オープンな運用とフィードバックが鍵。SmartHR式 エンゲージメント改善のKUFU

2022.04.05 ライター:大久保志朗

SmartHRではユーザー同士で交流し、共に人事・労務やSmartHRの活用方法について学びあうコミュニティ「PARK」を運営しています。

本稿では、2021年11月26日におこなわれたコミュニティイベント「SmartHR式 エンゲージメント改善のポイント」の中から、ユーザー登壇パートのレポートをお届けします。

今回の登壇者は、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する、株式会社SmartHR 人事グループ 組織人事ユニット所属の六原 恵さん。 

SmartHR式 エンゲージメント改善の「KUFU(工夫)」、参考になればうれしいです。

※「KUFU」とは株式会社SmartHRの創業時の社名である「株式会社KUFU」に由来しています。

株式会社SmartHR 六原 恵さんプロフィール

人材紹介会社に営業職として入社。その後、人事(人材開発・研修企画)に転属。2020年3月に 株式会社SmartHRに入社し、社員オンボーディング 、サーベイ計画/運用、評価制度運用/評価システム導入、異動・出向/計画対応のほか、人事関係の仕事に幅広く携わる。

SmartHR 六原さんのPARK mini 発表動画はこちら!

SmartHR社の組織人事の役割・構造

SmartHR組織人事の役割・構造

エンゲージメントの話に入る前に、まずはSmartHR社の組織人事チームの役割と組織構成をお伝えします。2021年11月現在、組織人事では3つの役割を担っています。

HR企画」では人事制度や運営基盤の企画、既存制度の改善、そして今後の組織に必要な制度を計画。「HRプロセス」では制度のオペレーションの仕組みを作ったり、バックオフィスを含む人事データ連携のハブを担ったりしています。

 「HRパートナー」は人事と事業組織のつなぎ役として、人事制度や人材施策のデリバリー及び運用のフォローを担当。

基本的に組織人事のメンバーは、HRプロセスかHRパートナーのいずれかをメイン業務としており、HR企画領域は「人事制度」「評価」「異動」などプロジェクトごとに担当する体制をとっています。
※2021年11月時点。現在の体制とは異なる場合があります

「働き続ける理由」=「魅力」を増やすためには?

それでは、エンゲージメントの話に移ります。

従業員がSmartHR社で働く理由はさまざまです。ある人は「働きやすさ」と答え、ある人は「会社のビジョンへの共感」と答えるなど、人によって目的は異なるでしょう。

私たちは、それぞれの従業員が「自社の魅力=SmartHRで働きつづけたい理由」を何と捉えていて、それをどう増やしていくか考えることを起点にエンゲージメントに注力するようになりました。

エンゲージメント施策で大事にすること

弊社では従業員エンゲージメントを、短期と中長期に分けて取り組んでいます。

短期では人間関係や働き方など、仕事に集中できなくなるような阻害要因を早期に除くことを主軸に。中長期では組織の魅力を高め、社員がSmartHRで働く意味を感じられる仕組みづくりのために実施しています。

SmartHRの従業員エンゲージメント施策(サーベイ)

従業員エンゲージメント施策として、月1回のペースでサーベイを実施しています。流れとしては「1.課題出し/方針決定」「2.現場調査」「3.分析」「4.フィードバック&打ち手を決める」の4ステップで、毎月PDCAを回しています。 

1.課題出し/方針決定

課題出し/方針決定

毎週、経営メンバーと人事担当者によるミーティングを実施。組織や人事の課題、今後想定される課題の検討やすり合わせをおこなっています。 

会議の具体的な議題としては「リモートワーク体制やワーケーションの議論」「新しいバリューをどうするか」など。その中で、「組織サーベイのチェックやアップデート」など、エンゲージメントにまつわる議題も話し合っています。 

2.現状調査

現状調査

定期的にさまざまなサーベイやアンケートを活用して調査を実施しています。組織の状況に焦点を当てたサーベイもあれば、個人の将来的なキャリアに重点を置いたものもあります。

その他では、評価時期にアンケートを取ったり、SmartHRの「従業員サーベイ」機能を用いて他社とのスコア傾向の比較を含めたエンゲージメントサーベイをおこなったりしています。

組織サーベイのKUFU

今回は毎月の組織サーベイにフォーカスして話しますね。組織サーベイの運用は、以下の流れで繰り返しています。

現状調査/組織サーベイの流れ

  1. サーベイ目的の設計・設問作成
  2. サーベイ開始・サーベイ回収
  3. ローデータ確認
  4. 傾向分析
  5. 経営と議論方針検討
  6. 部署ごとへフィードバック
  7. 結果公開

 設問はオリジナルで作成。「SmartHRらしさ」「マネジメント」などを主としたレギュラー質問の他、評価に対する満足度など、月別の質問を組み合わせています。

サーベイ回収のKUFUサーベイを進める上で、いかに回答を回収するかは悩みどころですよね。弊社ではSlack というチャットツールの中で「todoチャンネル」を作り、全社員を招待しています。

設問に回答してから退出してもらう仕組みで、回答がない場合は毎日リマインドをかけるなど提出を促しています。あわせてSmartHRの「従業員サーベイ」機能を使えばリマインド通知ができるので、併用しながら回答を回収しています。

3.分析

分析

サーベイ回収後は、個別回答の確認・対応と全体結果の分析を進めます。。個別対応では、回答内容に緊急性を感じた場合は関係者にダイレクトメッセージを送るなどして、早めに話を聞くよう心掛けています。

全体傾向は月ごと・半期ごとの推移を丁寧に見て、データの背景にある従業員の状態や傾向を理解することを意識しています。。分析に使うデータ例として職種、入社年次、評価、役職、性別、勤怠、推移データなどを確認します。。手前味噌ではありますが、データを組み合わせて見るのであれば、SmartHRの「従業員サーベイ」の分析機能がとても便利で、助かっています!

4.フィードバック&打ち手を決める

フィードバック/打ち手を決める

課題解決については、

  1. 経営メンバーと全社の課題を確認し、全社横断の施策検討
  2. グループごとへのサーベイフィードバック

の2種類を主に実施しています。

特に力を入れているのが、人事からのグループマネージャーへのフィードバックで、2021年度は年間107回を実施しました。昨年度と比較すると、全社共通ではなくグループごとの傾向が強く出てきており会社としてのフェーズの変化を感じます。

サーベイをおこなう留意点として、結果を全社に公開し続けることが大切だと考えています。。サーベイに答えたあと、人事やマネージャーからのアクションがなければ回答するモチベーションも低下しますし、従業員自身が組織が変わる実感を持てなければ、長期的にサーベイを続ける意味も薄れてしまいます。 

プライベートな内容に触れるのは難しいですが、結果を提示できるものはできるだけ公開するようにしています。

エンゲージメント改善の喜びと悩み

エンゲージメント改善に取り組んで良かったと思うことは、以下のような点です。 

  • 課題を可視化できて、改善策に優先順位がつけられる
  • 従業員が個々に抱える課題に気づけるようになり、早期に対応できるようになった
  • 結果をオープンにすることで会社が抱える課題を従業員間で共有できるようになった

反対に、少人数でサーベイ集計から分析、打ち手の実施までを実施する難しさや、従業員からの希望や要望に対する期待値調整などには日々悩みながら取り組んでいます。また、エンゲージメント領域は奥深く、継続的に勉強していかねばと感じています。

最後に余談ですが、エンゲージメント改善に取り組む上で、人事が肩肘を張ってエンゲージメント施策をするよりも、社外の方のために何かをやったことが社内のエンゲージメントが上がることもあると気づきました。

エンゲージメント施策文脈じゃなくても、エンゲージメントに一役買っている気がするもの 弊社では社内報採用に関するイベントなどをオープンに公開しています。こういった取り組みに対して「SmartHRが積極的に世の中に対して情報発信をしていくスタンスが好きだ」という声を聞くことも多いです。このように「社外に向けた情報発信の中にもエンゲージメント的な要素が隠れている」と感じています。

近年では、エンゲージメント改善がトレンドの1つとして取り上げられることもあります。しかし、実際におこなってみると思うような結果が出ないこともあったり、世の中に事例が少なかったりと、まだまだ課題が多い分野なのではないでしょうか。

会社にとってさらに意味ある活動にしていきたいですし、PARKを通じて人事同士でナレッジをシェアしながら取り組めたらと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

大久保志朗

SmartHRガイドの兄弟メディア「SmartHR Mag.」の編集長。リラクゼーションサロン運営会社、デジタルマーケティング支援会社、フリーランスの編集者・ライターを経て2019年SmartHRにジョイン。最近はSmartHRユーザーコミュニティ「PARK」の企画・運営も担当しています。
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