年末調整書類の記入が変わる! 「改正配偶者控除」で得する人損する人

2017.11.07 ライター: 副島 智子

こんにちは! SmartHRの副島(そえじま)です。秋も深まり、今年も残すところあと2ヶ月弱となりました。会社員の皆様の手元には、「年末調整」の書類が届いている頃かと思います。

毎年のことではありますが配偶者がいらっしゃる方は要注意!来年分の書類は記入の仕方がちょっと変わります。

そう! 来年から配偶者控除・配偶者特別控除が改正となるからです(*1)。国税庁をはじめ、多くのメディアでこの話題が取り上げられてはいますが、何がどうなるのか実はあまりよくわかっていない。そんな方も多いかと思います。

そこで、「毎月の給与から控除される所得税がどうなるのか」という観点で解説をいたします。

改正のポイント

まずは今回の改正のポイントです。2点あります。

  1. 配偶者の給与収入額(所得額)の要件が拡大されました。
  2. 生計を維持する給与所得者の収入金額(所得額)に制限が設けられました。

「配偶者の税扶養は103万円まで」という言葉を聞いたことがある方は多かと思います。この「103万円」が「150万円まで」OKとなりました。

しかし、これまでは生計維持者となる給与所得者の収入がいくらでも配偶者の収入が103万円までなら税扶養OKとなっていたところ、給与収入額1,120万円までという制限が設けられました。1,120万円を超える場合、税扶養とすることができず、毎月の所得税が高くなってしまうのです。

図にしてみるとこのような状態となります。

給与収入が1,120万円を超えることがわかっている方は、配偶者に収入がなくとも給与所得者の扶養控除等申告書(通称:マル扶)の配偶者欄に記入ができなくなるのです。

しかし、給与収入が1,120万円までの方は、配偶者の収入が103万を超える場合でもマル扶の配偶者欄に記入ができるようになりました。

毎月の所得税はどうなるのか?

上記の改正に伴い、毎月の所得税はこのようになります。

配偶者の給与収入額が150万円までの予定で、生計維持者の給与が1,120万円以下の場合

月給             400,000円
社会保険料等        − 59,060円
========================
税額表にあてはめる額  340,940円・・・(338,000円以上、341,000未満)

配偶者に給与収入が150万円あると、平成29年までは毎月の源泉徴収税額表の扶養親族人数にカウントされないため、所得税11,610円が控除されます。

しかし、平成30年からは150万円までは扶養親族人数が1人としてカウントされるため、所得税は8,370円となります。

配偶者の給与収入額が0円で、生計維持者の給与が1,120万円超えの場合

今度は逆に扶養親族のカウント数が減ってしまうため、平成30年からの所得税は増えることになります。

来年の年末調整は書類が増える! 「1,120万円」や「150万円」を超える方もチャンスあり!

上記は毎月の給与から控除される所得税のお話でしたが、生計維持者の給与収入が1,120万円を超える方や配偶者の給与収入が150万を超える場合でも、来年の年末調整時で受けられる控除(配偶者特別控除)があります。

来年の年末調整では「給与所得者の配偶者控除等申告書」という書類が増えます。

この書類で申告することで、配偶者者特別控除が受けることができ、控除額は金額に応じて変わります。詳細は国税庁が発表しているこちらのPDFの2ページめをご確認ください。

平成 30 年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて〜《配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額》

まとめ

  1. 来年から配偶者の収入額が103万円超え〜150万円までなら追加で税扶養できる!
  2. しかし、生計維持者の給与収入額が1,120万円を超えると配偶者に収入がなくても税扶養できない!

このポイントをしっかりおさえ、今年の年末調整で提出する、「来年分のマル扶」の記入を注意しましょう。


【注】
・上記計算例は障害者等の考慮はしておりません。
・「生計維持者」は配偶者を扶養する人という意味として記載しています。
・所得額で確認したい場合は配偶者の給与収入額から65万円を引いてください。

【参照】
*1:配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて – 国税庁

副島 智子

20人未満のIT系ベンチャーや数千人規模の製薬会社、外食企業など、さまざまな規模・業種の会社で人事労務の経験を持つ。前職のEC系スタートアップでは経営管理の役員を歴任し、2016年にSmartHRにジョインしプロダクトマネージャーに就任。従業員、労務担当者、経営者の3つの視点を持ち、年末調整機能の企画、電子証明書取得方法の解説など、メンドウで難しいものをわかりやすくカンタンにしてユーザーに届けることを得意とし、2017年カスタマー・エクスペリエンスチームを発足。


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