補助金・助成金の違いって? 起業時に役立つ返済不要の資金調達方法を解説!


補助金や助成金の案内を目にしたことはないでしょうか。企業に現金が直接入り、そのほとんどが返済の必要がない資金調達の裏技です。

資金が豊富にあることは、確かに企業力のひとつです。しかし、安易に飛びついた結果、会社の資金繰りを逆に圧迫することになり、予定外に運営コストが増大したという話などもあります。

今回は補助金・助成金の基礎知識を解説し、高い企業力を目指すための手段を紹介します。

補助金・助成金

そもそも助成金と補助金の違いって何?

実は助成金と補助金の名称において、明確な定義はありません。厚生労働省は「助成金」経済産業省は「補助金」と言い、地方自治体の場合は、都道府県単位や市町村単位で「私の県は助成金」「私の市は補助金」と、おおむねどちらかに統一された名称を使います。

よって、内容で名称を分けているのではありませんので、「どちらも同じ」という解釈が正しいことになるでしょう。

助成金と補助金ってどんな目的のものがあるの?

名称は同じでも補助金・助成金制度は、その性質から大きく2つに分類されます。

①報奨金

労働者の待遇改善や失業対策、就労困難者の雇用、従業員教育などの何かしらの前向きな企業行動を達成した事業に対して、達成報奨金の意味で支給します。金額として数万円~数百万円が、固定金額で支給されます。また、厚生労働省を中心に一部の都道府県や市町村も行っています。

(例)特定求職者雇用開発助成金、両立支援助成金 など

②費用補助

機器購入、展示会出展、セミナー開催、人件費、広告宣伝、工場設立などに掛かる費用の全部、又は一部を補助します。市町村・都道府県・各省庁と多岐にわたり、金額規模も小額から1億円以上と幅広いです。

(例)ものづくり補助金、キャリアアップ助成金、省エネ補助金 など

また、費用補助には以下の3種類があります。

・補助金を申請するための条件が決まっていて、それを指定手順通り達成したことに対して費用補助するもの。
・決まっている申請書式はあるが、詳しい具体的な内容は申請する方が企画立案して応募し、採択を受けた後に申請した業務を指定手順通りに行ったことに対して費用補助するもの。
・ほぼ費用補助で、国、地方自治体からの委託事業であるが補助金の名称で公募するもの。

補助金・助成金制度はなぜあるのか?

補助金・助成金は、審査に受かった方のみが受けられます。同業でこれらの存在を知らなかった方や公募に受からなかった方から見ると、いささか不公平に見えるかもしれません。そもそも、なぜこういう制度を作るのでしょうか。

政府や地方自治体は、中小企業振興・地方振興・一億総活躍・省エネ推進等のさまざまな目標や方針を掲げます。

行政から見て、これらを実績とする方法には、以下の6種類が存在します。

①やらないことに対して罰則を設ける
②民間でなく行政が直接行う(行政内に担当部署を作る)
③行政と民間出資の外部団体を設置して行う
④制度を作り、達成した企業を表彰(報奨金支給)する
⑤取り組みやすいように費用負担して行動を促す
⑥広報活動で意識改善を促す

これらにあるメリット・デメリットを考慮し、④や⑤の方法を予算に充てて行うものが補助金や助成金となります。

どんどん変わる補助金・助成金のルール

予算を使うということは、結果の検証も当然行います。申請が少な過ぎる、結果として本来の目標達成が困難、申請があまりに簡単過ぎて申請多寡、趣旨に外れた内容でも受給できる制度設計ミス等の理由で、年度中でも変更や停止が行われます。また廃止や内容の全面改訂もあります。

政府の方針転換によっては、大幅な制度廃止と新制度開始も起こりえます。大臣交代や総理交代などの場合は、非常に顕著となります。

政府方針が安定していると、昨年あった制度は次年度も同様の内容で行われる可能性が高いでしょう。準備に時間がかかるような補助金は、こういった予想をして取り組むことも有用です。

現在の補助金・助成金制度のトレンド

補助金・助成金は各々の方針を投影している面が大きいので、直近の注目される時事問題は非常に重要になります。昨今では以下の事項が大きな影響を及ぼしました。

・災害復興
・一億総活躍社会(高齢者雇用・女性活躍推進・育児介護支援等)
・労働問題対策(長時間労働、非正規労働者等)
・環境問題(省エネ等)
・技術革新(IoT、新商品等)

これらが昨年度からの継続制度や、新しく生まれるものとなります。また、地方振興、中小企業振興、輸出振興のようなものは、長期課題として今後も継続されるでしょう。

制度の特徴を知った上で取り組みましょう

お金の入ってくるタイミングも数ヶ月後というケースがほとんどであり、「いつまでに払う」という義務もありません。

このように、費用補助の場合は経費先払いのため、資金繰りに配慮が必要です。また、雑収入として課税対象となるものが多いことにも注意です。代行業者にも、一部これらに配慮しない会社や、不正受給を勧める会社もあります。

せっかく支給してもらえるお金であるため、見かけ上で入って来る金額だけに踊らされずに、細かい部分まで配慮する必要があります。

会社の本来の目的である、事業の発展に役立つようにしたいものです。

社会保険労務士 原田 雄一朗

鹿児島県鹿児島市出身、法政大学工学部電気工学科卒業。東証一部上場食品メーカで生産管理、退職し債務超過の食品メーカ及び食品問屋の専務、代表取締役として大規模改革を行うも倒産、業務用食品問屋での営業職を経て、社会保険労務士に合格し開業。助成金・就業規則・事業再生・事業継承・社員研修を中心に多方面で活躍中。鹿児島青年社労士クラブ初代会長・鹿児島県社労士会鹿児島支部理事歴任、JCシニアクラブ所属。
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