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「改正・育児介護休業法」の知っておくべき7つのポイント 就業規則の変更も必要に


こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。

育児期や家族の介護を必要とする時期に、男女ともに離職することなく働き続けることができるよう、改正・育児介護休業法が2017年1月1日から施行されます。

この改正により、就業規則(育児介護休業規程)の見直しも必要となりますので、今回はそのポイントを確認しておきましょう。

介護

ポイント①:介護休業の分割取得

介護休業とは、従業員が要介護状態にある対象家族を介護するための休業で、対象家族1人につき、通算93日まで取得することができます。現行法では、原則1回に限り取得可能とされていますが、改正後は3回を上限として、分割取得できるように見直す必要があります。

ポイント②:介護休暇の取得単位の柔軟化

介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者が1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うための短期的な休暇です。現行法では1日単位の取得とされていましたが、改正後は半日単位の取得ができるようにする必要があります。ただし、時間単位で介護休暇を与える制度がすでにある場合は、法律を上回っているため半日単位取得についてさらに定めることは必要ありません。

半日とは所定労働時間の2分の1となりますが、労使協定により異なる時間を定めることができます。たとえば、1日の所定労働時間が7時間45分のように単純に半分の時間とすることが難しい場合は、「取得単位となる時間数は始業開始時刻から3時間又は終業時刻まで4時間45分とする」というように、具体的に半日単位の時間についても取り決めておく必要があります。

労使協定を締結せず、1日の所定労働時間数に1時間に満たない端数がある場合は、1日の所定労働時間を1時間に切り上げるものとして取り扱うため、注意が必要です。なお、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、半日単位での取得はできません。

ポイント③:介護のための所定労働時間の短縮措置等

現行法では、介護のための所定労働時間の短縮措置について、介護休業と通算して93日の範囲内で取得可能とされています。改正後は、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能となります。

ポイント④:介護のための残業免除

現行法では、特に規定が設けられていませんでしたが、今回の改正で、介護のための残業免除の規定が新設されました。対象家族1人につき、介護の必要がなくなるまで利用できる所定外労働の制限について規定する必要があります。

ポイント⑤:有期労働契約労働者の育児休業の取得要件の緩和

改正後は、申出時点で過去1年以上継続して雇用されていることに加えて(これまでと同じ)、子が1歳6か月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかなでないこと、と要件が緩和されます。

ポイント⑥:子の看護休暇の取得単位の柔軟化

子の看護休暇とは、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、病気やケガをした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるために取得できる休暇をいいます。ポイント②で説明したように、子の看護休暇も半日単位での取得を可能とできるようにする必要があります。

ポイント⑦:育児休業等の対象となる子の範囲

現行法では、育児休業等が取得できる対象は、法律上の親子関係がある実子・養子に限られています。改正後は、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等も新たに対象となります。

以上の要点を理解したうえ、施行日までに就業規則や付属規程、労使協定の見直しを行い、従業員に周知できるように準備しましょう。

社会保険労務士 佐佐木 由美子

グレース・パートナーズ社労士事務所代表。中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートし、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険手続きがまるごとわかる本」 (ソーテック社)、日経ウーマンオンライン連載「ワークルールとお金の話」ほかメディア取材多数。 グレース・パートナーズ社労士事務所公式サイト 
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