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社内でパワハラが発生したとき、会社がとるべき5つの対応


従業員から会社に対して「パワハラがある」という相談や「パワハラを受けた」という相談があった際に会社がとるべき行動について説明します。

パワハラには、暴言・人格攻撃型と分類できるもののほかにも、人間関係切り離し(仲間はずれ)型、違法行為・過大業務要求型など種々 の類型があります。

相談を受ける際にはよく事情を聴取し、当該行為が上記のどれに該当するのか、または正当な職務行為ないし業務命令の範囲内といえるかを確かめる必要があります。

会議室パワハラSmartHR mag.

「パワハラを受けた」と相談をされた上司・担当者がとるべき対応

従業員から「パワハラを受けた」と相談された上司は、当該従業員からきちんと対応してもらえなかったと言われることがないように、誠実かつ適切に対処しなければなりません。

具体的には以下の5つの対応を行ってください。

①まず会社として誠実に対応する旨を伝える。

②ひとりで対応せず、内部通報・相談窓口があれば担当者と、なければ総務部や人事部の管理職を同席させ、当事者双方及び周囲の従業員等と面談する。

③相談者からの要望に応じて調査経過・結果を報告する。

④調査の公正・中立性に疑いを持たれることのないように、「その程度のことはよくあり、パワハラなどではない」などと相談者に共感を示していないと取られる言葉を用いない。

⑤当該行為が正当な職務行為ないし業務命令の範囲を超えていると判断した場合は、内規等に則り行為者に対して適切な措置をとる。

適切に処理しない場合は損害賠償請求も

これに反し、相談や内部通報に対して適切に対処しなかった役員・管理職は損害賠償請求を受ける可能性がありますので注意が必要です。

最近も、請求こそ棄却されたものの、内部通報を受けたコンプライアンス室長に対して損害賠償請求がなされた事案があります(東京地裁平成26年7月31日労判1107号55頁)。

パワハラに対する適切な予防・改善策を取ることもリスクマネジメントの一種です。会社の規模に応じてで構いませんので、パワハラの相談窓口・担当者を決めて従業員に周知しておくこともしておくべきです。

パワハラのない働きやすい会社を目指すことは、人材流出や職場環境悪化によるモチベーション低下の防止、レピュテーションリスクの軽減につながりますので、経営者の方は社内の職場環境改善を行うことを心がけてください。

弁護士 木川 雅博

企業法務(会社運営上生じる諸問題),労働問題(会社側・労働者側),不動産売買・賃貸・管理を巡る問題,子どもの事故,離婚・男女間のトラブル,相続問題など,法人・個人を問わず様々な案件を扱っています。事件処理方針は「迅速丁寧」。電話・メールに対するレスポンスや解決までの時間を可能な限り早く行います。また,依頼者の話を丁寧に聞き,納得のいく解決方法を一緒に考えていきます。星野・長塚・木川法律事務所(港区西新橋)


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