企業が取り組みべき、LGBT当事者が働きやすい環境づくりとは?


企業がLGBT当事者のためにできること

LGBT当事者が登場する映画が公開されるなど、LGBTに関する社会的認知度が高まりつつあります。

しかし実際のところ、「LGBTの社員に対してどのように対応したらよいのか?」と、お悩みな方は多いのではないでしょうか。特に、個人情報を多く扱う点からバックオフィス担当の方にはカミングアウトするケースが多く、どう接すれば良いのかを悩んでしまう方が多く見受けられます。

本記事では、そのようなお悩みに対してのヒントをお伝えしていきます。

性的少数者がカミングアウトしやすい環境とは

そもそもLGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取った総称です。

ある調査では、日本は人口の約8%がLGBTであると言われています。

LGBTに関する書籍などは以前から出されていますが、最近ですと、LGBT法連合会が出版している『「LGBT」差別禁止の法制度って何だろう?』という書籍があります。

そのなかで、ゲイである男性営業職の話が出ていました。

彼は会社でトップの営業職でしたが、会社には自らがゲイであることを隠していました。

しかしあるとき、自分がゲイであることが職場の上司に知られ、取引先の担当を変更させられたといいます。営業成績から判断すると、本来その必要はなかったはずであり、正当な理由もなしに取引担当者が変わることは、必ずしも良いことではありません。

LGBT当事者は、「自らの努力ではどうにもならないもどかしさ」を感じているのです。

平成28年6月に厚生労働省は、男女雇用機会均等法のセクハラに関する通達を改正し、
LGBTに関する事項もセクハラの対象になるということが明確化されました。

企業側の対応としては、「LGBT当事者が社内にいる/いない」にかかわらず、「当社はLGBT差別は許しません」という趣旨を発信することが求められます

併せて、就業規則のセクハラ禁止条項をLGBTも含めた形に改正することや、社内研修を定期的に行うことも必要となりました。

これらの取り組みを通じて、職場をLGBT当事者がカミングアウトしやすい場所に変えていき、みなさんが安心できる場にしていくことが求められます。

実際に自治体や企業が取り組んでいる「性的少数者のための施策」

実際にLGBTへの対応を進めている職場づくりのケースとして、スターバックスジャパンの事例があります。2017年1月から法律上の結婚と同等の「同性パートナーシップ登録制度」を導入しています。

同性のパートナーについても、会社が定めた一定の条件/手続きを満たすことによって、戸籍上の配偶者と同様に取り扱っています。また、同制度により、福利厚生や諸制度の部分適用も行っています。

自治体の例を取り上げますと、世田谷区では、2015年11月からパートナーシップ制度を導入しています。

同性カップルである区民がその自由な意思によるパートナーシップの宣誓を区長に対しておこない、同性カップルの方の気持ちを受け止めるという取り組みを行っています。

全ての従業員がLGBTへの理解を深めていける対応を

「本人がカミングアウトしていないだけで当社にもひょっとしたらLGBTの社員がいるのかもしれない」

人事ご担当者の方は、まずその可能性を考えてみてください。そして、その存在を認めてあげられる寛容の精神を持つべきです。

LGBTへの対応は職場でのいじめや就職差別、さらには、当事者の自死まで引き起こしかねない課題です。

こうしたLGBT当事者の方と、誰もしもが共に生きています。全ての従業員がLGBTへの理解を深めているような対応を、企業は求められていると言えるでしょう。

社会保険労務士 倉橋 和之

社労士事務所に約1年勤務を経て平成23年11月開業。専門分野は、助成金申請業務を起点にした人事労務支援や資金調達支援。自身の開業経験を活かして事業計画書や経営改善計画の策定をメインに、起業者支援も行っている。
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