この記事は公開から1年以上が経過しています。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

病気やケガで会社を休んでも安心。 傷病手当金の支給要件や計算方法を学ぼう


インフルエンザの女性

こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

早くも今年のインフルエンザが流行期に入ったと厚生労働省から発表がありました。例年より2~3週間も早く、新型インフルエンザが流行した2009年を除いて最も早い流行入りとなります。

これから、インフルエンザや風邪などで、従業員の休みが増える可能性も十分ありますが、そうしたときに利用したいのが「傷病手当金」です。

傷病手当金の支給要件とは

傷病手当金は、健康保険の被保険者である従業員と、その家族の生活を保障するために設けられた制度。被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

具体的には、次の3つの要件にすべて該当すれば申請することができます。

①療養のため労務不能であること

病気やケガで医師の指示による療養であれば、入院・通院を問いません。労務不能とは、病気やケガのために、今まで従事していた仕事ができない場合をいいます。

②連続する3日間を含み、4日以上休んだこと

療養のために仕事を休み始めた日から連続して3日間を「待期期間」といい、傷病手当金は休業4日目以降仕事に就けなかった日に対して支給されます。

この待期期間には、年次有給休暇を使った日や土日・祝日などの公休日も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。

③休んだ期間に給与がもらえないこと

会社から給与が支払われている間は、傷病手当金の対象とはなりません。給与が支給される場合は、その額が傷病手当金よりも少ない場合に限り、差額が支給されます。

年次有給休暇でカバーできないとき

休みがそれほど長期でなければ、一般的に年次有給休暇を消化するケースが多いといえるでしょう。この場合、会社が勝手に年次有給休暇を充てるのは問題であり、あくまでも従業員からの請求を前提とします。

一方、入社したばかりで年次有給休暇が付与されていない場合や、年次有給休暇の日数がほとんど残っていない場合は、傷病手当金を利用されることをおすすめします。

傷病手当金の計算方法

傷病手当金は、支給開始月以前の12か月の標準報酬月額を平均した額を30で除して、その3分の2が1日あたりのもらえる額となります。

1日あたりの支給額 =(支給開始月以前の12か月の標準報酬月額を平均した額)÷ 30 × 2/3

仮に、過去1年間ずっと標準報酬月額が30万円だった人が10日分支給される場合は、約6万6千円が支給されます。

健康保険組合によっては、付加給付としてさらにもらえる額が上乗せされる場合がありますので、ご確認いただければと思います。

傷病手当金の支給される期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6か月です。

これは、1年6か月分支給されるということではありません。1年6か月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガで仕事に就けなくなった場合は、復帰していた期間も1年6ヵ月に算入されます。

従業員の休みを年次有給休暇で充てられないときは、多くの会社で欠勤控除となりますが、こうした制度をうまく活用してみてはいかがでしょうか。

社会保険労務士 佐佐木 由美子

グレース・パートナーズ社労士事務所代表。中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートし、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険手続きがまるごとわかる本」 (ソーテック社)、日経ウーマンオンライン連載「ワークルールとお金の話」ほかメディア取材多数。 グレース・パートナーズ社労士事務所公式サイト 
他の執筆記事はこちら

人事労務の関連記事

人事労務の新着記事

働き方改革特集

SmartHR スタートガイド