1時間半で解決策を生み出せる?組織課題のヒントを引き出す実践法
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業務の悩みについて深く相談できない。話し合う相手がいない。
そもそも答えが見つかりにくい人事・労務の領域。抽象度が高く重いテーマの悩みほど、苦戦する方も多いのではないでしょうか。
そこで、SmartHRユーザーのコミュニティ『PARK』では、新たな試みとして『ワークショップ』を開始しました。人事・労務の人たちの困りごとを深く集め、みんなで共に考えながら解決策を探求したいという、PARK運営メンバー 渡邉 真知子(komachi)の想いからはじまったものです。
ひとつの課題に対して参加者全員で向き合い「どのような解決策が考えられるか」できるだけ多くのアイデアを出し合うのが、このワークショップの特徴です。
記念すべき初回、6月開催の会(オンライン)には、5名にご参加いただきました。ファシリテーターを務めたのは渡邉です。この記事では、ワークショップの様子をダイジェストでお届けします。
株式会社SmartHR カスタマーマーケティング部 アドボカシーユニット
料理レシピサービスcookpadにて約15年カスタマーサポート、コミュニティマネージャー、PdMの経験を経て2023年にSmartHRに入社。SmartHRユーザーコミュニティ「PARK」の企画・運営に携わる。
テーマは“解決したい組織課題”
ワークショップのテーマは、事前に参加者の自薦で決めていきます。今回のテーマは「部門の垣根を越えて健全な議論を実現するためにどうしたらいいか」。
応募してくださったのは、ミルウォーキーツール・ジャパン合同会社で人事責任者をされている森泉 彩さん。急成長中のスタートアップのため、各部門の状況やマネジメント層の連携に差異が見られ、現場の業務円滑化に向けた改善策が必要でした。
ミルウォーキーツール・ジャパン合同会社
新卒で営業に配属、その後 人事総務のキャリアを歩む。日系、外資系 複数社での勤務経験があり、現在は外資系スタートアップ企業の人事マネージャーとして、人事業務全般の責任を担う。
違う部門同士の会話で、各自の正義がぶつかりあってしまい議論が進まない。自己中心的な視点で会話が進んでしまい、仕事に支障が出てしまっているなど……どの会社でも大なり小なり起こることでもあります。
短時間で課題解決のヒントを探るワークショップ
1時間半で、参加者のみなさんから課題解決のヒントを集めるのがこのワークショップの目的。短時間でもテーマに対して深く話ができるため、課題解決の足がかりをもち帰りたい方、目標からやることを考える逆算思考を学びたい方にオススメです。
まず最初に、目指したい状態(ゴール)を考えて、そこに向かって意見を出し、アイデアを練りながら発散と収束をしていきます。
会場となるのは、ホワイトボードツールの『Figjam』。オンラインでも、ぺたぺた付箋をはるように同時に複数人が作業できるツールです。触るのがはじめての方でも安心して使えるように、名前や趣味などを記入しながら操作に慣れるエクササイズからはじめます。
Step1:目指したい目標から考える
まずは、課題となっている現状を見ながら「どのような明るい未来になっているのか?」を考えて言葉に置き換えていきました。出てきたのは「部門の垣根を越えて健全な議論を実現できている」という目標。
Step2:満たしたい前提条件を落とし込む
次に、その目標に至るまでに「どのような前提を満たす必要があるか?」を考えていきます。それを簡潔に表した「お互いの立場を把握できているか」「全体最適を図った意思決定ができているか」の2つを必須条件とします。
Step3:みんなの視点から見えるものを出し合う
前述の満たしたい必須条件に対して「それぞれ参加者の会社ではどのようにしているか?」。全員に具体的な施策や各社の課題、体験談などを自由に語っていただきました。
「部署間の意思疎通のためにビジョンメイクをやりはじめた」や「交流活性化のためにメンバーのコミュニケーションの機会を設けた」という具体的な施策の共有も。
Step4:「どうすれば〜?」課題を機会に置き換えてみる
続いて、課題をチャンスに置き換える発散のエクササイズをしていきます。「どうすれば私たちは、◯◯することができるのか?」という考え方にすることで、思いもよらなかったアイデアに出会えることも。
「どうすれば私たちは、お互いの考えや想いを共通に認識できるのか」「どうすれば私たちは会社のビジョン・ミッションを理解し行動に移せるのか」「どうすれば私たちは、仕事の枠を超えてコミュニケーションが取れるのか」それぞれ、みなさんの視点ならではの意見が出ました。
その中で共通項があるものを、渡邉がグルーピングしていきます。「ビジョン」「コミュニケーション」「枠を超える」この大きく 3 つのグループに分けられました。
Step5:重要だと思うものに投票
あらためて、「部門の垣根を越えて健全な議論を実現するために、私たちはなにをすればいいのか?」というテーマに立ち返り、重要だと思う付箋にそれぞれ投票していきます。
票が集まったいくつかの付箋から、「ディサイダー(決定者)」と呼ばれる参加者が、自分の意見も盛り込みつつもひとつの付箋に絞り込みます。
決まったのは、「どうすれば私たちは会社のビジョン・ミッションを理解し行動に移せるのか」という付箋。
Step6:解決策のアイデアを考えてみる
世の中にあるモノやサービスをヒントに、前段の「どうすれば私たちは〜」に対するアイデアを考えます。ひらめきに頼るのもよし、アイデアを出していくこと。目指すはアイデアの種を多く見つけることです。
Step7:どれだけアイデアが出せたかがゴール
「全社でワークショップを開催し、一人ひとりがどのように考えているか共有してみる」「毎週、役員など上位レイヤーの方からビジョンにまつわるエピソードを話してもらう」「ミッションやビジョンにつながる行動をしている職員を取材した社内報の発信」などさまざまなアイデアが出ました。
参加者の感想
ワークショップ終了後、ご参加いただいた方に、以下のようなコメントをいただきました。
- 立場や背景の違う人が集まる、互いが利害関係がないメンバーで意見を出し合うことに面白さを感じた
- ほかの会社も同じことで悩んでいることを知れたし、さらに語りたかった
最後に
1時間半という短い時間でしたが、活発な議論を通じて多くのアイデアが生まれました。テーマの抽象度も高いため、この会だけで解が出るというものでもありません。ゴールはご自身の知見として持ち帰っていただくことです。
組織の課題解決は、ひとりでは難しいもの。多様な視点をもつ人たちと協力することで、よりよい解決策を見つけることができるでしょう。
PARKでは、このような実験的な試みを運営メンバー主体で開催しています。あなたの組織にも活用できるアイデアがきっと見つかるはずです。まずはお気軽にPARKのウェブサイトをご覧ください。
※お申し込みはPARKの公式ウェブサイトから※SmartHRの有料プランご契約中の人事・労務に携わる方限定で参加いただけます