コロナ禍、急拡大組織における組織開発。マクアケ式 エンゲージメント改善のKUFU

2022.04.07 ライター:大久保志朗

SmartHRではユーザー同士で交流し、共に人事・労務やSmartHRの活用方法について学びあうコミュニティ「PARK」を運営しています。 

本稿では、2021年11月26日におこなわれたコミュニティイベント「PARK mini〜コロナ禍のエンゲージメント改善を語る会〜」の中から、ユーザー登壇パートのレポートをお届けします。

今回の登壇者は、価値あるアイデアや挑戦を後押しするアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を運営する株式会社マクアケにて人事本部 組織開発・採用チーム マネージャーを務める、林 輝葉さん。

マクアケ林さん式の、SmartHRでエンゲージメントを改善する上での「KUFU(工夫)」、ぜひ参考にしてください。 

「KUFU」とは株式会社SmartHRの創業時の社名である「株式会社KUFU」に由来しています。

株式会社マクアケ 林 輝葉さん プロフィール

株式会社リクルートに新卒入社し、人事として新卒採用や育成、組織開発を担当。グループ全体の事務局として組織開発プロセス構築にも携わる。

2021年1月、株式会社マクアケへ中途入社し、同年6月に初めてエンゲージメントサーベイを導入。現在は組織開発・採用チームのマネージャーとして、より働きがいのある環境づくりに取り組んでいる。

マクアケ林さんのPARK mini 発表動画はこちら! 

従業員エンゲージメント改善に取り組む背景

エンゲージメントに取り組む背景ありがたいことに弊社はコロナ禍の追い風を受けたところもございまして、事業が急成長しています。社内の採用ニーズも急増、それに伴い社員も増えて人事としてもチャレンジングな毎日を過ごしています。

そんな中でリモートワークも始まり、社員が大変そうだと思う場面が増えました。特に、価値観が多様化する中で、マネージャーからはどのようにマネジメントしたらよいか悩む声が多くなり、いかに解決するかを考えてきました。

マクアケ人事チームのOKR

マクアケでは目標管理の制度として「OKR」を取り入れており、人事ではこの図のように設定しました。事業成長は止めずに、従業員がイキイキと働ける環境づくりをしようと考え、従業員エンゲージメントの向上により力を入れていくことにしました。

人事の取り組み自体が従業員の働きたい理由になり、より多様な人材が輝ける組織にしていくことを長期的な目標として掲げています。

KUFUしたポイント

3つのKUFU エンゲージメント改善に取り組む上で工夫したポイントは、大きく分けて3つあります。

1.初速が大事!半期でとにかく動く、決める

マクアケでは2021年からエンゲージメントサーベイを始めました。組織開発に取り組む上で、従業員に「サーベイに回答したことで、必要なアクションが生まれている」と認識してもらうことがエンゲージメントを高めるための初速として大事だと感じています。

特に2021年の4月から9月までの半期ではスピードを意識して課題の特定からアクション設定までの一連のプロセスを回せるようにしました。

半期でやったこと実際にやったことは、プロセスとしてはシンプルです。サーベイはSmartHR従業員サーベイ機能を使っていますが、最初は項目を弊社らしく設計するところからスタートしました。 

まずは人事としてこれから実施することを従業員に宣言し、サーベイをおこない、ヒアリングして、分析しました。7月以降はその結果を開示して、従業員の意見も聞きながら打ち手の方向性を決めていきました。 

半期でやったこと(結果)

ここにすべて書き切れないくらい本当にいろいろなことを決めて、人事制度整備・施策実行に繋げました。 その結果、人事チームは社内の半期ベストチームとして表彰されました!

2.鳥の目・虫の目・魚の目

エンゲージメントサーベイを設計する上で、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」という3つの視点を大事にしてきました。

鳥の目

エンゲージメントサーベイ設計

全体を俯瞰して課題を見据え、全社として必要な経営アジェンダを入れるための優先順位をつける目的で、結果指標となるエンゲージメントスコアを取れるようにしました。

また、説明指標となる項目も、どういうところが弊社のエンゲージメント向上において重要なポイントになるのかを考えて内容と分析方法を事前に設計しました。

虫の目

個人ヒアリングの実施

弊社は当時150人くらいの会社で、サンプル数的にも集計結果だけをそのまま正解と捉えてしまうことは危険だと考えました。個人のヒアリングも並行しておこない、定性情報を集めることも意識しています。 

直近のエンゲージメントサーベイではあえて匿名にせず、人事のみ回答者がわかる形になっています。ヒアリングをする基準をあらかじめ設定し、該当する人にはできる限り直接ヒアリングするようにしました。

魚の目 

モニタリングの仕組み

1回のサーベイの結果に一喜一憂するのではなく、どう変化するかを見ていくことが大事ですので、エンゲージメントサーベイは今後も半期に1回のペースでおこなっていくことを全社員に向けて宣言しました。

月に1回個人のコンディションを確認するパルスサーベイも実施しており、エンゲージメントサーベイと連動して頻度高く追いたい指標は、パルスサーベイにも設問を付け加えて状況確認できるようにしています。

3.従業員が受け身にならないプロセス設計

マクアケらしい働き方の決定

マクアケでは、従業員が受け身にならないような意思決定プロセス設計を意識しています。

人事施策を決めるとなると、まず人事が原案を作って役員会へ持ち込んで、決まって下ろす、というのが通常プロセスです。

しかし、初回のエンゲージメントサーベイ結果においては今後の働き方への不安があることが課題として見えていたので、新しい働き方を決めるプロジェクトを立ち上げ、意思決定プロセスに従業員の意見を広く反映させるべく、「Mサミット」のテーマとして持ち込みました。

Mサミットは、マクアケの経営、事業、組織等における重要な意思決定を行う会議体で、経営層だけでなくテーマごとに関係する人を広く集めて議論が行われます。このMサミットに、人事から「新しい働き方の決定」というテーマを持ち込みました。

人事であらかじめ論点を設定し、各チームのメンバーで意見を出してもらってから、それを元にMサミットの場で、組織を超えたディスカッションを実施しました。そこで話題に出た大事にしたいポイントを人事が持ち帰って最終的な方針としてまとめました。

また、これまでマクアケには人事制度に関する方向性を明文化した「HRポリシー」がありませんでした。

そのためこのタイミングで、あらかじめ人事として大事にしたい要素をポリシーとして言語化することにも取り組み、多くの従業員を巻き込んで話し合っていく際に議論の軸がブレないように気をつけました。 

エンゲージメント改善に取り組んでよかった!と思ったこと

エンゲージメント改善に取り組んでよかったと思ったことデータを定期的に取得し、見るプロセスを作ったことで、全体を俯瞰したデータを出せるようになり、人事として使える武器が増えたと思います。 

これまでも人事にいろいろと相談をあげてくれる従業員がいたので、定性的な部分では組織の課題感をキャッチできていたのですが、それをそのまま役員会に持ち込んでも「それって誰かが個人的に言っていることでしょ?」と捉えられてしまうこともあり、組織全体の課題感として伝わりづらい部分がありました。

データを用いて、定量的にも組織課題を提示できるようになったことで必要な改善により繋がりやすくなったと感じています。

先ほどもお話ししたように半期で多くの課題解決に取り組みましたが、一つひとつの施策はまだ始めたばかりなので、効果や実感に関しては、まだこれから追っていかなくてはいけないところです。 

まずは、課題を見つけて変化させようとする人事の動きに対して前向きな声もいただいているので、取り組みとしての意義も感じてもらえているかなと感じています。 

そして、データ取得をするとどうしてもそこから見える課題にばかり目が行きがちですが、「ここのスコアが高いのって、やっぱりうちの会社の長所だね!」と、自社のよい部分を再認識できるきっかけになったこともよかったです。

正直、エンゲージメント改善の取り組みをする上で悩んでいること

エンゲージメント改善の取り組みをする上で悩んでいること現場の巻き込みに関しては、もう一段強化したいなという思いがあります。

マクアケはまだ従業員数が少ないので、チームごとの回答でメンバーが少人数の場合は、集計しても誰の回答か推測できてしまう懸念があります。

それだと率直に回答できない方もいると思い、初期の取り組みとしては敢えてチーム結果をマネージャーには報告せず、全体の結果として経営アジェンダに入れるところで留めました。

今後人数が増えていくにあたっては、マネージャーにもチームごとの集計結果を共有して一緒に課題解決に取り組めるようにしていきたいと思っています。

林さんからのメッセージ

マクアケではSmartHRでできる限りの人事データを一元管理することで、必要な分析がスムーズにできていて大変ありがたく思っています。 

マクアケとしては組織開発というテーマにおいてはまだまだ取り組みを始めたばかりでできていないことも多く、試行錯誤中ですので、今後もPARKを通じて人事担当の皆さまと情報交換できればと思います。

大久保志朗

SmartHRガイドの兄弟メディア「SmartHR Mag.」の編集長。リラクゼーションサロン運営会社、デジタルマーケティング支援会社、フリーランスの編集者・ライターを経て2019年SmartHRにジョイン。最近はSmartHRユーザーコミュニティ「PARK」の企画・運営も担当しています。
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