残業覚悟の年末調整シーズンから脱却。「ペーパーレス年末調整」実践時の工夫とその効果

2022.10.03 ライター:中山 武豊

9月16日に開催されたセミナーでは、株式会社マルエイホールディングスさまをお招きし、グループ会社10社を含む700名規模の「ペーパーレス年末調整」実践時の工夫と効果をテーマに事例を紹介しました。

株式会社マルエイホールディングスは、飲食・ホテル・仲卸業を中心に、国内に計26店舗を抱え、子会社の経理や人事などの管理業務を推進しています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「紙」を中心とした年末調整業務のペーパーレス化を実現しました。

本セミナーでは、ご担当者さまを迎え、「ペーパーレス化に取り組むきっかけ」「ペーパーレス年末調整の進め方」「SmartHRを選んだ理由」などを伺いました。

システム導入を検討されている方、サービス活用の不安、DX推進のお悩みがある方は、ぜひご覧ください。

■株式会社マルエイホールディングス 人事部 石田 郁世 氏

■株式会社SmartHR 小西、山城

SmartHR 小西:本日はよろしくお願いいたします。まずは石田さま、自己紹介をお願いできますでしょうか。

石田さん:株式会社マルエイホールディングス人事部の石田と申します。事業内容は、子会社の経理や人事などの管理業務です。従業員数は、グループ全体で2022年3月現在728名です。

子会社は現在10社ございまして、業種はホテル事業、飲食事業、レンタカー事業、不動産事業のほか、仲卸事業、農産物事業と輸入事業など、多業種にわたって展開しています。事業所は、千葉県をはじめとする8都道府県にございます。

主な業務は、給与計算業務、明細書の発行をはじめ、定期的に発生する有期契約者の更新手続きです。さらに、年に1度の年末調整、新卒採用の業務、36協定の届け出なども担当しています。

ペーパーレス化に取り組むきっかけ

新型コロナウイルス感染拡大により、紙での運用の負担が増えた

SmartHR 小西:今回は年末調整のペーパーレス化について主にお話を伺います。年末調整のペーパーレス化に取り組むきっかけを教えてください。

石田さん:弊社は複数の事業所があり、シフト制のアルバイトの方がとても多い業種です。そのため、毎年紙での郵送のやり取りが煩雑でした。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言で飲食業の店舗が休業し、アルバイトの多くの方に帰休していただいていました。年末調整に必要な用紙や給与明細書を店舗に取りに来ることが難しくなることが予想されました。

こうした背景があり、給与明細書とあわせて年末調整のペーパーレス化を検討いたしました。

SmartHR導入後の効果

約3,000枚の紙を削減。発送にかかる時間を大幅カット

SmartHR 小西:年末調整をペーパーレス化した結果、どのような効果がありましたか?

石田さん:今までは従業員への配布物の用意や印刷、店舗ごとの封入から発送という作業に膨大な時間を費やしていました。これらをペーパーレス化によって大幅に削減できました。

1番人数が多い飲食業態のグループ会社では500名弱の従業員に対して、紙は約3,000枚削減できています。

SmartHR 小西:SmartHRでのはじめての年末調整では、「あれ、これだけでいいの?」と、感じたそうですね。

石田さん:今まで非常に時間がかかっていたので、「これだけで本当にいいのかな」と不安になるくらいあっという間に終わってしまいました。

ペーパーレス化をすすめる準備の工夫

プロジェクト体制を整え、実施スケジュールを決める

SmartHR 小西:具体的にはどのような体制でペーパーレス化を進められたのでしょうか。

石田さん:上席にプロジェクトの責任者、プロジェクトマネージャーとして私が担当いたしました。グループ会社の10社は私が2社見て、実務チーム2名で複数社ずつ見ていく体制で実行しました。それぞれシステム導入の方法は一緒ですので、私がメインで設定作業の導入を進めました。

(プロジェクト体制)

SmartHR 小西:弊社のカスタマーサクセスの山城にも伺います。主に年末調整でどのようなサポートをしていたか教えてください。

SmartHR 山城:SmartHRを利用してはじめて迎える年末調整だったので、スケジュールのすり合わせや、業務フローについてご説明いたしました。とくに不安に感じられているところや疑問点を伺い、それらを解消するためのコミュニケーションもとっていきました。

SmartHR 小西:上記の図が実際に進めたスケジュールです。8月に従業員情報をインポートし、先に給与明細のペーパーレス化を進めています。あわせて年末調整のペーパーレス化も社内にアナウンスし、10月中旬から具体的なSmartHR上での設定を進めていますね。

10月下旬にマニュアル作成や社内案内を進め、その後SmartHRを活用して実際に年末調整業務をスタートされています。店舗の責任者の方々が閲覧できる社内ポータルサイトも活用されたと伺っています。

段階的にSmartHR導入を進め、従業員の登録作業を丁寧にフォロー

SmartHR 小西:はじめてのペーパーレス年末調整で関連書類の平均回収期間が10日とのこと。これはほかの会社に比べても早いですね。なにか工夫されたことがあったのでしょうか。

石田さん:さきに取り組んだ給与明細配布のペーパーレス化に合わせ、年末調整についてもしっかり社内にアナウンスしました。

初期登録のお願いを記載した資料(従業員の個人のスマートフォンから初期登録をしていただくためのマニュアル)

石田さん:上記の図はSmartHRを導入する際に、従業員の個人のスマートフォンから初期登録をしていただくためのマニュアルを、社内で作成したものになります。「給与明細書および年末調整の手続きがペーパーレスになります」と最初に明記し、従業員になるべく早く周知しました。

従業員の初期登録作業は膨大になると予想されたため、なるべくわかりやすい資料を用意しました。結果、初期登録やログインがスムーズに進んだと思います。

サポートコンテンツも活用

SmartHR 小西:つぎに、SmartHRが提供している「年末調整まるわかりページ」の活用について教えてください。年末調整を進めるうえでのウェビナーのご案内や、従業員さま向けのマニュアル、お客さまの事例などを閲覧できるポータルサイトのようなものです。このなかからいくつかピックアップして、お話を伺います。

(年末調整まるわかりコンテンツの一部。年末調整ウェビナーとタスクリストのイメージ)

SmartHR 小西:1つ目が上記の図の左側にある「年末調整ウェビナー」です。こちらはご覧になりましたか?

石田さん:私を含めて担当者全員参加しました。このウェビナーは複数日程があるため、担当者が同時に席を外すこともなく、分散して参加できました。内容も参加した全員が分りやすかったと言っています。

SmartHR 小西:2番目が上記の図の右側にある「年末調整機能のタスクリスト」です。SmartHR側から、Excel形式のタスクリストを提供しています。石田さまはご活用されましたか?

石田さん:はい、このタスクリストを1つずつ潰していくだけで、導入が進みました。

SmartHR 小西:なるほど、ありがとうございます。ほかにも、「従業員さま向けマニュアル」もダウンロードして配布されたと伺っております。

(年末調整まるわかりコンテンツの一部。従業員さま向けマニュアルと原本書類収集BOX)

石田さん:はい。公開されているマニュアルを、手を加えることもなくそのまま利用しました。まったく手間が掛からなかったです。

SmartHR 小西:ありがとうございます。もう1つは、上記の図の右側にある「年末調整原本書類収集BOX」です。原本回収が必要な書類を集めるときにご利用されたと思いますが、店舗や事業所などで活用されましたか?

石田さん:そうですね。従業員が多い店舗は紛失リスクもありますので、とても助かりました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。とても嬉しいです。では、ここからは質疑応答のお時間となります

(参考)スムーズな導入を支援!SmartHRの「年末調整サポートコンテンツ」を解説

質疑応答

Q:回収した書類をチェックする際、紙で進めていたこれまでの年末調整業務と比較してどのような違いがありましたか?

SmartHR 小西:「回収した書類をチェックする際、紙で進めていたこれまでの年末調整と比較してどのような違いがありましたか?」というご質問です。

石田さん:以前は全員の書類が回収できているかチェックするために、各店舗ごとに紙の一覧表を作成して管理していました。ペーパーレス化によって、SmartHRの画面上で回収状況が一目でわかるようになり、紙に「提出済み」と記入することもなくなりました。

2人体制で申告書のダブルチェックをする際も、SmartHRの画面上でチェック終了の旨を伝えられるので、紙でチェック表を作成する必要がなくなりました。

また、年末調整と契約更新の書類を回収後、一時的にオフィスの一角を占領する「店舗ごとに仕分けたレターケース」が不要になりました。

Q:PC、スマートフォンに慣れていない従業員の皆さんをどのようにサポートしましたか?

SmartHR 小西:PC、スマートフォンに慣れていない従業員の皆さんをどのようにサポートしましたか?導入を検討されているお客さまからもよくいただくご質問です。

石田さん:私も導入する前に心配していました。実際はご家族が対応してくださった方も多くて、対応が難しい方は店舗の責任者が一緒にスマホを操作して解決しました。

携帯電話自体を持っていない従業員も少数いらっしゃっいました。そういった方は、事業所のパソコンを使用しました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。ほかにも共有PCが使える特設会場を年末調整の期間だけ設けたり、一時的にサポート部隊を用意したりする例があるようです。

Q:SmartHRを選んだ理由

SmartHR 小西:SmartHRを選定した理由について質問をいただいています。「画面が見やすいこと」「従業員が操作しやすいこと」を挙げていただいています。こちらを石田さまから伺ってもよろしいでしょうか。

石田さん:ペーパーレス化をするときに、何社かのデモ画面を見せていただきました。SmartHRさんの画面は直感的に操作しやすい画面だと強く感じました。従業員の方に説明することを考えると、わかりやすさが一番大事だと思います。管理者の画面も、直感的に操作しやすい作りだと思いました。

(SmartHRの管理画面イメージ)

Q:SmartHRのペーパーレス年末調整機能で、お気に入りの機能はありますか?

SmartHR 小西:SmartHRのペーパーレス年末調整機能で、以下の図でお気に入りの機能を5点挙げて頂いております。解説いただいてもよろしいでしょうか。

▼お気に入りの機能

  1. 生命保険などの証明書を画面上で確認できる。
  2. 従業員の入力内容が、操作している画面表示と同様に確認できる。
  3. 差し戻す際にコメントが入れられる。
  4. 乙の方や社会・アルバイトなどをグループ分けして作業ができる。
  5. ダブルチェック機能がある。

石田さん:生命保険などの証明書の内容を確認しながらする作業において、申告書と並べて確認できるところがとても便利でした。

(生命保険等の証明書を画面で並べて確認する際のイメージ)

石田さん:従業員の方から「入力途中でわからなくなった」とお問い合わせがあったときも、従業員が操作している画面と同じ画面をシステム上で確認できました。同じ場所にいなくても説明できたので、便利でしたね。

SmartHR 小西:ありがとうございます。補足いたしますと、SmartHRでは選択式でご自身の状況をクリックし、回答していくと申告書ができます。回答内容を管理者も確認できるので、お問い合わせがあった際にスムーズに対応できたのかなと思います。

石田さん:確認作業のなかで、不備があって従業員に差し戻すとき、コメントを付けて差し戻しができるのでとても便利でした。

また、乙欄の方であったり、社員、アルバイトという従業員区分ごとにグループ分けをして、年末調整書類のチェックができたので、担当を分けてチェックするときも作業がしやすかったです。

(コメントを入れて差し戻す際の画面イメージ)

SmartHR 小西:ありがとうございます。雇用形態の区分によって年末調整の業務を担当する方が違う場合がことがよくあるので、従業員区分ごとにグルーピングすると、申告書の回収がスムーズに進むと思います。

SmartHRの機能をご理解いただき、運用フローを整えたことが、はじめてのSmartHRでの年末調整がスムーズに進んだ秘訣なのかもしれませんね。

石田さん:申告書はダブルチェック体制で対応しているため、ダブルチェックの有無がシステム上でわかるのはとても便利でしたね。

(ダブルチェック機能のイメージ図)

SmartHR 小西:ありがとうございます。今年も年末調整があるかと思います。よりスムーズにいけば嬉しいです。引き続きよろしくお願いいたします。

(参考)書類のダブルチェック機能を使う – SmartHR ヘルプセンター

Q:SmartHRを選んで良かった! と思う点をとくに挙げるとすると、どこですか?

SmartHR 小西:続いて、「SmartHRを選んで良かった!」と思う点を5点いただいております。こちらについて教えていただけますでしょうか。

▼「SmartHR上を選んで良かった」と思った点

  1. 従業員の操作画面がわかりやすく、ヘルプセンターで疑問も解決できる。
  2. SmartHRスクールで操作方法が学べる。
  3. システムを随時改善しており、より使いやすく、便利になっている。
  4. 年末調整に関する事前のウェビナーがとてもわかりやすい。
  5. サポートコンテンツなどが手厚く、安心して導入を進められる。

石田さん:まず、従業員の操作画面がとてもわかりやすいことと、不明点はヘルプセンターで解決できることが助かっています。

SmartHR 小西:ありがとうございます。では、2番目の「SmartHRスクール」についてお伺いできますでしょうか。

石田さん:SmartHRスクールでは時間を気にせず、学べました。また、後輩に業務を説明するときにSmartHRスクールを受けてもらうことで、後輩に説明するためのマニュアルの作成時間が省けました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。SmartHRスクールについて補足しますと、自己学習コンテンツのようなイメージです。設定などの操作方法をスクール形式で学べるようなコンテンツです。石田さまだけでなく、ほかのメンバーの方も学ばれたのでしょうか。

石田さん:そうですね。自分の習得度も目に見えてわかるので、とてもやる気が出ました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。では3番目の「システム改善」、4番目の「ウェビナー」についても伺えますでしょうか。

石田さん:すでにSmartHRは使いやすいんですけれども、さらに使いやすく、便利になるためのシステムの改善が随時行なわれていて、どんどん進化しています。あと、年末調整をはじめる前の事前のウェビナーがとてもわかりやすかったです。

SmartHR 小西:ありがとうございます。機能は随時アップデートしますので、法改正にも対応しています。

5番目の「導入サポート」についても教えてください。

石田さん:導入サポートがとても手厚いことを挙げているのですが、担当の山城さまと定期的に打ち合わせをさせていただいて、忙しい年末調整の期間でも、回数もタイミングも負担がなく、安心して導入を進められました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。とても嬉しいです。

Q:SmartHR上でペーパーレス化を進めるメリットはなんですか?

SmartHR 小西:では、続いて年末調整のほかにも、給与明細の配布だったり、入社手続きをペーパーレス化する機能をご活用いただいておりますが、これらをSmartHR上で実施しているメリットについて、ここも3点挙げていただています。詳しく伺えますでしょうか。

▼SmartHR上でペーパーレス化を進めるメリット

1.給与明細の配布準備が5分程度で完了。訂正時の再配布もすぐに配信できる。

2.店長からアルバイトへ給与明細書を配布する手間が省ける。

3.入社手続きのためにアルバイトが店舗に来る必要がなくなる。

石田さん:給与明細書の配布では、給与確定後に、給与支給日前日までに各事業所へ届くように郵送していました。印刷自体に2日間かかるため、非常にタイトなスケジュールで大変でした。

ペーパーレス化して、前日の夕方5分程度で配布セットが完了するのは大きなメリットです。また給与に訂正があったとき、以前は再度印刷や郵送し、「明細書が遅れます」という連絡をしていましたが、再配布もワンクリックで配信できるので、この手軽さはもう手放せないです。

SmartHR 小西:ありがとうございます。では2番目をお願いできますか。

石田さん:次に、店長が給与明細書を従業員に配布するという手間が省けたことも、とてもよかったと思います。

従業員はシフト制なので、毎日勤務するとは限りません。渡すまでに2週間くらいかけていたこともありました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。3番目のメリットはいかがですか。

石田さん:そうですね。たとえば店舗でアルバイトの採用が決まったとき、店長は入社手続きの書類の回収や本社への郵送をする必要がありました。さらに、マイナンバー制度が導入されてから、入社書類などが普通郵便で送れなくなり、簡易書留やレターパックでの対応が必要でした。

さらに、送られてきた入社書類に不備がある場合、訂正などの手間がかかっていました。それらがSmartHRを導入したことですべて解決できました。

SmartHR 小西:ありがとうございます。入社手続きの書類や、年末調整も似たようなところがあったと思いますが、ペーパーレス化したことで業務の効率化が実現できたのかなと思いました。ありがとうございます。

最後に、ご視聴いただいているペーパーレス年末調整に関心のある皆さまへメッセージをお願いします。

石田さん:給与計算担当者にとって、年末調整は1年の集大成でもあるビッグイベントだと思います。私も年末調整シーズンは毎日残業を覚悟していましたが、今年はほとんど残業しない予定です。それが実現できるのも、SmartHRを導入したからです。最後にお伝えしたいのが、No SmartHR, No Lifeです。

SmartHR 小西:ありがとうございます。No SmartHR, No Lifeと、おっしゃって頂いて、本当に嬉しく思います。

今年2年目のペーパーレス年末調整を迎えられると思いますので、さらに効率化を実感いただければ嬉しいです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

そろそろお時間となりました。あらためて今回ご登壇いただいた、株式会社マルエイホールディングス人事部の石田さま、本日はどうもありがとうございました。

石田さん:ありがとうございました。

株式会社SmartHR コンテンツマーケティングユニット所属。人事、Webマーケティング、Webコンテンツエディターを経験したのち、2022年8月より、SmartHRにジョイン。
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