無給ってアリなの? 「インターンシップの賃金」はどう解釈されるか

2017.09.14 ライター: 弁護士 星野 宏明

こんにちは。弁護士の星野 宏明です。

2019年春の卒業予定学生向けに、インターンシップが開催され始めています。

主には職場体験としての意味合いが強い「インターンシップ」ですが、必ずしもその体験などにとどまるわけではなく、特にベンチャーやスタートアップなどでは、現場の戦力として半ば本格的にコミットするケースもあります。

その際に、度々議論されるのがインターンシップの賃金問題。中には、「職業体験」をインターンの対価として、無給あるいは著しく低い賃金で働かせるケースもあるようです。

これらの「インターンシップの賃金」はどのように解釈されるのでしょうか?

インターンといえど「労働基準法」の適用を受けることもある

インターンシップに対する直接の法規制があるわけではありませんが、その性質上及び実態としては、冒頭で触れたように社員と同様の業務を遂行することもあるため、実態として労働契約であると評価される場合には、「労働基準法」の適用を受けることになります。

インターンシップには、「無給」のものと「有給」のものがみられます。

このうち、有給のものは、基本的にはアルバイト契約と同視でき、短期間、会社の指揮命令下において、業務を遂行させることも問題ありません。

ただし、最低賃金や残業代など労働基準法の規定を遵守する必要があります。

この点は、インターンという名であっても、通常のアルバイトと変わりません。

無給のインターンシップも可能

他方、無給のインターンシップももちろん可能であり、むしろ職場体験というインターの元々の趣旨を考えると、無給が本来の形ともいえます。

ただし、無給インターンシップとする場合は、あくまで研修、職場体験であることを忘れてはなりません。

給料の発生する労働契約ではない以上、会社の指揮命令下において業務を遂行させることはできません

時間的拘束をかけた上で、会社の指揮命令下に業務遂行を補助させることは、実体として労働契約と評価され、無給の労働の強制(最低賃金違反)として、違法となる恐れがあります。

無給のインターンはあくまで研修、職場体験の範囲を超える内容でないことが必要です。

正しくインターンシップ制度を運用するために

無給のインターンシップの場合、インターンシップの趣旨である研修・体験の目的からはずれないよう、また、意思に反する時間拘束とならないよう注意する必要があります。

有給のインターンシップの場合は、最低賃金以下とならないよう、残業代にも注意し、適切な水準の給料を設定する必要があります。

このように、インターンシップ実施にあたっては、趣旨に沿ったゴール・プロセスの設計や必要に応じた賃金設定など、どのようなプログラム内容で進行するかよく検討しておきましょう。

弁護士 星野 宏明

大手法律事務所勤務を経て、東京都港区で星野・長塚・木川法律事務所開業(共同パートナー)。企業顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中国法務、外国関連企業、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件、国際案件等が専門。中国語による業務可能。
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