休日に急な出社命令・・・年末年始に出社しないとどうなる?


「人手が足りなくなっちゃって、今度の日曜日に出社してくれないかな?」

上司からこのように出社を依頼され、休日に出勤したことがある人もいるかと思います。

特にこれからは多くの会社で年末年始などは休暇期間となりますが、急な業務依頼などで出社を促されるケースは少なくありません。

今回は、年末年始の休暇中に会社から出社命令が出た時、「社員は出社を拒否できるのか」ということについて考えていきたいと思います。

業務命令を行う上司

業務命令として、原則は出社しなければならない

そもそも論になりますが、「会社は年末年始の休暇中に社員に出社命令を下せるのか」という論点において、当然ながら業務命令として出社命令を下すことはできます

では、どのような根拠で休日出勤命令を下せるかを確認してみましょう。

就業規則に規定を定め、36協定を届出していれば、業務命令として残業・休日出勤を命じることができます。就業規則には以下のように定めます。

「会社は業務上の必要がある場合は、所定労働時間外に、または休日に労働を命じることがある。なお従業員は正当な理由がない限り拒否することはできない。」

休日出勤は業務命令なので、「出勤するのが面倒くさいから」といった理由で拒否すると業務命令違反となり、罰則の対象となります。

社員が会社の残業命令を拒否するには、正当な理由が必要となります。もし争いになってしまった場合、正当な理由かどうかは裁判で判断することになります。

現実的には休日出勤命令違反が大きな問題となり、裁判まで発展するケースは稀なことかと思います。

出社拒否の正当な理由と考えられるのは、一般的には病気、育児、介護、冠婚葬祭となるでしょう。また、「本人でないと代わりがきかない」「その日しかできない」といった要素も加味されると思います。

トラブル防止のカギは「従業員との良好な関係性の構築」

インターネットで「休日出勤の命令があったら従わなければならないのか」と検索して調べてみると、社員側の立場で意見を述べている人がいました。

そこでは「休日出勤をしたくないのであれば会社を納得させる理由を考えて伝えるしかない」と書かれており、「嘘がバレなければOK」というスタンスが感じ取れました。

上記の心持ちの社員がいたとしましょう。上司から「悪いけど人手が足りないから1月1日に出勤してくれないか?」と、この社員が言われた場合、

「すみません、今大阪の親戚の家にきているので行けそうにありません。」
「すみません、昨日から風邪を引いたらしく熱が38度あるんです。」

といった嘘をつき、出社を断る可能性が考えられます。しかし、このような状況は企業にとっては芳しくない状況です。

そのため、労働法や規程のみで問題解決を行うのではなく、困っているなら助け合い、会社と社員はお互いに譲歩して対応していくのが理想的です

私の顧問先のとある会社では、実際に年末年始に人手が足りなくなるケースがありました。

このときは、自主的に社員から「私が行きますよ」と自ら進み出て対応してくれたそうです。こういうことが自然とできるようになるには、日頃から良い関係性を築くことが大事です。

年末年始に社員に出社してもらう場合、会社は特別手当を支給したり、休みを振替えたりするなどの配慮があっても良いと思います。社員は余程の用事がないのであれば、「極力は協力する」という姿勢であって欲しいものです。

特定社会保険労務士 野崎 大輔

日本労働教育総合研究所所長。サービス業におけるプロフェッショナル人材育成の仕組み構築と紛争予防解決コンサルタントとして労働問題対応を行っている。問題が起きたら解決するのではなく、問題が起きないように根治療法の重要性を提唱し、組織の風土改革、人材育成を実施している企業は労働問題の発生率が低下する一方で社員の定着率向上、業績向上といった成果が出ている。【公式サイト】「ハラ・ハラ社員」が会社を潰す(講談社)


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