月をかけて、本人及び上長と何度も調整のうえ、降格・給与減額(業務負荷軽減)を本人が受け入れたのですが、実施直前でメンタル診断書が発行され休職になりました。

少なくとも数か月の休職になり、評価面談時の復帰は難しいのですが、復帰後に降格・給与減額することに問題は発生するのでしょうか。当人が管理監督者だったため、復帰のための時短勤務時の給料が100%支給となります。

労務担当/IT業界(東京都)

本人の意志で同意したのであれば問題なし。復職後の配慮も忘れずに

羽田 未希

本人の意思で降格・給与減額に同意したのであれば問題ありません。しかし、上司の強要や受け入れざるを得ない状況で、本人が仕方なく降格・給与減額を受け入れたことが原因によるメンタル不調は、パワハラなどのトラブルに発展しかねません。会社が降格・給与減額の人事権を正当に行使したことを証明するような人事考課、始末書など書面として複数ありますか?

また、職場復帰は原則として原職となりますが、健康状態によっては軽易業務から通常業務に戻すなど、会社は復職のための配慮が必要です。医師の意見を踏まえつつ、復職の時期、業務内容、処遇などを本人と話し合ってください。復帰後の時短勤務(リハビリ勤務)は、管理監督者であるか否かに関わらず、就業規則や契約書で給与を100%支給としているのであれば、そのとおりの対応となります。そうでなければ、就業規則などの規定により、不就労分については給与減額することもありえます。

本件の「教えて!専門家さん」羽田 未希

特定社会保険労務士

17年間の飲食業現場経験を持つ、異色の女性社会保険労務士として飲食業・小売業などサービス業を得意とする。パート・アルバイト活用、人材育成のコンサルティング、労使トラブルを未然に防ぐ就業規則作成、助成金申請など、中小企業の人材活用のサポートを行う。著書に『店長のための「稼ぐスタッフ」の育て方』(同文舘出版)がある。

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