雇い止め時に不当に「自己都合退職」にされたら・・・

2017.11.30 ライター: 弁護士 星野 宏明

こんにちは。弁護士の星野 宏明です。

改正労働契約法に伴い、「無期転換ルール」「2018年問題」などのキーワードをここ数年で聞く機会が増えたのではないでしょうか。特に、大学の非常勤教職員をはじめとした、大量の雇い止めが発生するのではないかという懸念も言及されています。

それに際し、「雇い止めに際して、会社都合でなく個人都合にされそうだ」というケースもあるようです。

雇用保険に関わるこの問題の当事者になってしまった場合、どのように対処すべきかについて解説いたします。

「自己都合」か「会社都合」かで受給制限にかかわる

雇用保険において、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かにより、受給制限の有無に影響があることは一般によく知られていると思います。

解雇などの場合が会社都合となることや、名実ともに自己都合退職である場合は比較的わかりやすいと思いますが、雇い止めでの離職の場合の扱いは、若干微妙のラインです。

雇い止めの場合の雇用保険扱い

雇い止めとは期間の定めのある雇用契約において、期間満了時に契約更新をしない状態のことをいいます。

雇用保険の扱いでは、以下のように区別されます。

(1)契約更新が1回以上あり契約期間合計が3年以上の場合

特定受給資格者に該当、給付制限期間なし(解雇と同じ扱い)

(2)契約更新が予定されていない契約または契約更新可能な契約で本人が更新を希望しなかった場合

特定理由離職者不該当 給付制限がない以外は自己都合退職と同じ扱い

(3)退職勧奨に応じた場合

特定受給資格者に該当 給付制限期間なし

(4)自己都合退職

特定理由離職者不該当

会社の区分が間違っている場合

  • 継続的に契約更新されている
  • 契約の合計期間が3年以上に達している
  • 本人が契約更新を希望

上記のような場合、雇用保険上「自己都合退職」の区分とはなりません。にも関わらず「自己都合退職」と言われた場合、給付制限などの点で不利益がありますので、ハローワークに相談し、区分の是正を求めてください。

弁護士 星野 宏明

大手法律事務所勤務を経て、東京都港区で星野・長塚・木川法律事務所開業(共同パートナー)。企業顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中国法務、外国関連企業、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件、国際案件等が専門。中国語による業務可能。


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