すべての会社員が10月に受け取る給与の「手取り額」が変わる2つの理由

2017.09.19 ライター: 副島 智子

こんにちは! SmartHRの副島(そえじま)です。今年もあっという間にあと数ヶ月。

この季節になると、10月に受け取る給与について、会社に勤めているすべての会社員の方が「手取額」が変わります。

なぜ変わるのか、理由を2つ解説します。

給与の手取り額が変更になる理由

1. 社会保険の「標準報酬月額」が見直された

社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険)の計算元となる、「標準報酬月額」というものがあります。

この標準報酬月額は、固定給の大幅な増減など一定の基準が満たされなければ変更になりません。そうすると、給与が少しだけ変更になっていてもずっと変わらない社会保険料となり、実態と見合わないものになってしまいます。

そういった状況を防ぐため、当年の4月・5月・6月に支払われた給与を元に1年に1度「標準報酬月額」の見直しが行われます(これを「定時決定」といいます)。

標準報酬月額が変更になると、保険料にどのくらいインパクトがあるかといいますと、次の例のようになります。

給与額の増減に応じた変更となるため、昨年の4月〜6月の給与と今年の4月〜6月の給与がまったく変わっていない(もしくはかなり軽微な変更の)場合は、標準報酬月額が変更されないため、社会保険料も変更になることはありません。

が、しかし!

タイトルで「すべての会社員が変更になる」と訴求した理由として、標準報酬月額が変更にならない(給与が変わっていない)方でも社会保険料が変更になる理由があります。

2. 「厚生年金保険料率」が引き上げられた

社会保険料は「標準報酬月額」に対して各種保険料率が乗じられて決まります。

その中で、厚生年金の保険料率は一律で9月分(10月支払い分)から “毎年” 引き上げられています。そのため、厚生年金保険に加入するすべての会社員がこのタイミングで厚生年金保険料が変更となります。

標準報酬月額が変更とならなかった場合でも、保険料率の変更に伴い、保険料も変更となります。このため10月に支給される給与の手取り額が変更となるんです。

※ 通常、社会保険料は翌月に支払いを行います。しかし、ごくまれに当月分の保険料を当月に徴収している会社がありますので、変更月が上記に該当しない場合があります。

【朗報】厚生年金の保険料率の引き上げは今年で終了!

保険料率が “毎年” 引き上げられると聞くと、青天井に保険料が高くなっていくのか……なんて思いますよね。

ここで嬉しいお知らせです! この厚生年金保険料率の引き上げは、今年(平成29年)で終了で、来年からは固定化されるんです(*1)。

そして実は保険料率の引き上げは毎年見直しをされていたわけではなく、平成16年の改正時に決まっていたことなんです。

  • 平成16年〜平成29年まで
  • 毎年 0.354%ずつ引き上げる
  • 平成29年9月からは18.300%で固定(会社+従業員の料率)

そのため、来年分からは給与に変更のない方は、社会保険料の変更なしという状態となりそうです(40歳以上になると介護保険料の控除が始まるということはあります)。

日頃あまり給与明細を見ていない方でも、10月に支給される給与はどのくらい金額が変わっているのか、チェックしておきましょう。

【参照】
*1:厚生年金保険料率の引上げが終了します ~平成 29 年9月以降は、18.3%で固定されます~ – 厚生労働省

副島 智子

20人未満のIT系ベンチャーや数千人規模の製薬会社、外食企業など、さまざまな規模・業種の会社で人事労務の経験を持つ。前職のEC系スタートアップでは経営管理の役員を歴任し、2016年にSmartHRにジョインしプロダクトマネージャーに就任。従業員、労務担当者、経営者の3つの視点を持ち、年末調整機能の企画、電子証明書取得方法の解説など、メンドウで難しいものをわかりやすくカンタンにしてユーザーに届けることを得意とし、2017年カスタマー・エクスペリエンスチームを発足。
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