#03 [ヤフーが1年がかりで奮闘した「人事データの“三大疾病”」]はこちら
2019年5月14日、日本の人事部主催「HRカンファレンス2019 -春-」が開催されました(後援・厚生労働省、経済産業省)。
同イベントで、SmartHR 代表取締役の宮田 昇始が、パネルセッション「社内に眠る人事データの活用で、組織にイノベーションを起こせるのか」のモデレーターとして登壇。
ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア学長 / 株式会社ウェイウェイ 代表取締役 伊藤 羊一さん、株式会社シンギュレイト 代表取締役 鹿内 学さん、株式会社サイバーエージェント 人材科学センター 向坂 真弓さんの、3名のパネリストと宮田の計4名でディスカッション内容を全5編でお届けします。
4本目となる本稿では、株式会社SmartHRの提供する「ラクラク人事レポート」でできることについてご紹介します。
人事データ分析4つのステップ。始まりは集計・可視化から
宮田
『SmartHR』を運営していると、人事の方から「会社の人事データを活用し、退職を予測したい」と相談されることが多々あります。弊社のユーザーは飲食業の方が多いんですが、サービス業は離職率の高さが課題のため「特に何とかしたい」と言われるんですね。
では、雇用形態や年代別で今の離職率をぱっと出せますかと聞くと、多くの会社さんはすぐには出せない。
人事データの分析から具体的な改善においては、段階を踏んで進めていく必要があります。
こちらはガートナー社の図を引用していますが、人事データ分析の段階を大きく4つに分けています。
出典:Gartner「Gartner Says Advanced Analytics Is a Top Business Priority」
左側がデータ分析からの示唆で、右側は人間がそれに対してどう解釈し、どのように意思決定をし、行動するのかを表しています。
上から順に、1番目は「何が起こっているか」、2番目は「なぜそれが起こったか」。3番目は、「何がこれから起こるか」。4番目が、「私たちはどうすべきか」。分析の段階が進むにつれて、分析結果からより多くの示唆が得られます。
しかし、それらの高度な分析を行うためには「何が起こっているか」を見ることからスタートする必要があります。
可視化とクロス集計で7〜8割の人事課題が解決できる
リクルートマネジメントソリューションズさんの記事で紹介されていたのですが、株式会社イノヴァストラクチャーの三好淳一さんの見解によると、可視化とクロス集計が基本であり、これができれば7〜8割の人事の課題は解決できると言われています。
出典:リクルートマネジメントソリューションズ「人事系データの分析課題の多くは「可視化」で解決できる」
人事データ活用に潜む5つの課題
しかし、多くの企業では「可視化」「クロス集計」がままならない状況のようです。
伊藤さんの話にもありましたが、人事データの障壁は、データがばらばらで正しいかどうかがわからなかったり、予算がなく専門ツールに投資できなかったりすること。
また、人事部の中で「Python」や「SQL」などのプログラミング言語を使えるエンジニアを確保するのが難しい場合もあります。
最新かつ正確な人事データが分析を後押し
そんな課題を解決するのがSmartHRです。
SmartHRで管理する従業員情報は、行政手続きにも用いる最新かつ正確なものであり、用途に合わせた人事データの活用が可能です。
また、この従業員情報を活用した人事データの分析ツールを現在開発中であり、その画面の一部をお見せします。
こちらは、エンジニアの手を借りずとも、SmartHRの従業員データをそのまま引っ張ってこれるツール『ラクラク分析レポート』です。
月別の入退社数や在籍人数、離職率、雇用形態別の平均年齢、平均勤続年数、平均給与などがわかります。さらに、部署別や店舗別での人件費や残業時間、有給取得率なども可視化できます。
たとえば、ある店舗の離職率が高かった場合に、他店舗との残業時間を比較して改善策を練るようなことも可能です。
可視化とクロス集計で7〜8割の人事の課題が解決できると言われていますが、データが分散していて現状を正しく把握できなければ、ネクストアクションを導けません。
SmartHRを使うことで従業員情報を整備するとともに、『ラクラク分析レポート』によってデータ分析し、課題解決へと導いていっていただければ幸いです。
(了)
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【お役立ち資料】HRテクノロジーの活用で人事データ分析を加速
戦略人事や働き方改革推進の重要度が増している中、経営の意思決定に資する人事データ活用が期待されています。人事データ分析には、正確な人事データの収集・蓄積が必要。そのヒントがここにあります。
【こんなことがわかります】
- 人事データ活用の課題や障壁
- 人事データ活用に必要な「正確で最新な従業員マスタ」
- 人事データ活用を後押しするSmartHR
- SmartHRの「ラクラク分析レポート」でできること