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平成28年度新設の「介護支援取組助成金」 5つの支給要件


こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

従業員にとって、ワーク・ライフ・バランスを大切にして働ける職場環境は魅力的であり、会社へのロイヤリティも高まる一要因ともいえるのではないでしょうか。

育児や介護による離職を防ぐために、国としても支援に乗り出しています。そのうちのひとつに、両立支援助成金があります。

今回は、平成28年度に新設された助成金をご紹介したいと思います。仕事と介護の両立支援推進のため、仕事と介護の両立に関する取組みを行った事業主に「介護支援取組助成金」が新設されました。支給額は、一事業主あたり60万円です。※平成28年6月24日から支給要件の一部が見直されました。

「介護支援取組助成金」の支給要件の詳細を見てみましょう。

老人介護

「介護支援取組助成金」の主な支給要件

主なポイントとして、次の5つの要件をすべて満たすことが求められます。

①労働者の仕事と介護の両立に関する実態把握

厚生労働省が指定する所定の調査票に基づき、雇用被保険者全員に対するアンケート調査により実施する必要があります。調査対象は原則として、雇用保険被保険者の全員となりますが、常時雇用する雇用被保険者の数が100人以上の事業主については、少なくとも100人以上を調査対象とすることが必要です。アンケートの回収率は、3割以上または回収数100以上が求められます。また、このアンケートは②制度設計・見直し、③社内研修、よりも前に実施する必要があります。

②制度設計・見直し

人事労務担当者等が厚生労働省の指定するチェックリストにより、自社の仕事と介護の両立支援制度の周知状況を把握するとともに、自社の介護関係制度の見直しを行うことが求められます。具体的には、法律を上回る回数を取得できることや、半日・時間単位で取得できることなど挙げられますが、法律を上回るかどうかはその制度の施行日時点で判断されます。

③介護に直面する前の労働者への支援

広く制度を周知するために、厚生労働省が指定する資料に基づき1時間以上の社内研修を行い、雇用保険被保険者の8割以上が受講していることや、研修時間内に質疑応答ができることなどが求められます。

④介護に直面した労働者への支援

具体的には、仕事と介護の両立に関する「相談窓口」を設置し、担当氏名や連絡先を明らかにして、その周知を行います。相談窓口は必ずしも全事業所に設置されている必要はありませんが、すべての事業所の労働者が相談できる体制となっていなければなりません。なお、相談窓口担当者は、原則として社内研修に参加している必要があります。

⑤働き方改革

年次有給休暇の取得促進、長時間労働の削減についての実績把握のため、上記①~④に取り組んでから3か月経過後、一定水準以上の実績があることが求められます。

今年度に新設されたばかりの助成金ですが、人気の高さから申請が殺到し、早くも支給要件の見直しが行われました。これから申請をされる場合は、変更点にご注意ください。

仕事と介護の両立は、今後企業にとっても大きなテーマとなるものです。こうした助成金を利用して、今のうちから対策を取られてみてはいかがでしょうか。

社会保険労務士 佐佐木 由美子

グレース・パートナーズ社労士事務所代表。中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートし、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険手続きがまるごとわかる本」 (ソーテック社)、日経ウーマンオンライン連載「ワークルールとお金の話」ほかメディア取材多数。 グレース・パートナーズ社労士事務所公式サイト 
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