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会社は従業員の「SNS」利用を禁止できるのか?


SNS利用の禁止

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

スマートフォンの普及により、TwitterやFacebook、Instagram などのSNSは日常生活に溶け込んでいるといっても過言ではありません。

通勤中の電車やカフェでお茶を飲みながら、気軽に友人の投稿をチェックしたり、書き込んだりしているのではないでしょうか。仕事中であってもSNSが気になってついついチェックしてしまう方も少なくないかもしれません。

就業時間中の利用はNG

そんな中、ソーシャルメディアの利用について、昨今は規定を設けている企業が増えています。

そもそも会社は、従業員がSNSを利用することについて禁止することはできるのでしょうか。

就業時間中は、業務利用の場合を除き、SNSの利用を禁止しているケースは珍しくありません。これは、従業員に職務専念義務があるため、問題には当たりません

 

休憩中の利用は基本的に自由

では、休憩中はどうでしょうか? 個人で所有しているスマートフォン等を使う場合は、差し支えないと言えます。休憩時間をどのように利用するかは、基本的に従業員の自由です。

ただし、会社のPCを使う場合は注意が必要です。普段自分が利用しているPCであっても、それは会社が所有しているものであり、会社の施設や電子機器等についての業務外利用が就業規則等で禁止されている場合は、ルール違反となるため注意が必要でしょう。

一人一台のPCが与えられていると、どのようなサイトにアクセスしているか、一見するとわかりませんが、会社は就業規則等に規定することで、サイト履歴等の情報をモニタリングすることも可能です。

休日ならもちろん自由・・・ではない?

仕事が終わった後、帰宅途中や自宅に戻って、また休みの日にSNSを利用する場合、会社はどこまで規制することができるのでしょうか?

従業員からすれば、仕事以外の時間についてはSNSは自由に利用できる、と思われることでしょう。プライベートな時間の使い方まで、会社が介入することはできません。

ただし、ここでも注意したいことがあります。それは、投稿内容。

たとえば、Facebookであれば、実名投稿が原則であり、出身校や勤務先などの一定の個人情報をプロフィールとして掲載していることが多いといえます。

こうしたところで、ストレス発散のつもりで上司や会社への批判をつらつらと書き綴ってしまったらどうでしょう? 同僚の良からぬ噂話をしたらどうでしょう?

ある程度、人物を特定されてしまうおそれがありますし、それが名誉棄損に当たることも考えられます。

また、会社の新サービスについて、リリース前に「ここだけの話」と情報をうっかり漏らしてしまったらどうでしょう?友人は「すごいね」と言ってくれるかもしれませんが、企業秘密の漏えいは、懲戒事由に規定される深刻な問題です。

たとえプライベートな時間におけるSNS利用であったとしても、会社は業務上知りえた機密情報を保持することや、会社の信頼を失墜させたり名誉棄損に当たることについては、その情報発信を禁ずることは可能です

もしものために、ルールの策定を忘れずに

SNSの利用については、会社ごとにルールは様々ですが、あなたの会社は大丈夫ですか?

時々、アルバイトを含む従業員の投稿が、公序良俗に反して社会的な問題となるケースも見受けられます。

会社の信用を失墜させるような発信は慎むこと、また著作権、商標権、肖像権など第三者の権利を侵害してはならないことや不適切な投稿をしたときは速やかに削除を求めることができるなど、ソーシャルメディアの適正利用については会社として一定のルールを設け、懲戒規定とリンクした就業規則を整備しておくことが望ましいといえるでしょう。

社会保険労務士 佐佐木 由美子

グレース・パートナーズ社労士事務所代表。中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートし、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険手続きがまるごとわかる本」 (ソーテック社)、日経ウーマンオンライン連載「ワークルールとお金の話」ほかメディア取材多数。 グレース・パートナーズ社労士事務所公式サイト 
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