従業員がインフルエンザを発症!「対象者がやるべきこと」と「出勤停止期間の扱い」を解説


インフルエンザを発症した従業員

社会保険労務士表参道HRオフィスの山本純次です。

インフルエンザにかかってしまうと、仕事を休まなければならず、さまざまな連絡・手続きが必要となります。

従業員であれば上司に欠勤を連絡し、「いつインフルエンザが治癒するのか?」「いつ仕事に復帰できるのか?」について、こまめに確認しなければなりません。また、病院からの診断書が必要となるケースもあるでしょう。

今回はインフルエンザを発症してしまった場合の、「対象者がやるべきこと」と「出勤停止期間の扱い」をそれぞれ解説いたします。

インフルエンザを発症した際に必要な手続き

毎年冬季にかけてインフルエンザが猛威をふるいますが、皆様の会社で従業員の方がインフルエンザを発症された場合の手続きはどのようにされていますでしょうか?

通常、インフルエンザを発症すると、3~7日間は出社させないという会社が多いです。この基準に関しては労働安全衛生法などに明記されている訳ではありません。

学校保健安全法における、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで学校に登校してはならない」という規則をもとにしているところがほとんどです。

この休暇の扱いを、会社としてどうするかが頭の悩ませどころです。

就業規則で感染症に羅患した場合の対応を明確化するのが望ましい

通常インフルエンザと診断された場合、出社をすると他の従業員に感染してしまい、会社の業務に支障が出るかもしれません。

この場合であれば、会社は従業員の出社を控えさせることができます。

この際に、会社都合の休業とはみなされず、休業補償の6割の賃金を支払う義務もないとされています。従業員の対応としては、休職としての欠勤とするか、多くの場合は有給休暇を充てるケースが多いです

上記のケースが通常の対応ですが、扱いを明確にするためにも就業規則に感染症に罹患した場合の出勤停止、給与の扱い等を明記しておくことが望ましいところです。就業規則の規定例は下記のようなものです。

(伝染病等に罹患した場合の就業制限)
第〇条 社員が次の病気にかかったときは医師の判断により欠勤させ、または就業を制限することがある。
①病毒伝ぱのおそれのある感染性の疾病
②その他就業により病勢悪化のおそれがある病気

伝染病に罹患した疑いがある場合は、とにもかくにも病院での診断書を出してもらい、発症の日時を特定し勤務停止期間を決めましょう。

本当に伝染病に罹患しているかという確認にもなりますし、正しい勤務停止期間を把握することが重要です。

出勤停止期間の扱いは欠勤が前提ですが、有給休暇があれば充ててあげるのが望ましいでしょう。

伝染病にかかった可能性があるにも関わらず、本人が病院の診察を受けない場合

対応方法によっては、問題化するケースもあります。伝染病にかかった疑いがあるが、きちんと病院に行かず、本人が出勤できると言い張ってきた場合です。

明確な診断がない場合に会社が強制的に休ませると休業補償をする必要が出てきます。この場合は産業医などの専門家に診てもらうことが重要です。

この診断を拒否するとなると服務違反にもなりますので、それを理由に出勤停止などを命ずることも可能かと思います。伝染病に罹患していればしかるべき期間出勤停止とし、罹患していなかった場合は安心して出勤させることができます

上記、ケースに応じて様々な対応が考えられますが、どの対応にしても就業規則に明記しておけば、急な発症の際もどのような対応すべきか現場レベルで分かりますので良いと思います。また、「伝染病罹患届」などを診断書と合わせて提出させるというのも、明確な扱いができるので良い手法だと思います。


(最終更新日:2017年11月1日)

特定社会保険労務士 山本 純次

渋谷・表参道に事務所を構える人事労務の専門家、社会保険労務士表参道HRオフィス。代表山本純次。社労士として社会保険・労働保険の手続き代行から就業規則の策定、労務相談までなんでも対応いたします。事務手続き代行、給与計算、就業規則作成まで幅広い人事労務業務を対応いたします。また、ベンチャーとシステムに強い社労士としてIPO支援に関する業務まで対応しております。社会保険労務士 表参道HRオフィス


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