この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。法律や手続き方法、名称などは変更されている可能性があります。

有給休暇を使うと給料が減る? ・・・意外と知らない「年次有給休暇」の賃金の決め方


年次有給休暇(以下、単に「有給休暇」といいます)は、雇入れの日から6か月継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に与えられます。

さらにパートタイムでも有給休暇が発生することは有名ですので、ご存知の方も多いと思います。

関連記事:パートやアルバイトでも有給(年次有給休暇)が取得できる条件とは?

最近は有給休暇をきちんと消化するように奨励している会社も多くなってきていますので、従業員の方は所定日数の有給休暇を取得できている(はず……)と思います。

Hope of investor conceptお金

さて、有給休暇を取ったときは、出勤していた場合と同じ賃金が支払われる(支払う)のが当然だと思っている方も多いと思います。実は、法律上出勤していた場合と同じ賃金の額だけが基準ではないのです。

今回は有給休暇時の賃金について解説したいと思います。

有給休暇時に支払われる賃金の額は3パターンある

有給休暇取得時に支払われる賃金の額については、労基法に定めがあり、下記3パターンのうちのいずれかの額を支払えばよいとなっています(同法39条7項)。

①平均賃金(同法12条1項)

②所定労働時間労働した場合に支払われる賃金

③健康保険法による標準報酬日額に相当する金額

なお、このうち、③により算定する場合は、労使協定を結ぶことが必要となります(同法39条7項ただし書)。

では、企業側がAさんについては平均賃金方式で算定したほうが安くなるので①を選択し、Bさんについては②を選択することができるかというと、使用者の恣意的選択は認めないとの行政通達がありますので、それはできません。また、従業員の側から「私は②がいいです。」と選択することもできません。

①~③のいずれの額を支給するかは、就業規則で明確に定めておくべきでしょう。

通常、②が選択されていることが多いようですが、従業員の方は、「あれ、有給休暇を取った月の給料が減っている……」と気付かれたこともあるかもしれません。

そういうときは①や③の方式が取られており、会社が間違えたりごまかしたりしたわけではない(はず……)ので、ちょっと損した気分にはなるでしょうがご安心ください。

弁護士 木川 雅博

企業法務(会社運営上生じる諸問題),労働問題(会社側・労働者側),不動産売買・賃貸・管理を巡る問題,子どもの事故,離婚・男女間のトラブル,相続問題など,法人・個人を問わず様々な案件を扱っています。事件処理方針は「迅速丁寧」。電話・メールに対するレスポンスや解決までの時間を可能な限り早く行います。また,依頼者の話を丁寧に聞き,納得のいく解決方法を一緒に考えていきます。星野・長塚・木川法律事務所(港区西新橋)


他の執筆記事はこちら

関連記事

年末調整特集