労働問題をもみ消されそうになったら? 泣き寝入りしないための対策とは

2017.10.25 ライター: 弁護士 浅野 英之

こんにちは。浅野総合法律事務所 代表弁護士浅野英之です。

会社の中で起こる労働問題は、残業代未払いから不当解雇、セクハラ、パワハラに至るまで多種多様です。

労働基準法をはじめとした労働法で、労働者の権利は保護されているものの、救済が受けられるのは、あくまでも、労働法違反が明るみ場合に限られます。

そのため、会社が悪意をもって、労働問題をもみ消そうとした場合に、これに対する対策が必要となります。

労働問題がもみ消される場合とは?

労働法違反になっているような会社では、その責任を労働者から追及されると、労働者に対して金銭を支払わなければならなかったり、会社の言い分が通らなかったりすることが考えられます。

労働法違反であっても、労働者に気付かれなければその責任追及を受けることはないため、会社が悪意をもってもみ消しを行うという場合があります。

例えば、違法な長時間労働が横行しているが、タイムカードを定時通りに押させて残業代を支払わなかったり、ハラスメントの相談、報告が来ているのに防止策をとらなかったりといったケースがあります。

もみ消されないための対策

労働者の側の立場で、万が一会社が悪意をもって労働問題をもみ消しかねないと考える場合には、「証拠収集」が一番の対策になります。

労働者が、労働問題を会社内で解決できない場合には、労働審判や訴訟など、裁判所で法的な手続で解決することになります。

このとき、法的手続では、証拠が重視され、労働者が会社の責任を追及する場合には、労働者側が労働問題を証明しなければならないこととなっているからです。

労働問題を証明するために収集すべき証拠の中には、就業規則やタイムカードなど、会社側が管理し、労働者だけの力では集めきれないものも多くありますが、会社が非協力的な場合には、やり取りのメールを保存しておく、会話を録音しておくなど、労働者側だけでもできる証拠収集をすることが、もみ消されないための秘訣です。

労働問題をもみ消されてしまったら?

では、万が一、会社に悪意をもって労働問題をもみ消されてしまったら、労働者側ではどのように対応すればよいのでしょうか。

もみ消しに気付いた場合には、「内部通報制度」を利用するという方法が考えられます。内部通報の窓口は、会社内に用意されているものから、法律事務所など会社外の窓口、行政機関など、いくつかの方法があります。

内部通報をきっかけとして調査が進み、会社の不祥事が明るみに出て、労働者の正当な権利が実現できるケースも少なくありません。

また、公益通報者保護法によって、公益のために内部通報をした労働者は保護されており、会社からの制裁が怖くて内部通報を躊躇してしまっている労働者の方も、不安なく内部通報をすることが可能です。

まとめ

今回は、労働者側の立場にたって、労働問題が会社内で、違法にもみ消されわないための事前対策と、万が一もみ消されてしまった場合の救済策について解説しました。

労働者の権利が侵害されているのではないか、と不安や疑問をお持ちの方は、弁護士にご相談ください。

弁護士 浅野 英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。企業側労働問題を得意とする石嵜・山中総合法律事務所にて、労働問題に関する数多くの相談対応、顧問先企業の労務管理を行ってきた経験を活かし、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。以降、「労働問題に強い弁護士」として、企業側はもちろん、労働者側の相談にも対応し、労働問題のスペシャリスト弁護士として活動中。特に成長中のベンチャー企業、中小企業の人事労務のコンサルティングに定評がある。
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