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何でもかんでも「ハラスメントだ!」・・・実在する「ハラ・ハラ社員」の実態とは


何度も同じミスを繰り返す社員に注意したらそれがパワハラと言われ、どちらが悪いのか分からないような状態になってしまったという問題が増えています。

これを「ハラ・ハラ問題」と言います。

ハラ・ハラとはハラスメント・ハラスメントの略でハラスメントという大義名分を武器に、何でもかんでも「ハラスメントだ!」と言いがかりに近いことを言って周囲を困らせる行為であり、このような行為をする社員をハラ・ハラ社員と言います。

仕事オフィス

実在するハラ・ハラ社員の実態

ある会社で何度教えても同じミスを繰り返す社員がいました。

最初の頃は上司も「誰でも最初は失敗するんだから気にするな」と励ましながら教えていたのですが、同じミスを何度繰り返すことで次第に周囲からも「Aさんのせいで自分達の負担が増えてるのに会社は何もしないのか?」と不満の声が漏れ聞こえるようになってきました。

上司も何回教えても同じミスを繰り返すAさんに対して苛立ちを感じるようになり、「何回同じミスを繰り返すんだ! 周りにも迷惑かけていることが分からないのか?」と少しキツめに注意し、ミスをなくすために都度報告をさせるようにしました。

しかし、後日Aさんは人事に「B課長が私にだけ厳しく注意します。これはパワハラだと思いますので何とかしてください」と言ってきたそうです。

もちろん言い方にも気を付ける必要はありますが、仕事に関する注意指導でパワハラ扱いされたのではたまったものではありません。

ミスが多い社員に注意をしたら、パワハラと言われてしまう……このようなおかしなことが多くの会社で起きています。

部下の指導をするにあたって厳しく言えば良いというものではないとは思いますが、時には厳しく言わなければならない時も必要です。

これをパワハラと言われてしまうのであれば上司はどうすればいいのか分からなくなり、「あいつは何か言えばすぐにパワハラと言うからもう注意するのはやめよう」と指導放棄につながる可能性も出てきます。

「慰謝料を払え」・・・さらに悪化する場合も

もっとひどいケースだと、「会社のせいでうつ病になったので労災の申請をしてくれ」であったり、「慰謝料を払え」と言ってくることもあります。

前述のように社員に注意をしたら会社を休みだし、診断書が郵便で送られてきます。

そして診断書には手紙が添付されていて「C部長からパワハラを受けたことによってうつ病になりました。これは労災になると思いますので労災の申請をお願いします。」ということが書かれています。これを見た上司は「何であれがパワハラになるんだ?」と納得ができません。

そしてこのような社員が復帰できずに会社を辞めた後にまた書面が送られてきます。

「会社のせいでうつ病になり、働けなくなったので慰謝料〇〇円を〇月〇日までに下記の口座に振り込んでください。期日までに振り込まれない場合はしかるべき法的処置を取らせていただきますので予めご了承下さい。」といったことが書かれています。

仕事ができない社員を注意しただけなのにこんな大事になってしまうのは想像できないかもしれませんが、実際にある話です。

こうしたハラ・ハラ問題は企業規模に関係なく、どの業種でも起こりうるのです。

最近はハラ・ハラ問題だけでなく労働問題で悩んでいる経営者が多いことから、次回の記事以降では労働問題はなぜ起きるのか、問題が起きたらどうすればいいのかといったことをお伝えしていきます。

特定社会保険労務士 野崎 大輔

日本労働教育総合研究所所長。サービス業におけるプロフェッショナル人材育成の仕組み構築と紛争予防解決コンサルタントとして労働問題対応を行っている。問題が起きたら解決するのではなく、問題が起きないように根治療法の重要性を提唱し、組織の風土改革、人材育成を実施している企業は労働問題の発生率が低下する一方で社員の定着率向上、業績向上といった成果が出ている。【公式サイト】「ハラ・ハラ社員」が会社を潰す(講談社)
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