海外ユニコーン企業並みの成長曲線を描くスタートアップの組織作り

2018.08.02 ライター: 藤田 隼

自律駆動型組織をつくる要素 その3「フラット」

3つ目の要素は「フラット」な組織であること。

情報がオープン強い価値観が浸透しても、フラットな組織でなければ、なかなか自律駆動できないと思っています。

実際の例をいくつかご紹介したいと思います。

例1:開発MTGの例

まずSmartHRの開発スタイルについて紹介します。

我々は「スクラム開発」という開発手法を取り入れています。

毎週水曜日を開発ミーティングの日としています。この日に次の1週間でやることを決めたり、新機能の仕様をすべて詰めたりしています。

その会議の中で1日かけて議論が交わされるんですが、プロダクトマネージャーとエンジニアは非常に対等な立場になっています。ものすごく真剣に議論しています。

以前「SmartHRさんの開発、すごくうまくいってるように見えるんですけど、何でうまくいってるんですか?」って聞かれたことがありました。弊社は、従業員の自律駆動に任せるスタイルのため、実は私はもう開発にはもう1年半ぐらい関わっていないんです。そのため「わからないです」って答えるしかなかったんですよね。

そこで後日、開発メンバーたちに「何でうまくいってると思う?」っていうのをヒアリングしていきました。

その時に教えてもらったんですが、まず他社でよくあるパターンだと、「仕様決めのミーティングを現場のメンバーだけでやってもどうせひっくり返るし」と思ってしまうんだそうです。たとえば「プロダクトマネージャーが言い出したら、また仕様が変わるしな」とか「社長の一言でやること変わっちゃうから、真剣に議論しても意味ないんじゃないか」という気持ちから、仕様を詰める時にあんまり身が入らなかったとのことでした。

一方、SmartHRの場合はどうかというと「この場で決まる」という意識がすごく強いとのことで、それはフラットだからこそ真剣に議論できるからです。

プロダクトマネージャーとエンジニアメンバーはフラットですし、私とエンジニアメンバーもフラットです。社長の意見が通らなくて、彼らの意見が通るということもたくさんあります。

フラットだからこそ、「真剣に議論できている、自律駆動できる」と思っています。

例2:SmartHR使い物にならない問題

2つ目の例は、「SmartHR使い物にならない問題」。

先日、「ログミーTech」というメディアで、SmartHRのVPoE(Vice President of Engineering)の芹澤が登壇した内容が書き起こされましたが、興味のある方は見てください。

「SmartHR使い物にならない問題」をどう解決したのか? VPoEが語る、ピンチを乗り越える開発チームの作り方 – ログミーTech

ざっくり言うと、SmartHRはサービスローンチ直後に大きなイベントで優勝したり華々しいスタートを切ったんですが「SmartHR、このままだとダメです」と社内で議論がなされました。

どうダメだったか?

もともとSmartHRは10名規模のスタートアップ向けに作っていた製品だったのですが、ふたを開けてみると、ローンチ直後から、数百名規模のお客さまからどんどん「使いたい、使わせてくれ」と問い合わせがくるようになりました。

サービスを導入することはできるんですが、なかなかうまく使いこなせてもらえなかったんですよね。10名前後の会社と数百名の会社では、そもそも課題や組織設計が全然異なるので、このままだと大きい会社に対応できないなと、みんな薄々感じていたんですけど、見てみぬふりをしていたんです。

そして、ある時に、入社1ヶ月ほどのカスタマーサポート職メンバーが、ある意見を投稿してくれました。

「いまのSmartHRの残念なところ」。ざっくり言うと、今のままじゃ全然使えないからやばいよと。そこには「私は周囲の人にSmartHRをお薦めできません」と書かれていました。

恐らく、フラットな組織じゃないと、このような本音の意見は出てこないんですよね。

これをきっかけに、彼女をプロダクトマネージャーに抜擢し、抜本的な大改修が始まりました。結果としては、当初10名規模想定だったのに対し、最近では1万名規模のお客さまでもご利用いただいております。また、冒頭でも申し上げたように、百貨店を運営している数万名規模の私鉄会社さんでの導入も決まっております。

このようにSmartHRは、入社すぐのメンバーでもガンガン発言できる。そういう環境になっています。

フラットな組織であることで、ボトムアップでどんどんサービスを良くすることができているなと思っています。

例3:「壊していいんだ」と感じた入社1ヶ月のメンバー

また、昨日、私が入社1ヶ月のメンバーと1on1をしていた時に、こんなことを言っていました。

「SmartHR入社初日とか1週間目ぐらいまでは、どこまで言っていいのか分からないで迷っていました。でも1ヶ月経った今思うのは、言っていいんだ、変えていいんだ、壊していいんだとすごく感じています」と言ってました。

すごくいいフレーズだなと思ったんで、本人に許可をとってご紹介させていただきました。

フラットな組織だからこそ、自律駆動型の組織ができていると思っています。

次ページ「自律駆動型組織」がもたらしたこと

1 2 3 4 5 6
藤田 隼

SmartHR Mag. 2代目編集長。ソーシャル系スタートアップでSNSマーケティングや自社メディア運営に携わり、2015年よりメディアに特化した事業会社で複数サイトのディレクターを経験した後、SmartHRにジョイン。ウェブ解析士。
他の執筆記事はこちら

働き方改革2.0の関連記事

働き方改革2.0の新着記事

飲食・小売業の人事労務特集

SmartHR スタートガイド

人事労務メルマガ配信中

プライバシーポリシーに同意の上、ご登録ください