「意識高い系社員」が現れたら「組織課題」を見直そう

2017.09.29 ライター: 社会保険労務士 吉田 崇

意識の高い社員というのは、会社にとって頼もしい存在です。

常に改善意識をもって業務にあたり、また仕事に関係する知識や技能の習得を自ら進んで行う。まさに社員の鑑と言えます。

ただし、これも度が過ぎると少し話が変わってきます。

今回は「意識高い系社員」が現れたときに見直すべきことについて考えてみたいと思います。

「意識の高い社員」と「意識高い系社員」って何が違うの?

中身の伴った「意識の高い社員」は、会社にとってもプラスとなる頼もしい存在です。一方問題視されるのは中身の伴わない「意識高い系」社員です。

毎朝会社で、エスプレッソを豆から挽いてはモーニングコーヒーを飲み、メールチェックの後、パソコンのエンターキーを「ターン!!」と力強く叩いては、しばしポーズを決める……。

とまあ、冗談はさておいて、仕事の中身が伴わないのに、否定だけは一人前。なぜかいつも上から目線で、事あるごとに、

「俺の能力はこんなもんじゃない。」

「俺はこんな仕事をする為に、この会社に入ったわけではない。」

「会社は俺を使いこなせていない。」

とうそぶいている。

上司にとっても扱いにくい存在ですし、周りで仕事をしている人たちにとっても鬱陶しいですよね。

自分がイメージする実力と、現実の実力とのギャップをごまかす為に、わざと自分を大きく見せようとするがため生まれる「意識高い系」社員と言えるでしょう。

(あれ? なんか私もサラリーマン時代、このようなセリフをよく言っていた気が……。)

頻出するようであればそれはむしろ会社の課題かも?

「意識高い系社員」がたまたま現れたくらいであれば、さして気にすることもなさそうです。

地道に仕事をしていく中で、仕事の面白さに目覚め、実力が伴っていけば、本当に中身の伴った意識の高い社員に育つ可能性もあります。そのような場合、上司や先輩は辛抱強く、育ててあげてください。どうしても我慢ができない、なんていうときは鉄拳制s……、いやいや、パワハラや暴力は絶対にダメですよ!

一方、あまりに頻繁に「意識高い系社員」が出てくるようであれば、どうでしょう?

そのような場合、そもそも組織に課題があることも考えられます。例えば以下のようなポイントです。

  • 経営方針が社員に行き渡らず、会社として目指すべき方向性が不明瞭
  • 採用方針が明確でなく、採用基準にブレがある
  • 組織文化に一貫性がなく、研修や教育が形骸化している
  • 会社の目標と、個人の目標設定が別の方向を向いている

このような際、もしスキルがあっても成果が出なかったり、そもそもその会社で求められるスキルではなかったり、研修の意図がわからずただただ時間が過ぎ去ってしまったりなど、社員の自信と実際の成果に乖離が生まれてしまいかねません。

当然、会社も当人も、そして上司や同僚など関係各位も歯痒い思いをすることになりますが、上記のようなケースで本質的な課題を抱えているのは、「意識高い系」と呼ばれてしまう社員たちより、むしろ会社のほうではないでしょうか?

そうであるにも関わらず「意識高い系社員」と称してしまうのは、臭いものに蓋をしてしまうようなことかもしれません。

本来活躍しうるポテンシャルを持っていた社員を「意識高い系社員」と揶揄した挙句、その人材を逃し、更には「意識の低い会社」だなんてレッテルを貼られてしまっては目も当てられません。

「意識高い系社員」が現れたと思ったその時は、一息ついてまず自社に課題がないか見つめ直してみてはいかがでしょうか?

社会保険労務士 吉田 崇

よしだ経営労務管理事務所代表。関西を中心に、社長と従業員が安心して働ける職場環境作りをモットーに多くの事業所と顧問契約し、 労務管理で成果を上げる。通常の社労士業務の他に、集客、ブランディングコンサルタントとしての実績も多数。一級カラーコーディネータの資格を有し、ポスターやロゴ等のデザイン業務やWeb制作も行う個性派社労士。よしだ経営労務管理事務所 公式サイト
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