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パートやアルバイトでも有給(年次有給休暇)が取得できる条件とは?


そもそも有給(年次有給休暇)って?

今年の夏もまもなく終わりですね。帰省や旅行などに有給を使って出かけた方も多いのではないでしょうか。

しかし、有給は取得していても、そもそも有給がどのような制度なのか詳しく知っているという方は意外と少ないことが多いです。

有給とは、一定期間勤続した労働者に、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために労働基準法が付与した休暇のことで、給料を支給されつつ休暇をとることができる制度です。

労働契約では、ノーワークノーペイの原則から、労務を提供して働かない限り賃金が発生しないのが通常ですが、有給の場合は賃金が減額されることはありません。

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有給がもらえるのはどんな時?

法律上、有給の権利を取得する要件は、①雇い入れ日から6か月経過したこと、②その期間の労働日の80%以上の出勤の2つです。

この要件を満たした労働者は、10日の年次有給休暇が付与されます。さらに最初に年次有給休暇が付与された日から1年を経過した後、②と同様に要件(1年間の労働日の80%以上出勤)をみたすと、11労働日の年次有給休暇が付与されます。

有給の発生日数は、勤続年数が1年増えるごとに少しずつ増加していきます。

 

パートやアルバイトにも有給はある

労働時間が短いパートやアルバイトの従業員でも、有給は発生します。

ただし、労働日数に対応して、フルタイムの労働者よりは、取得できる日数は少なくなっています。

例えば、週4日(年間169~216日)勤務の場合、6か月勤続時に7日、以後1年の勤続が経過するごとに1日ないし2日ずつ増加して付与されます。

週4日よりも勤務が少ない場合は、徐々に付与される日数が減りますが、週1日(年間48~72日)だけの勤務であっても、6か月勤続時に1日の有給を取得できます。

年次有給休暇の請求権は2年間有効ですので、従業員は忘れずに取得するようにし、会社側はしっかり取ってもらうように働きかけることが理想です。

 

有給の利用目的はなんでもいい

有給は要件をみたせば法律上当然に発生するもので、従業員はどんな理由であっても、自由に使用できるのが原則です。

関連記事:従業員に年次有給休暇の「利用目的」を聞くのはNG!? – SmartHR mag.

例外的に、事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に変更させることができます。

 

有給をとらせない使用者には罰則もある

有給を規定した労働基準法39条に違反した場合、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に科せられます。

さらに現在、有給の義務化について議論されており、会社は年10日以上の有給を付与している社員に対し、年5日分の有給を取らせることを義務化することが検討されています。

日本ではまだまだ長時間労働の慣行が根強く残っており、休暇をよしとしない風潮もあって、有給の取得率は低いままです。

フルタイムの社員であってもそのような状態ですから、アルバイトやパートの有給消化にまで配慮が回らない状況かもしれません。

個人事業に近い小規模な会社では、パートやアルバイトにも有給が発生すること自体を知らない経営者もいますが、有給をとらせないことは罰則をもって禁止されており、職場における適切な休暇制度の構築が求められます。

弁護士 星野 宏明

大手法律事務所勤務を経て、東京都港区で星野・長塚・木川法律事務所開業(共同パートナー)。企業顧問法務、不動産、太陽光自然エネルギー、中国法務、外国関連企業、農業、不貞による慰謝料、外国人の離婚事件、国際案件等が専門。中国語による業務可能。


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