労務担当者必見! 社労士が選ぶ2017年の「5大労務ニュース」


2017年の労務ニュース5選

2017年のスタートにあたり、今回は労務担当者が押さえておきたいニュースをご紹介いたします。

数多くの労務に関するトピックが2017年には溢れています。65歳以上に対する雇用保険の適用拡大や、育児介護などにまつわる法律改正、助成金の新たなルール設定、マイナンバー制度の最新事情などなど……。

このような様々なトピックを紐解くべく、今回は労務担当者にとって外せない5大ニュースを解説いたします。

企業の労務担当者の方、ご年配の方、お子さんのいらっしゃる方には必須の内容ばかりですので、是非ともご覧ください。

(1)65歳以上も雇用保険加入

まず押さえておきたいのは、2017年1月1日より、雇用保険の加入上限年齢が撤廃されたことです。従来は65歳以上の労働者を新たに雇用した場合、雇用保険への加入手続はしませんでしたが、2017年1月1日以降は65歳未満の労働者と同様、雇用保険の加入手続を行うことになります。

既に雇用している65歳以上の労働者についても、2017年1月1日から2017年3月31日までの間に、所轄のハローワークへ雇用保険の資格取得届を提出して下さい。

(2)育児介護休業法の改正

次に押さえておきたいのは、2017年1月1日からの育児介護休業法の改正です。育児や介護に取り組む労働者の権利が拡大します。育児休業、介護休業においては以下の改正点があります。法改正に合わせ、就業規則(育児介護休業規程)の見直しが必要となります。

育児休業関連

①有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
②半日単位での子の看護休暇の取得

介護休業関連

①介護休業の分割取得
②半日単位での介護休暇の取得
③介護のための所定労働時間の短縮措置
④介護のための所定労働時間の制限

(3)「勤務間インターバル」導入企業に助成金

「職場環境改善助成金」という働きやすい職場環境を作るための取り組みをする会社に対する助成金は従来も存在しており、この助成金の中にいくつかのコースがありましたが、2017年内に「勤務間インターバル導入コース」が加わる予定です。

「勤務間インターバル導入コース」では、勤務間インターバルを導入するための就業規則の改定費用、社員研修費用、労務管理を行うためのIT機器の導入費用等を、一定の条件に基づき、1社につき最大で50万円支給する見通しです。

(4)マイナンバー関係の最新ニュース

2016年11月12日より、日本年金機構でマイナンバーの利用を開始することが承認され、マイナンバーを含む社会保険の資格取得届や資格喪失届の書式案も公開されました。

そこで、2017年早々から、社会保険関係の手続にもマイナンバーが必要になると思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、この点に関し、日本年金機構は「マイナンバーを含む書式を公開したけど、当面は利用しません」という方針を打ち出しております。2017年に入っても、しばらくは会社が社会保険関係の手続でマイナンバーを利用することはありません

ただし、関東IT健保のように、マイナンバーを独自に利用開始しているところもありますので、健康保険組合に加入している会社の労務担当者の方は、自社が加入する健康保険組合に、マイナンバーの取扱いについて確認をしておくと良いと思います。

(5)確定拠出年金法の改正

2017年1月1日より、個人型の確定拠出年金の加入可能者の範囲が拡大されます

従来、企業型の確定拠出年金に加入している人が重ねて個人型の確定拠出年金に加入することはできませんでしたが、今後は、一定の条件を満たせば、両方同時に加入ができるようになります。

また、これまでは確定拠出年金の加入対象とはならなかった国民年金の第3号被保険者(専業主婦や扶養の範囲で働くサラリーマンの妻等)も、新たに個人型の確定拠出年金に加入できるようになりました。

企業型の確定拠出年金を既に導入しているか、あるいは導入を予定している会社様は、最新の確定拠出年金法の情報を一度整理して押さえておくと良いでしょう。

まとめ

ここまで述べてきたことをまとめますと、2017年の労務関係のニュースは、高齢者の活躍、育児や介護の支援、ワークライフバランス、多様な働き方の容認といった、安倍政権が掲げているキーワードに沿ったものになっていると思います。

なお、これから2017年の国会で審議される内容として、36協定の罰則付き上限の設定や、年次有給休暇の取得義務化など、企業の労務管理の根本的な部分が影響を受ける法改正も予想されていますので、2017年は労務関連のニュースに細心の注意を払いながらウォッチしていきたいものです。

特定社会保険労務士 榊 裕葵

東京都立大学法学部卒業後、上場企業の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。独立後、ポライト社会保険労務士法人を設立し、マネージング・パートナーに就任。「社員から信頼される会社作りをサポートする」を経営理念として、顧問先の支援に当たっている。執筆活動にも力を入れており、WEBメディアへの掲載多数。


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