プレミアムフライデーは今後定着する? カギは「労働基準法の改正」か


プレミアムフライデーは定着するか?

こんにちは、アクシス社会保険労務士事務所の大山敏和です。

去る2月24日に、初めての「プレミアムフライデー」がありました。当日を迎えた際に、実施できた企業、そもそも実施できない企業と事情はさまざまでした。

政府主導での「みんなで休めば怖くない」的な企画ではありますが、働き方やライフスタイルの見直しを通じた結果として消費マインド向上に資することになれば、良しとすべきでしょう。

今回は初めて実施されたプレミアムフライデーを振り返り、今後施策が定着するかどうかを紐解いていきます。

政府と経団連は前向き

「プレミアムフライデー」を推奨している政府や趣旨に全面的な賛同を表明している経団連は、「月末の金曜日には、できれば午後3時までに仕事を切り上げましょう」と、実態としては掛け声をあげているだけです。

現場で人事労務管理を担当する部署は、「プレミアムフライデーと自社の就業規則との整合性をどうとればよいのか?」という命題に悩んだのではないでしょうか。あるいは、今後導入すべきかどうかを、まだ悩んでいるのではないでしょうか。

また、よくある勘違いとして、プレミアムフライデーを「長時間労働を是正するための策」と勘違いされている方も少なくありません。誤解のないようにしたいものです。

制度ごとにプレミアムフライデーの導入可能性を探る

プレミアムフライデーを導入する際に、社内労働制度との兼ね合いを確かめる必要性が生じます。各労働制度ごとに、導入可能性を探ってみましょう。

フレックスタイム制

一定の定められた範囲内で、労働者が自分の就業の開始と終了の時刻を決めることができる制度です。

したがって、フレックスタイム制の適用を受けている従業員であれば、自己の裁量で比較的に容易かもしれません。プレミアムフライデーを楽しむために、午後3時に仕事を切り上げることができるでしょう。

変形労働時間制

1ヶ月単位や1年単位で繁閑期が生じる場合に採用されやすい制度です。

繁忙期には多くの時間働き(たとえば1日10時間に設定し)、閑散期には逆に少なく働かく(たとえば1日6時間に設定する)ようにすることで、平均労働時間は、週40時間なるよう、あらかじめスケジュールを立てます。

変形労働時間制を採用していれば、導入は可能かと思われます。会社がプレミアムフライデーのために就業スケジュールを組む段階で、当日の労働時間を調整できるかもしれません。

固定就業時間制

就業日の就業開始と終了の時刻を、あらかじめ決まった時刻にする制度です(たとえば、朝9時から始業し、夕方6時に就業する等)。

では、固定就業時間制をとる企業の場合、どうしたらよいのでしょうか。

最も良い方法は、プレミアムフライデーのために就業規則あるいは労働協約を変更することでしょう。これなら会社のルールとして、プレミアムフライデーが定着するはずです。

ただし、2月24日にプレミアムフライデーを実施した企業の多くは、半日有給休暇や時間単位有給休暇の取得を推奨していたようです。

導入促進が行われるタイミングは、労働基準法の改正時か?

以前から労働基準法の整備を目的に、改正法案が国会に上程されていました。しかし、これまでは日程の都合上、その審議にすら入れない状態で棚ざらしにされています。

そうした改正案のひとつに、「年次有給休暇の取得促進」法案があります。

日本の企業ではあまりにも有給休暇の消化日数が低いので、ある条件の下で会社が時季を決め、強制的な有給休暇の取得を促進するものです。

この法案が成立すれば、会社が強制的にプレミアムフライデー時の勤務時間が半日となり、数時間の有給休暇を取らせることで、定着が促されるのではないでしょうか。

いずれにしても、本法案が成立するまでの固定就業時間制の企業では、導入時に会社単位での有給休暇取得を推奨する方法を取ることになるでしょう。現状、プレミアムフライデーの定着には迫力不足の様相を呈していますが、今後の動きを注視していきましょう。

社会保険労務士 大山 敏和

神奈川県央、厚木市に事務所を構えるアクシス社会保険労務士事務所代表。東名厚木インター至近につき他都県にも対応可能。中小および創業間もない企業の人事労務、労働・社会保険のみならず、人材育成コンサルティングに至るまでカバーし企業の成長をサポートします。助成金受給は人事面での優良企業の証として積極的に提案し、長期間にわたる社内環境の整備と受給手続きに対応します。
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