人気ラーメン店が書類送検。外国人アルバイト雇用における3つの注意点とは?


こんにちは、特定社会保険労務士の榊 裕葵です。

有名とんこつラーメン店の「一蘭」およびその経営者、労務担当者等が、外国人留学生を違法に働かせていたとして、出入国管理法違反や雇用対策法違反で書類送検されました(*1)。

同社の経営者は「把握ができていなかった」「法律を知らなかった」などと弁明しているようですが、企業や経営者はそれを理由に法的な責任を免れることができるわけではありません。

しかし、本稿をご覧の皆様においても、他人ごとではないでしょう。特に、飲食業や小売業などのサービス産業においては、貴重な戦力であるだけに、ややもすればこのケースのように知らぬ間に法に触れていた、といったことも考えられます。

そこで、本稿では、外国人留学生を含め、外国人労働者を雇用するときの注意点を3つご説明したいと思います。

写真はイメージです(iStock / User9637786_380)

(1)「在留カード」を必ず確認

第1は、「在留カード」を確認するということです。

その外国人労働者の方が、「在留カード」を持っているか、採用前に必ず確認をして下さい。

もちろん、単に在留カードを持っていれば良いということではなく、間違いなく本人の在留カードであるということ、有効期限が切れていないこと、「技術」「技能」「教授」など就労可能な在留資格であることなど、実質的な確認を行うようにしましょう。

(2)留学生は「28時間ルール」を厳守

第2は、留学生の場合は、週の勤務時間の上限に気を付けるということです。

そもそも「留学」の在留資格の場合は、原則は就労が禁止されていますので、留学生がアルバイトをするためには、入管から特別の許可を受ける必要があります。

在留カードの裏面を見て、本人が資格外活動(アルバイト)の許可を受けているかを確認した上で、雇用をするようにして下さい。

また、資格外活動が許可されている留学生であっても、学校の夏休みなどの期間を除き、1週間に就労可能なのは28時間までです。この上限を超えて勤務させないように気を付けて下さい。

一蘭は、この「28時間ルール」に抵触し、書類送検となりました。シフト計画などの際には特に注意が必要となります。

(3)「ハローワークへの届出」が必須

第3は、「ハローワークへの届出」を正しく行うということです。

外国人を雇用する場合であっても、原則としては日本人を雇用する場合と同等の条件で、指定労働時間数が一定以上である場合は社会保険や雇用保険に加入させなければなりません。

社会保険や雇用保険の加入手続を忘れずに行ってください。

なお、留学生の場合は、週の勤務時間が20時間を超える場合でも、雇用保険の加入対象外となっています。

しかし、留学生を含め、雇用保険の加入対象外となる外国人の方であっても、「外国人雇用状況届出書」によって、ハローワークへの届出が必要となっています。

外国人を雇用したら、雇用保険の加入対象になる、ならないに関わらず、ハローワークへの届出が必要であると覚えておいて下さい。

おわりに

今回のように、悪気はなくとも気づいたら法律に触れていた、なんてことも考えられます。

外国人の方を雇用する場合は、在留資格の確認や、ハローワークへの届出書など、日本人を雇用する場合には無い雇用管理上の注意点がありますので、正しい知識を持って対応するように心がけましょう。

【参照】
*1:ラーメン「一蘭」社長ら書類送検 不法就労助長の疑い


【編集部より】飲食業におけるSmartHR導入事例

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特定社会保険労務士 榊 裕葵

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念として、顧問先の支援に当たっている。執筆活動にも力を入れており、WEBメディアへの掲載多数。
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