「ランチミーティング」は休憩時間、労働時間どっち? 場合によっては違法になることも!

2017.05.17 ライター: 弁護士 星野 宏明

普段、会社で何気なく行われるランチミーティング。

昼食をともにしながらフランクに業務上の意見を交換できるため、通常のかしこまった会議とは違う良さがあり、社員の交流もかねて実施している会社も多いのではないのでしょうか。

しかし、ランチミーティングが「休憩ではなく業務」とみなされ、違法となる場合があるのをご存知でしょうか?

今回は何気なく行ってしまいがちなランチミーティングについて法的な面を踏まえて解説していきます。

ランチミーティング 休憩 仕事

休憩時間は業務から解放された「自由時間」である

そもそも、労働基準法上の休憩時間とは、労働者の権利として「労働時間の途中で労働から自由に離れることを保障された時間」をいいます。

したがって、使用者は、労働者に休憩時間を自由に利用させなければなりません(労基法34条3項)。すなわち、労働者には休憩時間の「自由利用」が保障されています

例外的に、機密保持や職場規律維持に必要最低限の範囲で、外出の制限などを行うことができる場合もありますが、それでも業務から完全に解放され労務による拘束を受けていないことが必要です。

強制的なランチミーティングは「休憩時間とはいえない」可能性あり

それではランチミーティングについて見ていきましょう。

一般に、ランチミーティングでは、昼食を食べながら、会議や意見交換もかねることになります。

労働基準法上の休憩時間としてカウントされるかどうかは、「場所的時間的拘束や労働者の意に反するかどうか」がポイントになります。

まず、そもそも休憩時間は、労働者が自由に使用できることがその核心ですから、意思に反して毎回、参加を強制されること自体、休憩時間としては否定される要素となります。

「ミーティングの前後に抜けたいときに抜けられない」、あるいは「自分の意思に反する昼食場所で拘束される」などの場合は、「休憩時間とはいえない可能性が高い」でしょう。

拘束的なランチミーティングには別途「休憩時間の付与」が必要

さらに、自由な休憩時間であっても、労働者同士が昼食を取りながら業務のことについて会話をするのはもちろんありえますが、議題やテーマが決まっていて、皆で昼食を食べながら業務上の議論をして意見交換している場合には、業務上の会議であって、自由時間である休憩時間とはいえない可能性があります

このような場合は、労働基準法所定の最低限の休憩時間を別途、付与しなければ、違法です。

ランチミーティングへの参加を強制すること自体は、直ちに違法ではありませんが、時間的場所的拘束がある場合には、それは業務時間であって、休憩時間にはカウントされず、別途「休憩時間の付与」が必要となります

電話番なども基本的には同じであり、業務の対応が必要となる場合は、完全な自由な休憩時間とはカウントされません。

近年は社員同士のコミュニケーション手段としてランチミーティングをする会社も増えていますが、拘束力が強い場合には、休憩時間として認められず、別途、休憩時間付与が必要となりますので、注意が必要です。

弁護士 星野 宏明

大手法律事務所勤務を経て、東京都港区で星野・長塚・木川法律事務所開業(共同パートナー)。企業顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中国法務、外国関連企業、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件、国際案件等が専門。中国語による業務可能。


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