年末調整で従業員に伝えるべき「保険料控除申告書」と「配偶者控除等申告書」の注意点

2018.11.26 ライター: SmartHR Mag. 編集部

年末調整シーズン真っ只中。

年末調整においてこれまで使用された「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」について、2018年から新たな2つの書類として変更されるため注意が必要です。

本稿では2018年からの年末調整で使用される書類と従業員に伝えるべき注意点について解説していきます。

平成30年から変更された「従業員提出書類」

平成30年の年末調整において、特に気をつけておきたいのが提出書類の変更です。

これまで1つだった「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」が、「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2つになったのです。

つまり、平成30年の年末調整では、下記の3部を提出する必要があります。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書

新しくなった様式のうち「給与所得者の保険料控除申告書」については、記入にあたってほとんど変更点はありません。これまで同様、保険料の領収書などを参考にしながら記入すれば、それほど悩むことはないでしょう。

しかし、「給与所得者の配偶者控除等申告書」のほうは少し注意が必要です。なぜなら、新しくなった税制では配偶者特別控除を受けるときに、本人の所得も関係してくるようになったからです。

そのため、新しい様式では本人の所得を記入する欄が新設されています。本業以外に副業で利益を上げている人の場合は、その金額も含めた合計所得を記入しなければいけません

従業員のなかには、合計所得の記入を嫌がる人もいるかもしれませんが、配偶者控除の適用を受けるためには、仕方のないことなので納得してもらうようにしましょう。

改正に伴う年末調整実施時の注意点は?

平成30年版の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」では、配偶者を「源泉控除対象配偶者」と「同一生計配偶者」2種類に分類している点に注意しなければいけません。

源泉控除対象者に含まれるのは以下の2つの条件を満たす人です。

  1. 配偶者の所得が85万円以下
  2. 本人の所得が900万円以下

平成29年までは、「控除対象配偶者」として配偶者控除を受けられる場合だけ記入することになっていました。配偶者控除を受けられる配偶者を源泉徴収対象者の扶養人数として数えていたのです。

しかし、平成30年からは配偶者「特別」控除を受けられる配偶者も源泉徴収の扶養人数に数えることになり、「源泉控除対象配偶者」と新しい名称に変更されています。

そのため、源泉控除対象配偶者は配偶者控除の要件とはならないので、年末調整の作業においては従業員から配偶者控除等申告書を提出してもらわなければいけません。また、配偶者控除や配偶者特別控除の適用についても従業員と配偶者の所得要件が課されるようになっています。

これまでよりも記入する箇所が増えているので、記入漏れがないように提出書類をよく確認しましょう。

さらに、年収制限が緩和された配偶者特別控除だけでなく、配偶者控除の適用を受ける場合であっても、申告書の提出は必要です。

提出忘れのないように、従業員に周知していきましょう。

申告書類の記入例や事例をパターン化しておこう

年末調整の手続きは、いかに従業員にわかりやすく説明をするかが重要です。特に従業員が多い会社であるほど当てはまるでしょう。

わかりやすく説明をするときのポイントは「記入例や事例をパターン化しておく」ことです。様式が変わったにもかかわらず、最初から複雑な事例を説明しても相手の頭のなかには情報が入っていきません。まずは、オーソドックスな記入例や事例をパターン化して従業員に渡すようにしましょう。

また、申告書の様式は国税庁のホームページからいつでもダウンロードすることができます。その際に、記入例も手に入れられるので、活用すると便利です。

■ 給与所得者の扶養控除等(異動申告書)
平成30年分 様式
平成31年分 様式
記載例(平成30年分)

給与所得者の配偶者控除等申告書 平成30年分 様式
記載例

給与所得者の保険料控除申告書 平成30年分 様式
記載例

特に、配偶者控除等申告書は新しく作られた様式であり、制度自体も所得要件が加わったりして少し複雑になっています。

平成30年の年末調整については、配偶者控除等申告書の記入例を重点的にチェックして従業員に配布するとよいでしょう。

いずれにしても、従業員にしっかり記入してもらうことで事務負担は大幅に軽減されるので、記入例や事例集を活用してわかりやすい説明を心がけましょう。

まとめ

提出書類が増えたことで、担当者も従業員も間違いや抜け漏れの確認や修正に時間が取られると想定されます。

確実かつスピーディに年末調整を進めるため、クラウドサービスに代表される業務効率化ツールを活用し、書類の配布や作成、回収等々の効率化を図るのも一手です。

担当者も従業員も煩雑な手続き負担が軽減されることを考えると、生産性向上に向けたひとつのヒントとなりうるでしょう。

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