2018年を振り返って。 「人事労務」にまつわる注目トピック5つ

2018.12.19 ライター: SmartHR Mag. 編集部

こんにちは、SmartHR Mag. 編集部です。

はやいもので、2018年も残すところ2週間を切りました。

今年も人事労務にまつわる様々なコラムを配信してまいりましたが、SmartHR Mag. において特に注目された5つのトピックとともにこの1年間を振り返ります。

(1)職業安定法の改正

2018年1月1日より、求人募集の方法などについて定めた「職業安定法」が改正されました。

主な改正のポイントは以下の3つです。

  1. 採用プロセスの途中で労働条件が変更された場合の「明示義務」が追加された
  2. 労働条件変更時の明示方法が明確化された
  3. 求人の際に明示すべき労働条件が増えた

改正法に触れることなきよう、求人募集等について今一度注意が必要です。具体的なNG求人例等もありますので、詳細は下記よりぜひご参考ください。

【参考】
・厚生労働省「平成29年職業安定法の改正について

【関連記事】
【平成30年1月1日施行】求人募集で注意すべき「職業安定法改正」の3つのポイント
職業安定法改正に伴う「NG求人例」5つ

(2)副業・兼業を容認する「モデル就業規則」の改正

2018年1月31日、厚生労働省は「モデル就業規則」の内容を改めました。この改正内容において、副業・兼業が容認されています。

政府の主導する「働き方改革実現会議」および「働き方改革実行計画」において、多様で柔軟な働き方の実現に向け、この度の改正が決定され、そして2018年1月31日の改正に至ったとのこと。

詳しい内容は、以下の抜粋や参考リンクをご参考ください。

出典:厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則(平成30年1月)」より抜粋

【参考】
・厚生労働省「モデル就業規則について
・厚生労働省「モデル就業規則の改正概要(平成 30年1月31日)

【関連記事】
モデル就業規則や雛形から「就業規則」を作成する際の注意点5つ
副業解禁したい会社のための「就業規則&副業規程」整備フロー
副業・兼業解禁に伴う「就業規則変更」と運用上の注意点とは?
副業・兼業の「法的注意点」 36協定違反になる可能性も・・・

(3)改正配偶者控除に伴う年末調整書類増

2018年より、配偶者控除および配偶者特別控除の控除額等が改正されました。

この度の改正に伴い、昨年までは「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」となっていた書類が、下記2つの別々の書類となっています。

  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書

つまり、平成30年度から年末調整における対応書類が1枚増えたのです。詳細なる注意点としては下記の参考リンクや関連記事をご参考ください。

【参考】
・国税庁「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて

【関連記事】
追加された「配偶者控除申告書」の書き方を解説。今のうちに知るべき年末調整効率化のポイントは?
改正された「配偶者控除」と「扶養親族等の数」の変更ポイント
【平成30年分】年末調整をスムーズに行うためのポイント4つ

(4)働き方改革関連法の成立

2018年6月29日、参議院で働き方改革法案が可決され、衆参両院を通過したことで正式に法律として成立しました。

具体的には以下のような項目があります。

  • 残業時間の「罰則付き上限規制」
  • 5日間の「有給休暇取得」の義務化
  • 「勤務間インターバル制度」の努力義務
  • 「割増賃金率」の中小企業猶予措置廃止
  • 「産業医」の機能を強化(事業主の労働時間把握義務含む)
  • 「同一労働・同一賃金の原則」の適用
  • 「高度プロフェッショナル制度」の創設
  • 「3ヶ月のフレックスタイム制」が可能に

各項目は、2019年4月1日より順次適用されます。実施時期は下図をご参考ください。

なお、ここでいう「大企業」「中小企業」の定義や区分は以下のとおりです。

出典:厚生労働省京都労働局「働き方改革関連法の主な内容と施行時期」より抜粋

こちらの表の①と②のいずれにも当てはまらなければ大企業ということになります。

各項目の詳細や具体的な注意点は以下の関連記事をご参考ください。

【関連記事】
労務担当者が知るべき「働き方改革法案」で可決された9つの具体的ポイント
2019年4月より順次施行。「働き方改革法」への具体的対策とは?【大企業編】
2019年4月より順次施行。「働き方改革法」への具体的対策とは?【中小企業編】

(5)電磁的方法による労働条件通知の解禁方針

2018年8月27日に開催された、厚生労働省の第146回労働政策審議会労働条件分科会で、従来は紙での交付に限定されていた、「労働条件通知書」の電磁的方法(メール、PDFファイル等)による交付が解禁されるという、画期的な規制緩和の方針が示されました。

そして、2018年9月7日に交付された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令」によると、以下のように記載されています。

法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。

一 ファクシミリを利用してする送信の方法
二 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下この号において「電子メール等」という。)の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

(厚生労働省「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について省令改正条文(平成30年9月7日公布)』 」より抜粋)

これをうけ、2019年4月から電磁的方法による労働条件通知書の交付が認められます。

ただし、労働者が書類での交付を希望する場合は、これまで同様書面での通知が必要となりますのでご注意ください。

【関連記事】
【2019年4月解禁】人事労務部門が待ちわびた「労働条件通知書の電子化」とは?
入社時に必要な「労働条件通知書」と「雇用契約書」の違いとは?

まとめ

これらのトピックの多くは、2018年に限らず、むしろ2019年以降さらに重要になる項目ばかりで、数ヶ月後には施行されるものもあるなど、対応待ったなしの状況と言えるでしょう。

一方、労働条件通知の電子化解禁など、効率的な業務体制を築く手がかりもあります。

今後、新法に則り働き方改革を進めるにあたっては、労務管理体制の強化が重要になりますが、そのための時間や余裕を生み出すべく、業務効率化もポイントになると考えられます。

今一度、自社の現状や対応状況を振り返り、2019年以降の対策を講じてみてはいかがでしょうか。

【編集部より】人事労務から始める「働き方改革」資料集

人事労務から始める「働き方改革」
SmartHR 働き方改革

「働き方改革」には担当者の負担がかかるため、まず着手すべきは旗振り役となる“人事労務改革”といえます。こちらの資料集を参考に、ぜひ働き方改革の第一歩を踏み出してください。

【こんなことがわかります】

    • なぜ今「働き方改革」なのか?
    • 人事の現状と今後の姿
    • 電子化が激変させる労務の働き方
SmartHR Mag. 編集部

SmartHR Mag. は人事労務手続きを自動化するクラウド型ソフトウェア SmartHR からスピンアウトして生まれた、人事労務にフォーカスしたメディアです。人事労務に関わる人はもちろん、経営者や従業員も含む、すべての働く人たちにとって、価値あるメディアを目指します。
他の執筆記事はこちら

人事労務の関連記事

人事労務の新着記事

働き方改革特集

SmartHR スタートガイド